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F1分析|レギュレーション大変更の2022年……勢力図は変わるのか?

2022年のF1は、テクニカルレギュレーションが大きく変更される。これにより、勢力図に変更が加わるのか、それとも変わらないのか?

Jenson Button, Brawn GP BGP001 Mercedes

写真:: Steve Etherington / Motorsport Images

 2022年、F1のテクニカルレギュレーションが大きく変更される。これにより、マシンの姿も一変することになるはずだ。

 2021年までのF1マシンは、前を行くマシンの乱流を受けやすく、オーバーテイクするのは難しいとされていた。しかし新レギュレーションでは、マシンの上面ではなく下面でダウンフォースの大半を生み出す形となり、前を行くマシンの乱流の影響を受けにくくすることが目指されている。その結果として、接近戦やオーバーテイクが増加することが期待されているわけだ。

 オーバーテイクが実際に増加するかどうか、それは新シーズンが始まってみなければ分からない。それよりも気になるのは、勢力図にどんな影響を及ぼすことになるのだろうかということだ。レギュレーションが大変更されると、それまでの勢力図とは大きく変わることがよくある。

 直近の例では2014年に現行のパワーユニット(V6ターボエンジン+運動&熱エネルギー回生システム)が導入された際、メルセデスが一気に優位性を築き、以後7年間にわたってダブルタイトルを独占してみせた。

 またその前には、2009年にレギュレーションが大きく変更された際にも、やはり勢力図が一変した。

 2009年、前年までは中団グループだったブラウンGP(前年まではホンダ)とレッドブルが一躍トップチームとなり、タイトル争いを繰り広げた。

 そうなった理由はいくつかある。

 ひとつは、運動エネルギーを回生してパワーブーストに使うことができるKERSが導入されたことだ。このKERSは、現在のパワーユニットの走りとも言えるシステム。つまりハイブリッドF1時代の先駆けだった。ただ導入初年度であり、KERSを使うかどうかは各チームの判断に任された。フェラーリやマクラーレン、ルノー、BMWザウバーら前年までのトップチームは、KERSを使うことを決めた。しかしブラウンGPやレッドブルは、搭載しないことを選択。トヨタなども、開発はしたものの実戦投入は見送った。KERSのコンポーネント、特にバッテリーは当時はまだまだ重く、パワーブーストのメリットよりも、重量増によるデメリットの方が大きかった。

 また、レギュレーションの隙間を突いた革新的な空力パーツの存在もあった。その代表例が、マルチディフューザーである。マルチディフューザーは、ディフューザーを複層化したものであり、フロア下でより大きなダウンフォースを生み出すことができた。

 このマルチディフューザーを最もうまく活用したのがブラウンGPで、ジェンソン・バトンが前半7戦中6戦で優勝。チームメイトのルーベンス・バリチェロも、後半に2勝を挙げた。

 レッドブルは当初はマルチディフューザーを搭載していなかったが、空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイがデザインしたRB5は高パフォーマンスを発揮し、シーズン後半にマルチディフューザーを投入すると、さらに戦闘力は向上した。

 結局ブラウンGPがダブルタイトルを獲得し、レッドブルがランキング2位。それぞれ前年はランキング9位(ホンダ)と7位(レッドブル)だったわけだから、その躍進がどれほどのモノだったのかということがお分かりいただけよう。

 さて2022年には2009年と同じようなことが起きる可能性があるのだろうか? マクラーレンのテクニカルディレクターであるジェームス・キー曰く、新レギュレーションは規制が厳しく、2009年のマルチディフューザーの様なモノが登場する可能性は低いという。しかしながら「巧妙なアイデアやアプローチの仕方がある」とも語っているため、何かとんでもない秘密兵器を隠し持っているチームがいても、決して不思議ではない。

 各チームは、2月上旬〜中旬には新車を発表することになると思われる。しかし発表会では大事なところは隠すのが常だ。その片鱗はバルセロナとバーレーンで予定されているプレシーズンテストで見られるだろうが、真の実力は開幕戦バーレーンGPの予選になってみなければ分からないだろう。

 さて新シーズンはどんな展開となるのか、実に楽しみである。そして2009年のレギュレーション変更でトップチームに加わり、2021年も激しいタイトル争いを繰り広げたレッドブルとメルセデスの立ち位置はどうなるのだろうか……。

 
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