F1
F1分析|レギュレーション大変更の2022年……勢力図は変わるのか?
2022年のF1は、テクニカルレギュレーションが大きく変更される。これにより、勢力図に変更が加わるのか、それとも変わらないのか?
編集: 2022/01/01 3:57
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

2022年、F1のテクニカルレギュレーションが大きく変更される。これにより、マシンの姿も一変することになるはずだ。
2021年までのF1マシンは、前を行くマシンの乱流を受けやすく、オーバーテイクするのは難しいとされていた。しかし新レギュレーションでは、マシンの上面ではなく下面でダウンフォースの大半を生み出す形となり、前を行くマシンの乱流の影響を受けにくくすることが目指されている。その結果として、接近戦やオーバーテイクが増加することが期待されているわけだ。
オーバーテイクが実際に増加するかどうか、それは新シーズンが始まってみなければ分からない。それよりも気になるのは、勢力図にどんな影響を及ぼすことになるのだろうかということだ。レギュレーションが大変更されると、それまでの勢力図とは大きく変わることがよくある。
直近の例では2014年に現行のパワーユニット(V6ターボエンジン+運動&熱エネルギー回生システム)が導入された際、メルセデスが一気に優位性を築き、以後7年間にわたってダブルタイトルを独占してみせた。
またその前には、2009年にレギュレーションが大きく変更された際にも、やはり勢力図が一変した。
2009年、前年までは中団グループだったブラウンGP(前年まではホンダ)とレッドブルが一躍トップチームとなり、タイトル争いを繰り広げた。
そうなった理由はいくつかある。
ひとつは、運動エネルギーを回生してパワーブーストに使うことができるKERSが導入されたことだ。このKERSは、現在のパワーユニットの走りとも言えるシステム。つまりハイブリッドF1時代の先駆けだった。ただ導入初年度であり、KERSを使うかどうかは各チームの判断に任された。フェラーリやマクラーレン、ルノー、BMWザウバーら前年までのトップチームは、KERSを使うことを決めた。しかしブラウンGPやレッドブルは、搭載しないことを選択。トヨタなども、開発はしたものの実戦投入は見送った。KERSのコンポーネント、特にバッテリーは当時はまだまだ重く、パワーブーストのメリットよりも、重量増によるデメリットの方が大きかった。
また、レギュレーションの隙間を突いた革新的な空力パーツの存在もあった。その代表例が、マルチディフューザーである。マルチディフューザーは、ディフューザーを複層化したものであり、フロア下でより大きなダウンフォースを生み出すことができた。
このマルチディフューザーを最もうまく活用したのがブラウンGPで、ジェンソン・バトンが前半7戦中6戦で優勝。チームメイトのルーベンス・バリチェロも、後半に2勝を挙げた。
レッドブルは当初はマルチディフューザーを搭載していなかったが、空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイがデザインしたRB5は高パフォーマンスを発揮し、シーズン後半にマルチディフューザーを投入すると、さらに戦闘力は向上した。
結局ブラウンGPがダブルタイトルを獲得し、レッドブルがランキング2位。それぞれ前年はランキング9位(ホンダ)と7位(レッドブル)だったわけだから、その躍進がどれほどのモノだったのかということがお分かりいただけよう。
さて2022年には2009年と同じようなことが起きる可能性があるのだろうか? マクラーレンのテクニカルディレクターであるジェームス・キー曰く、新レギュレーションは規制が厳しく、2009年のマルチディフューザーの様なモノが登場する可能性は低いという。しかしながら「巧妙なアイデアやアプローチの仕方がある」とも語っているため、何かとんでもない秘密兵器を隠し持っているチームがいても、決して不思議ではない。
各チームは、2月上旬〜中旬には新車を発表することになると思われる。しかし発表会では大事なところは隠すのが常だ。その片鱗はバルセロナとバーレーンで予定されているプレシーズンテストで見られるだろうが、真の実力は開幕戦バーレーンGPの予選になってみなければ分からないだろう。
さて新シーズンはどんな展開となるのか、実に楽しみである。そして2009年のレギュレーション変更でトップチームに加わり、2021年も激しいタイトル争いを繰り広げたレッドブルとメルセデスの立ち位置はどうなるのだろうか……。
Read Also:
- F1分析|フェルスタッペンvsハミルトン”激戦のシーズン”。勝敗を分けたのはアゼルバイジャンGP
- F1、規則変更の”抜け穴”対策はバッチリ? 2009年ブラウンGPの奇跡はもう起きないのか
- あなたの“推しマシン”は何位? 読者が選ぶ2021年ベストマシン
- レースは小説よりも奇なり。読者が選ぶ2021年ベストレース
- ホンダF1山本雅史マネージングディレクター、大きなプレッシャーがかかるF1の仕事は「楽しめた」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 興奮、感動、困惑……そして笑いも? 読者が選ぶ2021年ベストモーメント
次の記事 F1メカ解説|2021年、アルファタウリ・ホンダAT02大解剖
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment
最新ニュース

ノリス、フェルスタッペン、ルクレール……現代F1のトップドライバーがチームを移籍しなくなった理由
F1
F1 F1
イタリアGP
5 時間前
ノリス、フェルスタッペン、ルクレール……現代F1のトップドライバーがチームを移籍しなくなった理由

アウディ、F1イタリアGPで24週間待ったアップデートを投入。一体何が変わった?
F1
F1 F1
イタリアGP
5 時間前
アウディ、F1イタリアGPで24週間待ったアップデートを投入。一体何が変わった?

FIA、F1イタリアGPにヒートハザード宣言。今夏6度目の熱波がイタリアを襲う見込み
F1
F1 F1
イタリアGP
6 時間前
FIA、F1イタリアGPにヒートハザード宣言。今夏6度目の熱波がイタリアを襲う見込み

2年目でF1タイトル争い、アントネッリ冷静さの裏側にテニス界”レジェンド”ロジャー・フェデラーの言葉
F1
F1 F1
イタリアGP
7 時間前
2年目でF1タイトル争い、アントネッリ冷静さの裏側にテニス界”レジェンド”ロジャー・フェデラーの言葉
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録