F1ベルギーGP予選:ハミルトンの"予選モード"は驚異的! ボッタスに0.5秒差。フェルスタッペン3番手
F1第7戦ベルギーGPの予選が行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
F1第7戦ベルギーGPの予選がスパ・フランコルシャンで行なわれた。ポールポジションを獲得したのは、メルセデスのルイス・ハミルトンだった。
気温16度、路面温度24度というドライコンディションのスパ・フランコルシャン。上空には大きな雲もぽつぽつと見える中、予選がスタートした。
Q1:苦戦フェラーリ、なんとかQ2進出
18分間の予選Q1がスタートすると、ハースの2台が真っ先にコースイン。コース上に他にマシンがいない中でアタックに入り、ロマン・グロージャンが1分45秒073をマークした。
2台のアタックが終わるのを待つように、その他のマシンが続々とピットを離れ、タイム計測へ。レッドブルのマックス・フェルスタッペンが先頭でアタックし、1分43秒408を記録。カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、ダニエル・リカルド(ルノー)が僅差でそれを上回った。
一通りアタックが終わった段階で、ハミルトンが1分42秒323をマーク。昨年のベルギーGPのポールポジションタイムを上回った。バルテリ・ボッタス(メルセデス)も0.211秒差に続いた。フェルスタッペンは同じタイヤで2度目のアタックを行ない、1分43秒197で3番手となった。
苦しいのはフェラーリ製パワーユニットを使う3チームだ。6台中4台がQ1敗退圏内にいるだけでなく、そのうちの1台はフェラーリのセバスチャン・ベッテルで19番手。シャルル・ルクレールも14番手と、安泰なタイムを残すことができなかった。
残り時間4分を切ると、各車が再びコースイン。アタックに向けてポジションを奪い合いながらタイヤを暖め、ルクレールからアタックへ入っていった。
アルファタウリの2台やランス・ストロール(レーシングポイント)が上位にジャンプアップした一方、ルクレールはあまり大きくタイムアップできず。ケビン・マグヌッセン(ハース)もコースオフするなど、後続のマシンはあまりポジションを上げることができなかった。フェラーリの2台はベッテルが13番手、ルクレールが15番手、Q1敗退ボーダーから0.087秒差で辛くもQ2進出を決めた。
ウイリアムズのジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)は今季5度目のQ2進出となっている。
結局、Q1敗退はキミ・ライコネン(アルファロメオ)、グロージャン、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)、マグヌッセンの5台となった。
Q2:トップ3がミディアムタイヤで決勝スタートへ。フェラーリ、アルファタウリがKO
メルセデスの2台はミディアムタイヤを履き、セッション開始直後にコースイン。その他に、フェルスタッペンやストロール、セルジオ・ペレスのレーシングポイント勢がミディアムタイヤでの決勝スタートを目指し、アタックへ向かった。
ハミルトンは1分42秒014と、ソフトタイヤを使ったQ1よりも速いタイムを叩き出した。ボッタスは0.112秒差の2番手に続き、フェルスタッペンも0.459秒差の3番手。ソフトタイヤを使った中の最上位である4番手のリカルドを0.014秒差で上回った。
対してレーシングポイント勢は上位タイムを残せずストロールは11番手、ペレスは12番手とミディアムタイヤでのQ3進出は難しいポジションとなった。それよりも遅かったのはフェラーリ勢。ベッテルはペレスより0.4秒、ルクレールは0.7秒近く離された。
1回目のアタックの後、ブレーキ・バイ・ワイヤの違和感を訴えたリカルド以外、全車がソフトタイヤでコースイン。ストロールはセクター1、3で全体ベストを記録し5番手までポジションアップ。ペレスも7番手とQ2敗退圏内から脱出した。
これでQ3進出圏内から押し出されたのはアルファタウリのピエール・ガスリーとダニール・クビアト。ガスリーはアタック中に挙動を乱し、僅差でQ3進出を逃した。フェラーリの2台は大きなミスも見られなかったがルクレール13番手、ベッテル14番手とQ3進出には手が届かなかった。
Q3:ハミルトン、驚異のコースレコード。ボッタスにも大差のポール獲得
12分間のQ3はハミルトンを先頭に、各車が間隔を取りながらタイヤを暖めアタックへ入った。
ここで驚異的な速さを見せたのがハミルトン。ダウンヒルのセクター2でボッタスを0.2秒以上上回り、1分41秒451をマーク。1周合計では、2番手のボッタスにすら0.578秒もの差をつけた。
3番手に食い込んだのは、リカルド。セクター3では全体ベストを記録しており、0.019秒差ながらフェルスタッペンを上回った。5番手にはアルボンがつけた。
トラフィックを嫌ったか、残り4分と早めの段階でメルセデス勢がコースイン。レーシングポイント勢は新品のソフトタイヤが残っておらずピットに留まったため、8台が最後のアタックへ向かった。
ハミルトンはセクター2でさらに0.1秒以上タイムアップする別次元の走りで、1分41秒252というコースレコードを樹立した。今回のレースを最後にエンジンモードの規制がスタートし、いわゆる予選モード使用が禁止されることになるが、そんなことは関係ないとばかりに、”違いを見せつける走り”でポールポジションを手にした。
ボッタスも最後のアタックで自己ベストタイムを更新したものの、挙動を乱すシーンもあり、ハミルトンとは0.511秒差と大きな差がついた。3番手はフェルスタッペン。ボッタスとは0.015秒差と僅差だったが、無線で『少し早くデプロイ(ハイブリッドパワーのアシスト)が切れてしまった』と、悔しがった。
4番手以下はリカルド、アルボン、オコン、サインツJr.、ペレス、ストロール、ノリスというオーダーとなった。
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ルイス ハミルトン | 6 | 1'41.252 | 249.026 | ||
2 | バルテリ ボッタス | 6 | 1'41.763 | 0.511 | 0.511 | 247.775 |
3 | マックス フェルスタッペン | 6 | 1'41.778 | 0.526 | 0.015 | 247.739 |
4 | ダニエル リカルド | 5 | 1'42.061 | 0.809 | 0.283 | 247.052 |
5 | アレクサンダー アルボン | 6 | 1'42.264 | 1.012 | 0.203 | 246.561 |
6 | エステバン オコン | 6 | 1'42.396 | 1.144 | 0.132 | 246.243 |
7 | カルロス サインツ Jr. | 6 | 1'42.438 | 1.186 | 0.042 | 246.143 |
8 | セルジオ ペレス | 3 | 1'42.532 | 1.280 | 0.094 | 245.917 |
9 | ランス ストロール | 3 | 1'42.603 | 1.351 | 0.071 | 245.747 |
10 | ランド ノリス | 6 | 1'42.657 | 1.405 | 0.054 | 245.617 |
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