レッドブル、特別カラーで2台表彰台! ホンダ田辺テクニカルディレクター「今の力の中で最高のパフォーマンスを発揮できた」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、F1トルコGPの決勝レース後に会見に応じ、今の実力の中では最大限のパフォーマンスを発揮できたレースだったと振り返った。
F1トルコGPの決勝レースで、ホンダ製パワーユニット(PU)搭載マシンは、4台全車が完走。そのうちレッドブルは、マックス・フェルスタッペンが2位、セルジオ・ペレスが3位と、ダブル表彰台を手にした。
今回のグランプリでは、初日からメルセデス勢が速さを見せていた。しかしそんな中、メルセデスのルイス・ハミルトンは内燃エンジン(ICE)を交換したことで10グリッド降格ペナルティを受けた。ただその速さを考えれば追い上げてくるのは明らかだと思われていたが、レッドブルは2台が表彰台を獲得し、ハミルトンは5位……予想以上の好結果だったと言えよう。
「ウエットレースになるというのは、昨日までの天気予報では予測できませんでした。弱い霧雨が降り続ける中、路面が最後まで改善せず、インターミディエイトタイヤを履き続けるというレースになりました」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、レース後の会見でそう語った。
「レッドブル・ホンダとしては、今季2回目となる2台揃っての表彰台です。優勝は逃したものの、2-3位を手にすることができました」
「金曜日、そして土曜日の予選を通じて、メルセデスの速さにはついていけませんでした。そんな中、我々は持てるパフォーマンスを最大限に発揮することができました」
「フェルスタッペン選手はタイトルを懸けて争う中、再びポイントリーダーに返り咲くことができました。非常に良い戦いができていると思います。ペレス選手も表彰台を得られたことで、レッドブルとしても、コンストラクターズチャンピオンを目指して、まだまだ頑張っていけると思います」
「アルファタウリも、このところ振るわないレースが続いていましたが、今回の予選ではパフォーマンスが良いところに戻りました。この先、アメリカ大陸と中東に向かいますが、良い流れで向かうことができると思います」
フリー走行、予選と劣勢に立たされていた中、2台揃って表彰台を獲得できたことで、ダメージを最小限に抑えることができたと言えよう。
「今週末のパフォーマンス……予選でメルセデスに1-2を独占された中、彼らのパフォーマンスに対して、我々はレースをしっかりとマネジメントして、フェルスタッペン選手は2位に入ることができました」
「重みのある結果だったと思います」
本来ならば今週末は、鈴鹿サーキットでの日本GPが開催されるはずだった。しかし新型コロナウイルスの影響により、今季も開催中止に。トルコで代替グランプリが開催されることになった。
にもかかわらず、鈴鹿サーキットのグランドスタンドには、複数のファンが思い思いの服装を身に纏い、集っていたという。そのことに田辺テクニカルディレクターは、涙しそうになったと明かす。
「レース前にライブ配信イベントに参加させていただき、お話をさせていただきました。その中で鈴鹿のスタンドが映りましたが、レースが行なわれないにもかかわらず、ホンダのユニフォームやフェルスタッペンのオレンジ色のTシャツ、レッドブルやアルファタウリのウエアを着て、グランドスタンドに多くのファンの方がいらっしゃっているのが見えました。正直びっくりしました」
田辺テクニカルディレクターはそう語る。
「正直、ウルっとくるくらい嬉しかったです。それで気持ちは一段と高く、優勝を目指してレースに挑みました。優勝には辿り着けませんでしたが、ウエット路面の中、2チーム4台が混乱に巻き込まれることもなく、完走することができました」
レッドブルの2台は、ホンダへの感謝を示す特別カラーリングでトルコGPを戦った。その2台が好結果を手にすることになったわけだ。
「表彰台には、白い(特別仕様の)レーシングスーツを着たふたりが立ちました。スペシャルカラーのマシン、そして”ありがとう”の文字が入ったリヤウイングが、何度も映し出されました。最後にはその白いマシンが、2台揃ってパルクフェルメにやってきた……我々としては、今の実力の中では喜ぶべき最高のパフォーマンスを引き出すことができたと思います」
「負けはしましたが、最高のパフォーマンスを引き出した結果だったと思います」
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