FIA、F1ドライバーに「走行時のアクセサリー着用禁止」を改めて強調……負傷リスク低減が目的
FIAはF1オーストラリアGPを前に、走行セッションでマシンに乗る際は、ジュエリーやピアスなどのアクセサリー類の着用が禁止されているとF1ドライバーに注意喚起を行なった。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
FIAは、走行時のアクセサリー着用が禁止されていることをドライバーに対して改めて強調した。
このルールは、FIA国際モータースポーツ競技規則の付録L第3.5条に記載されているもので、F1オーストラリアGPに先立ち、レースディレクターのニールス・ウィティヒがイベントノートで注意喚起を行なった。
ルールの全文は以下の通り。
「身体穿孔または金属ネックチェーンの形の装身具(ジュエリー)の着用は、競技中は禁止 されているため、競技開始前に確認される場合がある。」
F1界では、ピアスやネックレスなどの着用禁止に関するこのルールを強調する動きは初めてではない。国際競技規則にもある通り、当該のジュエリー等がドライバーがマシン乗車時に着用が発見された場合には、処分の対象となってきたからだ。
FIAは2005年に初めて「レースやラリー競技者によるアクセサリー類(ピアスや大きなネックレス)の着用を直ちに禁止する」と表明し、その後国際モータースポーツ競技規則にも記載されることとなった。
F1オーストラリアGPに先駆けて行なわれた今回の注意喚起は、現在のF1ドライバーの複数人が、指輪やブレスレット、ピアスなどのアクセサリー類をマシン乗車中に身に着けているのが目撃されていることと関係していると考えられている。
しかしこの注意喚起は、特定のドライバーがアクセサリー類を身に着けていたり、ピアスをつけたままにしていたりした場合に、すぐさま対処するというモノではない。目的は、そうしたルールが遵守されることで、大クラッシュ時のさらなる負傷リスクが低減されると促すところにある。アクセサリー類が引っかかるなどして、大破したマシンのコックピットから素早く脱出することが困難になる可能性もゼロではないからだ。
George Russell, Mercedes-AMG, Max Verstappen, Red Bull Racing, Charles Leclerc, Ferrari, the other drivers on the grid prior to the start
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
近年、フォーミュラEのドライバーがレーシングスーツの下に着用していたものが、国際モータースポーツ競技規則違反に問われたケースもあった。
2018年にウルグアイで行なわれたプンタ・デル・エステePrixでは、当時アウディに乗っていたルーカス・ディ・グラッシが、競技規則で認可されていない耐火性アンダーウェアを装着していたとして、1万ユーロ(約135万円)の罰金とペナルティポイント3点を科された。
また同シーズン末のニューヨークePrixでも、テチータのジャン・エリック・ベルニュとアンドレ・ロッテラーが認可されていない耐火性アンダーウェアを装着していたとして罰金を科されている。
こうした事例から、F1ドライバーがピアスやネックレスなどのアクセサリー類着用禁止のルールに違反していることが発覚した場合は、グリッド降格ペナルティやタイムペナルティなどではなく、罰金による処分が下される可能性があると言える。
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments