セバスチャン・ベッテルは最後まで”レーサー”だった……ポジションを落とした1ストップ戦略に不満。でも、アストンでの2年は「僕にとって重要だった」
アストンマーチンのセバスチャン・ベッテルは、F1アブダビGPで10位に入り、自身のF1キャリアに終止符を打った。戦略には不満だったとしながらも、アストンで過ごした2年は、ベッテルにとって大いに貴重なモノだったという。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
セバスチャン・ベッテルはアストンマーチンのマシンを駆り、F1での自身最後のレースとなるアブダビGPを戦った。最終レースの成績は10位。最後に記憶に残り1ポイントを手にした。
ベッテルがF1での戦いを全て終えた。ここまで299レースに出走し通算53勝、3098ポイントを獲得して、4度のチャンピオンに輝いた。最後のレースの舞台はアブダビのヤス・マリーナ・サーキット……ベッテルにとっては、初のドライバーズタイトルを2010年に決めた、思い出の地だ。
ベッテルはミディアムタイヤを履いて9番グリッドからスタートすると、そのポジションを維持。第1スティントを伸ばしに伸ばした。そして26周を走り切ったところでピットインし、ハードタイヤに交換。入賞は厳しいかと思われたが、各車が2回目のピットストップをしたことで順位を上げ、最後は粘りの走りを見せて、なんとか10位入賞を果たした。
ベッテルはレースを終え、戦略は正しくなかったものの、最後のレースを楽しんだと語った。
「もう少しポイントを獲れればよかったのに……でも、僕はレースを楽しんだよ」
そうベッテルは語った。
「今日はレースに挑む前のウォームアップが、いつもとは少し違っていたかもしれない。しかし、ライトが消えればレースモードになる」
「今日のレースを振り返れば、おそらく最善の戦略ではなかったのは明らかだったから、残念だ。でも、基本的には重要な1日だ。多くの応援に感謝するし、たくさんのフラッグも振ってもらった。とても特別な雰囲気だったし、素晴らしい笑顔も見せてくれた。おそらく、今感じている以上に、レースをするのが恋しくなると思う」
最後まで戦ったベッテル。前述の通り、戦略にはやはり不満を抱いているようだ。
「ステイアウトすることを選択し、タイヤが古くなるとその後は後退していった。1ストップを選んだんだからそれは当然かもしれないけど、今日は明らかに遅い戦略だったと思う。だから、マシンを走らせている時にどんどんポジションが落ちていくのは、あまり楽しくなかった」
「ダニエル(リカルド/マクラーレン)とは最後に良いバトルができたけど、十分に近付くことができなかった。でも、彼と最後の数周戦うことができたのは良かったと思う。ふたりともポイント圏内でフィニッシュした。本当に長い週末だった」
かつてはレッドブルやフェラーリで、常に優勝を争っていたベッテル。しかしキャリア最後の2年は、優勝を狙える体制ではなかった。しかしこの2年は非常に重要なモノだったと、ベッテルは語る。
「正直言って、今は少し空っぽになったような気がする。とにかく長い週末だった。これを繰り返すしかないね」
最後のレースを終えた感想について、ベッテルは改めてそう語った。
「この2年は、成績という面では、おそらくガッカリすべきモノだったと思う。でも、僕の人生においては、非常に有益で重要だった。色々なことが起きたし、気付いたことがたくさんあった」
「僕らの立場は、とても特別なモノだと思う。そしてそれには責任も伴うんだ。だから他のドライバーたちにも、少しでも良い仕事を続けてほしい。僕らの行動や言動は、皆さんにインスピレーションを与える力がある。それは素晴らしいことだ」
「でもレースは僕らが愛していることであり、それを通じて本当に重要なモノを伝えることができれば、とても価値のあることだ。そういう意味で、この2年は僕にとって素晴らしいものだったと思う」
「応援してくれてありがとう。そして僕に寄せてくれたメッセージや手紙、全ての愛に感謝したい。それは、僕のキャリアを通じて、大きな喜びだった。ありがとう。本当にありがとう」
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