1周目に痛恨の接触。走りながら”自分を責めていた”リカルド「映像を見て、少し気が軽くなった」
F1メキシコGP決勝1周目にバルテリ・ボッタス(メルセデス)と接触したダニエル・リカルドは、クラッシュの映像を見て、想像していたよりも自分のミスが大きくなかったと感じたようだ。
写真:: Glenn Dunbar / Motorsport Images
F1第18戦メキシコGPは、オープニングラップのターン1でバルテリ・ボッタス(メルセデス)とダニエル・リカルド(マクラーレン)が接触してしまった。これによりボッタスがスピンし、これを避けようと多くのマシンがコースオフ。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)もこの混乱の中で他車と接触し、リタイアとなった。
ポールポジションからスタートしたボッタスは蹴り出しが遅れ、チームメイトのルイス・ハミルトンやマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に挟まれる形になると、3番手まで後退してターン1へ入っていった。
一方のリカルドは好スタート。こちらもセルジオ・ペレス(レッドブル)やピエール・ガスリー(アルファタウリ)と3台横並びとなった。リカルドは最内でターン1に向けてブレーキング。この際、タイヤをロックさせ、白煙をあげた。
なんとかコントロールを取り戻したリカルドだったが、エイペックス手前で、眼前をボッタスが横切るような形となった。
リカルドのフロントウイングをリヤタイヤで踏んでしまったボッタスは挙動を乱しスピン。リカルドはフロントウイングを破損し、2台は緊急ピットインを強いられた。
結果的に、この接触はレーシングインシデントだと判断され、ペナルティは出されず。ただこのタイムロスは影響が大きく、ボッタスとリカルドは共にポイント圏外でレースを終えた。
ポールポジションから最後尾付近まで後退したボッタスは、「スタートは悪くなかったが、フェルスタッペンがトウを得て、かなりブレーキを遅らせたんだ」とレースを振り返った。
「ターン1のエイペックスではダニエルが僕のリヤに当ててきた。そこでスピンしてしまい、何もできなかった」
「僕は映像を見ていないけど、あれで僕のレースは台無しになった。彼も同様に妥協を強いられたと思うので、良くはないね」
リカルドは71周のレース中、自分が大きなミスを犯し、ボッタスに突っ込んでしまったように感じていたという。だがレース後に映像を見返して、想像していたよりもイーブンな状態だったと感じたようだ。
「ついさっきリプレイを見たんだ。僕の記憶では、明らかにスタートがうまくいって、とても良い感じだった。そしてペレスのインに入っていった。70周を走る間に頭の中で思い返していたけど、タイヤをロックさせて、バルテリに突っ込んだように感じていた」
「でも今リプレイを見ると、まっすぐ走っている時にロックはしているけど、そこからリカバリーしてからターンインしているように見える。そして、十分なスペースがなかったように見えたんだ」
「そこで、バルテリが横切ってきた。おそらく彼は、そこがクリアだと思っていたんだろうけど、そこにはペレスと僕がいた。だから僕はバルテリを責めることはできない。明らかに、ぶつかったのは僕の方だからね」
オンボード映像を見ると、リカルドはブレーキングでタイヤをロックさせてしまったものの、十分減速できているように思える。接触自体はごく軽いものだったこと、スタート直後にクラッシュが起きる可能性が高いコーナーであることも踏まえ、スチュワードはレーシングインシデントだったと考えたのだろう。
リカルド自身も、レースが台無しになったことは残念だったものの、レースの1周目にはよくあるインシデントだったと話し、ドライバーとしてインに飛び込んだのは当たり前の行動だったと語った。
「正直なところ、リプレイを見るとあれは1周目によくあるようなインシデントだった。僕が楽観的だったのかもしれないけど、ああいうギャップ(スペース)があったら、僕が行かなければ他の人が行くだろうし、そうすれば自分が損をすることになるんだ」
「コースのイン側がダスティだったからバルテリにぶつかったとは言いたくない。分かっていたことだしね。さっきも言ったようにブレーキを踏んだときには、かなり早い段階でスモークが出ていたが、その後は回復した。エイペックスに到達した時にはコントロールできていたと思うけど、(ボッタスとの)ギャップがどんどん小さくなっていくのが分かった。なんとかセーブしようとしたけど、遅すぎたんだ」
「言うまでもなくがっかりしている。1周目で自分のレースを台無しにしたくはないからね。ただ少しでも何か良いことがあったとすれば、リプレイを見て少しだけ気が軽くなったということだ。しかも、実際にはかなり小さなヒットだった」
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