リカルドがマクラーレンで辿り着いた”デッドエンド”。来季はサバティカル検討も「興味があるのはF1だけ」
今季限りでマクラーレンから離脱することが決まったダニエル・リカルドは、苦境から脱することに関して「行き詰まり感」があったことを認め、来季はサバティカルも検討していることを明かした。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
マクラーレンは8月24日(水)、ダニエル・リカルドが2022年シーズン末にチームを離れることで合意したと発表。リカルドは2023年末までチームに残留することになっていたものの、1年早く契約が終わりを迎えることとなった。
2021年にマクラーレンに加入したリカルドは、イタリアGPで劇的な勝利を収めたものの、マシンの適応に苦戦。今季はチームメイトのランド・ノリスとのパフォーマンス差が顕著になっていた。リカルドは苦境から脱するために試行錯誤を繰り返したものの、その中で「行き詰まり」を感じていたと明かした。
離脱のニュースが発表されてから初めて公の場に現れたリカルドは、放出が公表されるまでに、パフォーマンス向上に向けて何ヵ月もチーム側と話し合いを行なっていたと語った。
「ある日突然電話がかかってきて、『やあ、じゃあこういうことだから』と言われた訳じゃない」
そうリカルドは言う。
「ここ数ヵ月、ずっと話し合ってきたことなんだ。『このレースで5位以内に入れなかったら、君とは終わりだ』っていうようなモノでもない。それよりも『僕らはどうすれば良いのだろう?』『どうすれば一貫して上手くいくようになるのだろう?』という感じだった」
「もちろん、僕はフィードバックをしようとしたし、マシンで苦戦していることも明かした。たくさん話し合ってきたんだ」
「でも、それ(契約)が懸念されていることも理解していたんだ。僕が得てきた結果は、僕らみんなが求めていたレベルには達していなかったからね。だから何ヵ月もかけて、その問題解決に向けて話し合っていたんだ」
「でも同時に、『じゃあ、次に何をする?』『今は何をすべき?』という展開にもなる可能性もある。残念なことに、僕は行き詰まったように感じていた。少なくとも、その時点でやれることはほとんどやり尽くしたと感じたんだ」
Daniel Ricciardo, McLaren
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
1年前倒しでの契約終了について、彼は次のように語っている。
「もちろん、最高の気分とは言えない。だけど振り返ってみると、僕は自分の力を発揮して、全力を注ごうと、上手くいくように努力してきたんだ」
「時々『トライはしてみたけど、必ずしも上手くいく訳じゃなかった』と受け入れていることもあった」
「でもその点で言えば、『怠けていたんだ。だからこの成績なんだ』とかそういう風に振り返ることはない」
「そういうモノなんだ。僕はチームと実現に向けて努力し、それに徹したことを誇りに思っている。でも、そうであってほしくなかったと言いたい部分もあるんだ」
リカルドは今季末にマクラーレンを離れることが決まったが、来季以降に関しては未確定だ。しかし、あくまでも焦点はF1にあるとして、適切なチャンスが訪れるのであれば、2023年に”サバティカル”を取ることも辞さないと語っている。
1年間F1から離れる可能性があるのか、との質問についてリカルドは次のように答えている。
「そうだね……もしそれが理にかなっているのならね」
「僕のキャリアの中で、現段階で興味があるのはF1だけなんだ。F1は僕が愛しているモノだし、もし僕がどのレースをしていても、(F1にいる)自分自身の姿だけを見ている」
「もし奇跡が起こらず、来年は(F1へ参戦する)意味が本当になくて、リセットや内省のために休暇を取ることになり、それが正しいことであるなら、僕は喜んでそうするよ」
「僕はまだこのスポーツを愛しているし、この逆境の中でも自分に対する自信は失っていないと思う」
「確かに、厳しい週末を過ごしてきた。時には感情を顕にせずにはいられなかった。それでも僕はF1が好きなんだ」
「そして僕はまだ競争力のある仕事をしたいし、正しい場所で仕事がしたいんだ。ただ、頭数を揃えるだけのドライバーになりたいと言ったことは一度もない。もし僕がここに留まるなら、何か目標を持っていたい」
「だから、それが将来的にどういう意味を持つかは分からない。でも、もちろん、適切なチャンスを得られるなら、僕はここにいたいんだ」
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