ピエール・ガスリー、「契約は大詰め」と語るシーン目撃されるも移籍噂のアルピーヌやF1とは関係ナシ？

　motorsport.comは、2023年シーズンに向けた一連のドライバー移籍市場の動きの中で、アルピーヌがアルファタウリのピエール・ガスリー獲得を検討していると報じた。

　ガスリーは、既に2023年シーズンをアルファタウリから走ることが発表されており、少なくとも契約は来季末まで結ばれている。しかしアルピーヌは、来季の起用を発表したオスカー・ピアストリを失う可能性があり、トップチーム昇格の梯子が外されたフランス人のガスリーに関心を示していることが分かっている。

　そうした状況で、ここ数日、ある動画がソーシャルメディア上を賑わせている。フェラーリが公開したベルギーGPの動画の中で、ガスリーがシャルル・ルクレール（フェラーリ）やジョージ・ラッセル（メルセデス）とともにドライバーズパレードへ向かう中、次のように語っているのが聞こえてくるのだ。

「まだ、契約の最終的な詳細を詰めているところなんだ」

　多くのファンはこのガスリーのコメントは「アルピーヌとの契約締結に違いない」と受け取ったが、オランダGPを前にガスリーはその憶測を否定している。

「もしみんなが、僕らが話していた話題について少しでも知っていたら、きっと笑うだろうね」

　そうガスリーは言う。

「断言できるよ。F1とは何の関係もないことなんだ」

　ガスリーは数名の友人からもこの動画が送られてきたと明かし、「むしろそれが笑えたし、いかに元ネタから話題が逸れるかにかなり感銘を受けた」として、「面白かった」とこの件について語っている。

　そしてアルピーヌ移籍の可能性については、ベルギーGPの際から状況は「何も変わっていない」としている。

「先週も言ったけど、今のところ来年はアルファタウリと契約しているんだ」

　そうガスリーは念を押す。

「みんな僕の契約状況を知っている。今のところ、何も変わっていないよ」

　また、契約に関してレッドブルとは水面下で話し合いが行なわれているのかと訊かれたガスリーは次のように答えた。

「今のところ、何もコメントする気にはなれないよ」

「僕はアルファタウリとともにある。このチームでドライブしている限り、僕はアルファタウリでベストを尽くすんだ。彼らは僕にF1で最初のシートも、最初の勝利も与えてくれた」

「だから今のところ、何もコメントする気にはならない。このチームで走る限り、僕は常に110％の力を出し続けるんだ」

Pierre Gasly, AlphaTauri

Photo by: Erik Junius

　そしてガスリーは、自身の将来が話題に挙がることについて「影響はないし、悩んでもいない」として、スポットライトを浴びることには慣れていると語った。

「僕がキャリア初期に直面せざるを得なかったアレコレとは比較にはならないね」

　そうガスリーは語る。

「良くも悪くも、常に報道されている。本当に笑える会話から創られたトピックもあるし、何の理由もなくTikTokでトレンド入りしていることもあるんだ」

「でも問題ないよ。それもF1ドライバーの一部なんだ」

　ガスリーは、2017年にF1デビューを果たした現在のチームに強い思い入れを持っている。

　トロロッソと呼ばれていた時代からガスリーは現在チームで走り、2020年のイタリアGPではチームにセバスチャン・ベッテル以来12年ぶり、2度目の勝利を届けた。それ以外でも2度の表彰台を獲得しており、ガスリーはミナルディ／トロロッソ／アルファタウリの歴代ドライバーの中で最も多くのポイントを獲得している。

　しかし、ガスリーがアルファタウリに固執しているわけではない。彼は「あくまでもパフォーマンス重視」だとして、未来へ向けた要件は”勝てるかどうか”という点に集約されるようだ。

「キャリアは一度きりだし、それを最大限に活かさなきゃならない」

　そうガスリーは言う。

「つまるところ、僕らは犠牲を払ってまで、ひとつのゴールに向かって大量の仕事をこなす……1番になるためにね。確実にパフォーマンスという要素は、明らかに思い入れの面よりも優先される」

「僕は感情的な人間で、みんなとの繋がりを感じている。それは僕にとって、とっても重要な部分だ。でもね、F1ドライバーとしての闘争本能は文字通り異次元なんだ」