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F1メカ解説|超高速サウジアラビア対策! 各チームはどんな空力パッケージを持ち込んだのか?

サウジアラビアGPの舞台となったジェッダ市街地サーキットは、市街地ながらも超高速……ゆえに各チームは、空気抵抗を減らすため低ドラッグ仕様の空力パッケージを持ち込んだ。

Red Bull Racing RB18 rear wing

写真:: Giorgio Piola

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

Analysis provided by Giorgio Piola

 超高速コースであるジェッダ市街地サーキットを舞台に行なわれた、F1サウジアラビアGP。平均スピードが高いこのコースに合わせるべく、各チームは低ドラッグ仕様の空力パッケージを持ち込んできた。

 レッドブルが投入したのは、下の写真のふたつのうち、下の仕様のリヤウイング。ダウンフォースと空気抵抗を削減するためのモノだ。

 一見したところ、写真上のリヤウイングとは大きく違いがないようにも見える。しかしメインプレーンは、スプーン形状は維持しつつも、全体的に薄くなっている。

 ただメインプレーンを変更したことにより、翼端板との接合部の角度が急になっている。

Red Bull Racing RB18 rear wing comparison (dotted lines)

Red Bull Racing RB18 rear wing comparison (dotted lines)

Photo by: Uncredited

 なおレッドブルは、今季から使用できるようになったリヤウイングのビームウイングにも、独特のレイアウトを採用しているチームである。このビームウイングは2枚搭載できるが、レッドブルはその2枚の角度を大きく変えてきたのだ。

 その中でも今回のサウジアラビアには、ビームウイングの下側のエレメントの形状を変更。開幕戦バーレーンでは大きく曲線を帯び、上方に持ち上がっていた後端が、より直線的になった。厚みも薄くなっていたようだ。

Red Bull Racing RB18 new beam wing comparison

Red Bull Racing RB18 new beam wing comparison

Photo by: Giorgio Piola


レッドブル以外のチームの対策

Ferrari F1-75 rear wing comparison (dotted lines)

Ferrari F1-75 rear wing comparison (dotted lines)

Photo by: Uncredited

 フェラーリも、高速ジェッダに向け、リヤウイングに変更を加えてきた。ただレース中のタイヤのデグラデーション対策も踏まえてか、レッドブルと同じような変更とはならなかった。

 フェラーリはリヤウイングのフラップに変更を加えてきた。これにより、ダウンフォースと空気抵抗に影響を与えるだけではなく、DRSの効果にも変化があるはずだ。

 写真の上側がサウジアラビア仕様、下がバーレーン仕様である。緑色の矢印で示したように、フラップ両端の長さが、非常に短くなっている……つまり、フラップが薄くなったということだ。これに伴い、黄色の点線で示されているように、フラップ前端の形状も変わっている。

 この変更により、翼端板との接合部の角度を緩くすることにも繋がっている。

Mercedes W13 rear wing detail

Mercedes W13 rear wing detail

Photo by: Giorgio Piola

 メルセデスは、FP1で2種類のリヤウイングを試した。これは空気抵抗の削減だけでなく、彼らが苦しめられているポーパシング現象への対策という側面もあっただろう。

 彼らが持ち込んだ2種類のうち、ひとつはバーレーンと同じものだった。しかしチームは、空気抵抗を減らすために、フラップの中央部分の後端をトリミングし、全体的に薄くしたモノを使用した。

 そんな中でもハミルトンは、FP1ではバランスを取るために、後端にガーニーフラップを装着して走行している。

 しかし予選、決勝と進むに連れ、メルセデスはガーニーフラップを使わないことを決定。これはストレートでライバルに対峙すべく、少しでも最高速度を稼ごうという意図があったはずだ。


Alpine A522 rear wing comparison

Alpine A522 rear wing comparison

Photo by: Uncredited

 アルピーヌは、バーレーンの時点で既に空気抵抗の少ないデザインのリヤウイングを用意。期待通りに機能することを確認していた。写真の比較でも分かるように、フラップとメインプレーンの厚さには違いがあるものの、全体的な設計哲学はよく似ている。

 さらに空気抵抗が少ない仕様は、スワンネック式のウイングステーと、DRS作動ポッドの距離が近くなり、ガーニーフラップも取り付けられていない。


AlphaTauri AT03 rear wing comparison

AlphaTauri AT03 rear wing comparison

Photo by: Uncredited

 アルファタウリもまったく別のリヤウイングを用意した。メインプレーンがスプーン形状になっているのはバーレーン(上)と同じだが、両端が非常に薄くなっているため、メインプレーン下端の湾曲が急激になっている。この結果、翼端板との接続部の角度は逆に緩やかになっている。


Aston Martin AMR22 rear wing comparison

Aston Martin AMR22 rear wing comparison

Photo by: Uncredited

 アストンマーチンは、アルファタウリよりもさらに急激にメインプレーンの形状を変更。中央部分の厚みはバーレーン仕様とそれほど変わらないが、2本のステーの外側はすぐに上に向かい、両端の薄い部分がアルファタウリよりも長い。フラップも薄くされている。

Aston Martin AMR22 front wing comparison

Aston Martin AMR22 front wing comparison

Photo by: Uncredited

 なおチームは前後のバランスを取るために、フロント部にも変更を施してきた。

 フロントウイングは、フラップの上端を変更。写真に映るふたつのうち、下がサウジアラビア仕様である。バーレーン仕様ではフラップ上端に平らな部分が存在したが、新仕様では一箇所のみ隆起が存在する形となった。これによって前面投影面積が削減され、空気抵抗とダウンフォース量が低下している。

 このほか、ハロに取り付けられていたウイングレットを廃止。さらにグラウンドエフェクト効果によって過度に変形するのを防ぐため、フロアステーがリヤタイヤの前に追加されている。

 
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