岩佐歩夢はF2チャンピオンになれる才能がある……DAMSのオーナー、シャルル・ピックが次期日本人F1ドライバー候補を称賛

　2023年も引き続きDAMSからFIA F2に参戦する岩佐歩夢。そんな岩佐をチームオーナーのシャルル・ピックも高く評価している。

　DAMSはチーム創設者のジャン-ポール・ドリオの死後、息子のオリビエ、グレゴリー兄弟が運営を引き継いでいたが、チームは昨年2月に元F1ドライバーのピックによって買収された。

　新オーナーの下でF2を戦ったDAMSは岩佐とロイ・ニッサニーを起用。岩佐はルーキーながらフィーチャーレースで2勝をあげてランキング5位に入る活躍を見せた。レッドブルジュニアチームに所属する彼は、角田裕毅に続く次期日本人F1ドライバー候補筆頭と目されている。

　ピックは2022年シーズンについて「完璧に満足していたわけではない」としながらも、チームには今季勝利を収めるだけの力があると考えており、岩佐は既にチャンピオンを獲得するために必要な才能があることを証明していると語った。

　DAMSが最後にチームタイトルを獲得したのは、セルジオ・セッテ・カマラとニコラス・ラティフィを擁した2019年。ドライバーズタイトルに関しては、GP2時代にジョリオン・パーマーが王座に輝いた2014年が最後となっている。

　ピックは次のように語る。

「我々には力があると思っているが、それは我々に限った話ではない。チャンピオンシップを制する力を持つチームは3つ、4つある」

「競争のレベルは高くなるだろうから、シーズンが終わる時にどのくらいのポイントを獲得できるかはやってみないと分からない」

「アユムに才能があることは2022年に証明済みだ。ただこれ（ドライバーズタイトル）に関しても、チャンピオンを争えるドライバーが4人から5人いる」

「2023年のトップチームには、チャンピオンを争えるポテンシャルのあるドライバーが複数いる」

「我々はレース毎に最大のパフォーマンスを引き出し、常に上位に食い込むことを目指していく」

　昨年はローガン・サージェントに次ぐルーキー2位の成績を残した岩佐。F3を1年で卒業したとはいえ、F3では1勝止まりのランキング12位であり、決して下馬評が高いわけではなかった。しかしピックは、岩佐のF2での活躍に驚きはなかったという。

　2022年の岩佐の活躍に驚いたかという質問に対し、ピックは次のように返答した。

「そうでもない。アユムのパフォーマンスは周りから見れば衝撃だったのかもしれないが、チーム内では彼の実力は分かっていた」

「彼のポテンシャルはすぐさま感じられたし、僕たちはシーズンのかなり早い段階で彼の才能を理解していたので、シーズン後半には力強いパフォーマンスを見せるだろうと思っていた」

「（岩佐の起用が）正しい選択だと思わなければ、彼を乗せることもなかっただろう。彼がうまくやってくれるという自信があったんだ」

　今季そんな岩佐のチームメイトとなるのが、フェラーリ育成のアーサー・ルクレールだ。彼はF3で2シーズンを過ごし、昨年はランキング6位だった。

　ルクレールについてピックはこう語る。

「アーサーにとっての目標は、できるだけ早く進歩して上位で戦えるようにすることだ」

「彼には力があるが、F2でのキャリアを始めるにあたっては、F3とF2のマシンの違いを理解し、適応するための段階というのが常に存在する」

「アーサーとチームは昨年のアユムの時と同じように、学習期間を短くしていくために共に協力していく」