レッドブル、メルセデスの心理戦を警戒「タイトル”本命候補”という評価は、プレッシャーをかけるため」
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、メルセデスが今季のF1タイトル最有力候補はレッドブルだと評価していることについて、チームにプレッシャーをかけるための策だと考えている。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
レッドブル・ホンダとメルセデスは、2021年シーズンのF1開幕からの2戦で勝利を分け合っている。この2チームが今季のタイトル争いの中心となるのは間違いないだろう。
ダブルタイトル7連覇中であるメルセデスは、レッドブルに対してパフォーマンス面で後れを取っていると主張しており、追われる側ではなく追う側になったと公言している。
しかしレッドブルのクリスチャン・ホーナーは、メルセデスがレッドブルのポテンシャルを強調しているのは、両チーム間の心理的な駆け引きの一環だと考えている。
どちらのチームも「タイトル本命候補」だという評価を望んでいないことについて、ホーナーはmotorsport.comに次のように語った。
「それは期待を持たせたり、プレッシャーをかけようとする時にも使われる」
「当然、トト(ウルフ/メルセデス代表)は自分たちが追いかけ、追いつかなければならない立場だという認識を持たせるために、必然的にレッドブルを本命にしようとするだろう」
「しかし、私は我々がタイトル争いの本命候補だとは思っていない。正直に言うとね。相手は7年連続でワールドチャンピオンになっているチームだ。天才じゃなくても、誰が優勝候補なのかを示すオッズは計算できるはずだ」
ホーナーは、冬のプレシーズンテストでメルセデスの新車『W12』のペースが遅く、不安定な様子だったことも、メルセデスが後塵を拝しているという認識に影響していると考えている。しかし開幕戦ではルイス・ハミルトンが優勝、イモラで行なわれた第2戦のエミリア・ロマーニャGPではハミルトンがポールポジションを獲得して2位になっており、レッドブルとメルセデス、特にマックス・フェルスタッペンとハミルトンは互角といった状況だ。
「メルセデスは我々を優勝候補に挙げており、トトは明らかに注目を逸らしたがっている。しかし、それはいささか短絡的な評価だ」
そうホーナーは付け加えた。
「彼らは7回連続でワールドチャンピオンを獲得しており、たった1回テストが悪かっただけなんだ。バーレーンでは彼らのマシンは我々と同じくらい速かったし、タイヤのデグラデーションも非常に良かった」
全23戦で行なわれる2021年シーズンはまだ2戦を終えたばかり。ホーナーは、両チームの力関係を正しく把握するためにはあと数レース必要だと語っている。
「私はいつも、本当の勢力図が結果に反映されるまでは3、4レース必要だと言ってきたが、今でもそう信じている。バルセロナ(第4戦スペインGP)の後までには、もっとはっきりした状況が見えてくると思う」
今季は空力規則が変更され、フロアの面積が減少。これによって、レーキ角(前傾角)が小さいコンセプトのマシンが不利になっているのではないかと見られている。メルセデスやアストンマーチンがこれに該当するが、ホーナーはローレーキのマシンがハイレーキのマシンよりも苦しんでいると判断するのも、時期尚早だと考えているようだ。
レーキの問題が大げさに捉えられているのではないかと訊かれ、ホーナーは次のように答えた。
「バーレーンのことを忘れて、イモラのことを振り返ると、全く問題ではなかったと言えるだろう。だから、ひとつの要素を強調しすぎるのはどうかと思う」
「F1では何事もそうだが、あらゆるものが、他の全てと調和して機能するものだ。特効薬はないんだ。あるサーキットではあるマシン哲学が合っているかもしれないが、別のサーキットでは別のマシン哲学が合っているかもしれない。もしそうなっても、それは別に悪いことではない」
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