アストンマーチン、新リヤウイングはレギュレーションが目指した”意図”に反していないと自信
アストンマーチンがシーズン前半戦最後の1戦となったハンガリーGPに、独特のアイデアで作られた翼端板を備えるリヤウイングを投入した。ただチームはこれについて、新レギュレーションの意図を覆すものではないと主張する。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
アストンマーチンF1は、2022年シーズンの前半最後のレースに、革新的な翼端板を持った新しいリヤウイングを投入した。このリヤウイングは、激しいレースの実現を目指した新レギュレーションの意図に違反しているのではないかとの指摘もあったが、アストンマーチンとしてはこの意図に反していないと主張している。
今シーズンからF1には新しいテクニカルレギュレーションが導入され、マシンの姿形が一変した。これは、レース中の接近戦を増やすというのが目的のひとつである。その一環としてリヤウイングは、翼端板とメインプレーンが一体化した形となり、後方に発生する乱気流を減らすことが目指された。
ただハンガリーGPの際にアストンマーチンが持ち込んだ新しいリヤウイングには、昨年までと同じような翼端板が備えられていた。ただこれは、前述の通り今季のレギュレーションの意図に反しているのではないかとして、批判の的となった。
ただアストンマーチンは、レギュレーションをうまく解釈し、ダウンフォースを増加させるために伝統的な形の翼端板を復活させた。しかもこのコンセプトはFIAによって承認されたものであり、合法性についての疑問はない。しかしながらこのデザインにより、リヤウイングが乱流を生み出すことになるのではないかと指摘されている。もしこれが事実であれば、アストンマーチンとしては、後方のマシンを接近させないという”ディフェンス”的なメリットもあるかもしれない。
しかしアストンマーチンのテクニカル・ディレクターであるトム・マッカローは、FIAはこのリヤウイングについて、レギュレーションへの適合性のみならず、そのレギュレーションが目指す意図を台無しにしていないということに、お墨付きを与えていると主張する。
「レギュレーションの意図があるので、その点で大丈夫であるということを確認するのが、我々が目指したことの一部だった」
そうマッカローは説明した。
「しかしシミュレーションで、それが物質的な影響をまったく及ぼしていないことを示すことができた」
「マシンの考え方全体が、とても支配的なモノだ。そのウイングのアイデアは、非常に小さな一部にすぎない」
マッカロー曰く、この新しいリヤウイングを実際に生産することを検討する前に、アイデア自体が完全に合法であることを確認するために、FIAと数ヵ月にわたるチェックを行なったという。
「我々は最初の解釈と理解から、FIAの技術部門とやりとりをすることに、何ヵ月も費やした」
「その後、いくつかのやりとりを経て、全てのテクニカルレギュレーションを満たしているということに彼らが同意したという理解を得た」
「その後で、我々はそのリヤウイングを製造することを決めた。それが、実際にコースに持ち込むまでに時間がかかった理由だ。最初に連絡をしてから、FIAの完全な承認を得るまでには、数ヵ月かかったんだ」
「理論上の承認を得た後で、それを実際に設計して製造する。その後全てのデザインを、レース前に提出する。繰り返しにはなるが、その時点でもFIAがその設計に満足していることを確認する必要があるんだ。そして実際にマシンに搭載することになる」
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