F1メカ解説|2021年、アルファタウリ・ホンダAT02大解剖
2022年、F1には新しいテクニカルレギュレーションが導入され、マシンの形状が一変することになる。では2021年のF1を戦ったアルファタウリ・ホンダのマシンAT02は、一体どんな開発が施された1台だったのだろうか?
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
フロントサスペンション
AlphaTauri AT02 front suspension detail
Photo by: Giorgio Piola
アルファタウリAT02は、2020年にレッドブルが使ったステアリングラックとアッセンブリーを、トークンを使わずに変更することができた。これにより、ステアリングラックのアッセンブリーは、より後方に移動。フロントベルクヘッド部分には露出しない形となった。
ギヤボックス&リヤサスペンション
AlphaTauri AT02 gearbox suspension
Photo by: Giorgio Piola
AT02のリヤサスペンションとギヤボックスは、AT01から流用されている。とはいえこの下から見た構図のイラストでは、さまざまなディテールの部分をご覧いただくことができよう。特にプルロッドの車体側の取り付け部が、よく分かる。
フロントウイング翼端板
AlphaTauri AT02 new front wing end plate with arrows details, French GP
Photo by: Giorgio Piola
アルファタウリは、シーズンを通じて複数回にわたってフロントウイング翼端板のフットプレートの形状を変更。フットプレート下の部分が四角いもの、そして曲線を描くものなどが登場した。また翼端板とフットプレートの間に存在する開口部の形状も変更された。この開口部により、フットプレート上部から下部に、空気が抜けるような形となっている。
フロントウイングフラップのレイアウト
AlphaTauri AT01 and AT02 front wing comparison, Italian GP
Photo by: Giorgio Piola
イタリアGPに持ち込まれたフロントウイング、その2020年版と2021版の比較である。2020年仕様のフロントウイングは、フラップの1枚目と2枚目の内側先端が、メインプレーンの中央平坦部に接続されるような形となっている。しかしAT02では、全てのフラップの先端が独立して存在、また、もっとも後方のフラップ(4枚目)の形状自体も変更されている。
カウル内部
AlphaTauri AT02 detail
カウルが取り外されたAT02。通常は見ることのできない、マシンの内部をじっくりと観察することができる。
バージボード&ディフレクター
Pierre Gasly, AlphaTauri AT02, arrives on the grid
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
グリッドに到着したアルファタウリAT02。バージボードとサイドポッド・ディフレクターの全体的なレイアウトが観察できる。
バージボード&ディフレクター
Pierre Gasly, AlphaTauri AT02, on the grid
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
AT02のバージボードとディフレクターをやや上方からチェック。実に複雑なレイアウトとなっており、2021年F1の空力の複雑さを認識することができよう。
角田裕毅のステアリングホイール
Steering wheel for the car of Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT02
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
角田裕毅のステアリングホイール。その裏側をチェック。角田が好んだパドルの配置が分かる。
エキゾーストパイプ上のウイングレット
AlphaTauri AT02 detail
Photo by: Uncredited
ガレージで整備を受けるアルファタウリAT02。エキゾーストパイプの上方に、リヤウイングステーを繋ぐような形で、マシンの中心線から左右15cmずつの小型ウイングレットが存在している。
パワーユニット上のクーラー
AlphaTauri AT02 detail
Photo by: Giorgio Piola
サイドポンツーンのカウルも取り外されているAT02。サイドポッド内部にはメッシュが貼られており、デブリなどが内部に詰まらないように工夫がなされている。またホンダのパワーユニット上部には、冷却装置が乗せられている。
フロントブレーキアッセンブリー
AlphaTauri AT02 brake drum detail
Photo by: Uncredited
AT02のフロントブレーキ・アッセンブリー。ドラムカバーも取り付けられた状態だが、そのカバー外側と内側には隙間が設けられている。ブレーキダクトから取り入れた空気の一部はここからホイールのスポーク部に送られ、マシン側面に気流を吹き出している。
リヤエンドの冷却用開口部
Alpha Tauri AT02 cooling comparison
Photo by: Uncredited
AT02は、グランプリの気温や求められる冷却性能に応じて、カウルリヤエンドの開口部形状を変更してきた。またドライバーの横には、ルーバーを開けられるための準備もされていた。
ディフューザー
AlphaTauri AT02 diffuser
Photo by: Giorgio Piola
AT02のディフューザー。その内部に吊り下げられた気流を導く全てのガイドストレーキには、スリットが入れられているのが確認できる。またハンガーの様な形状のTウイングにも注目である。
超高速サウジアラビアGP仕様リヤウイング
AlphaTauri AT02 rear wing detail
Photo by: Uncredited
超高速サウジアラビアGP用のローダウンフォース仕様リヤウイング。フラップ後端には、ガーニーフラップも取り付けられていない。
超高速サウジアラビアGP仕様リヤウイング
AlphaTauri AT02 rear wing detail
Photo by: Giorgio Piola
同じサウジアラビアGP用のリヤウイングを別角度から。ただこちらは、フラップ後端にガーニーフラップが取り付けられている。
フロントブレーキ アッセンブリー
AlphaTauri AT02 front brake detail
Photo by: Uncredited
ドラムカバーが外された、アルファタウリAT02のフロントブレーキアッセンブリー。ブレーキダクトで取り入れた気流をホイールの内側に送るためのパイピングを見ることができる。
ホンダ製パワーユニット
AlphaTauri AT02 engine detail
Photo by: Giorgio Piola
シャシーに取り付けられる途中のホンダ製パワーユニットRA621H。PU上部にはまだクーラーが取り付けられておらず、パイピングもまだ完了していない段階での貴重なショット。
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