世間は“ラッセルフィーバー”に浮かれすぎ? メルセデス代表、『ハミルトン不要論』に反論
メルセデスのトト・ウルフ代表は、チームがサクヒールGPでのジョージ・ラッセルの活躍に我を忘れてはいけないと警鐘を鳴らした。
写真:: Charles Coates / Motorsport Images
F1サクヒールGPでは、新型コロナウイルス陽性となったルイス・ハミルトンに代わってジョージ・ラッセルがメルセデスのマシンをドライブし、印象的な活躍を見せた。ただメルセデスのトト・ウルフ代表は、最終戦アブダビGPに向けてはハミルトンの復帰が優先事項であると強調している。
ウイリアムズで未だ入賞経験のなかったラッセルは、メルセデスでの初レースとなったサクヒールGPでいきなり予選2番手を獲得。決勝レースではチームメイトのバルテリ・ボッタスをスタートで交わしてトップに浮上すると、終盤にピットストップでの混乱やパンクに見舞われるまでレースをリードした。これにより、一部からは“ハミルトン不要論”まで囁かれる事態となったが、ウルフはそれを否定した。
「ルイス・ハミルトンは何度も優勝し、多くのタイトルを獲得してきた。それは私が思うに、彼がその時その時のベストなマシンに乗り、なおかつベストなドライバーであり続けたからだ」
ウルフはそう語った。
「また、彼に最高のマシンを提供するというのは当たり前のことではないので、我々はそれについて謙虚に考えている。マシンが機能した時は彼の成功に貢献することができるし、そうでない時はマイナスの影響を与えることになるんだ」
「つまり、ドライバーが全てを決めるわけではなく、同様にマシンが全てを決めるわけでもない。これらふたつの組み合わせなのだ。ルイスは最高のドライバーだし、我々は彼を基準に考えている」
「彼はいくつもの記録を打ち立ててその実力を証明してきた。我々は将来有望な新人が見せた驚異的なドライブに我を忘れてしまってはいけない。あくまでルイスが基準なのだ」
ウルフはまた、ラッセルがサクヒールGPでメルセデスでの初戦を迎えるにあたり、その期待を隠すことで彼に余計なプレッシャーをかけないように努めていたという。
「トップ5やトップ4以上の結果は期待していないと言うことで、彼にプレッシャーをかけないようにしたかったんだ」
「なぜなら、彼は実際問題チャンピオンを争ったことがないわけだからね」
「今回は新しい環境で学習するためのものだった。金曜日のプレッシャーは非常に大きかったので、少しでもそれを取り除ければいいと思っていた。彼のポテンシャルは(レースで)確認することができた」
そしてウルフは、ラッセルが見せたパフォーマンスがハミルトンとの契約交渉において何か影響を与えることはないと改めて強調した。
「彼らふたりは状況が異なっている。ルイスはチームに8年間在籍していて、これまで大きな成功を収めてきた。彼はチームの一員だ」
「そして前にも言ったように、今週の出来事が交渉の邪魔になったり、何か変更をもたらすことはない」
「それは彼に対してフェアではないし、我々としてもフェアではない。ジョージのペースが上がらず、逆の結果になる可能性もあったからね」
「そして彼は『ちょっと待ってくれ。僕の方が有利なはずだ』なんて言わないだろう。我々の関係はそれ以上のものなのだ」
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