レッドブル、総帥マテシッツ亡き後の経営体制を決定「F1業務に変わりなし。志を同じくする誰か連携できるのを楽しみに」
レッドブルは、共同創設者のひとりであるディートリッヒ・マテシッツが亡くなった後のグループの経営体制を決定。3人の責任者が業務を分担する形になるという。
10月23日、レッドブルの共同創設者のひとりであるディートリッヒ・マテシッツが、長い闘病生活の末死去したことが明らかになった。それから2週間。レッドブルはエナジードリンク部門はもちろん、F1チームも含むグループ全体の運営体制を決定した。
これまでレッドブルの戦略的な運営は、マテシッツがほぼひとりで取り仕切ってきた。しかし今後はこれを一新。3人のCEO/CFOが分担する形にするようだ。
マテシッツの息子であるマーク・マテシッツは、レッドブルのスタッフに向けて書簡を送り、その中で「父が提案し」「タイのパートナーが支持する」解決策を採ると説明した。なおタイのパートナーとは、もうひとりの共同創設者であるチャリアオ・ユーウィッタヤーとその家族のことを指している。
この書簡によれば、レッドブルの事業は今後、飲料事業のCEOをアレクサンダー・ワッツラウィクが、CFO(最高財務責任者)をアレクサンダー・キルヒマイヤーが、コーポレート・プロジェクトおよび投資部門のCEOをオリバー・ミンツラフが務め、彼らで構成する取締役会で様々な決定がなされることになる。
この役割分担を考えれば、レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリに関する業務は、ミンツラフとキルヒマイヤーの管理下に置かれることになるはずだ。なおキルヒマイヤーはCFOに就任したことで、グループ内全ての予算について管理することになる。つまりF1の活動予算の財布の紐は、彼が握るというわけだ。
レッドブルの声明には、次のように書かれている。
「ディートリッヒ・マテシッツの死後、オリバー・ミンツラフがコーポレート・プロジェクトおよび投資部門のCEOに任命できたことを嬉しく思う。オラクル・レッドブル・レーシングの日々の業務に変わりはないが、志を同じくし、エリートスポーツで力強い血脈を持つ誰かと、緊密の連携できることを楽しみにしている」
なおこのミンツラフは、ドイツのスポーツファンには広く名前を知られた人物である。最近ではブンデスリーガのサッカーチームであるRBライプツィヒの取締役会会長を務めていた。またライプツィヒがブンデスリーガに昇格する前には、レッドブルでサッカー関連の業務も担当していた。
それ以前には長距離ランナーとして活躍。1999年にはドイツのハーフマラソン選手権で5位という実績を残している。このランナーの活動と並行してプーマでも仕事をしていた経験があり、現役引退後はスポーツ選手のコンサルタントやマネージャーを務めた。
レッドブルの経営体制が変わったとはいえ、レッドブル・レーシングの体制が変わる可能性は低いと考えられる。しかも今季は2013年以来となるダブルタイトルを獲得したことで、現チーム代表のクリスチャン・ホーナーは続投となるはずだ。
そしてホーナーは、レッドブル・レーシングの長期的な将来は生前のマテシッツによって保証されていたと明かしていた。
「未来のことは決まっている」
ホーナー代表は、マテシッツが死去したことで、F1活動に変化が及ぶ可能性はあるかと尋ねられた際にそう語った。
「彼は将来に向けて、非常に協力な基盤を築いてくれた。そして2026年にはレッドブルがパワーユニット・メーカーになる。それは我々に欠けていたピースだったが、彼はそれを可能にするビジョンを持っていた」
「そしてシャシーで行なったのと同じように、彼の精神をエンジン会社(レッドブル・パワートレインズ)に取り入れていく」
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