リカルド、マクラーレンから放出の噂も「2023年末まで契約がある」とチーム残留に自信

マクラーレンのダニエル・リカルドは、チーム側が彼のパフォーマンスについて満足していないことを認めた上で、契約満期の2023年末を前にマクラーレンを去ることはないと考えている。

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 マクラーレンのダニエル・リカルドは、チームCEOのザク・ブラウンが彼との契約に関して半ば否定的な発言をしたものの、2023年末までマクラーレンに残ることには何の疑いも持っていないと考えている。 

 リカルドはマクラーレン加入初年度だった昨年、イタリアGPで劇的な優勝を挙げたものの、シーズン全体としてはチームメイトのランド・ノリスの後塵を排していた。 

 マシンが大きく変わった今年はレッドブル時代に見せていたような光る走りが期待されたものの、新型コロナウイルス陽性によりバーレーンテストに出られないなど、開幕前からつまずいた。 

 リカルドはスペインGPまでの6戦を終えた時点で11ポイント獲得。一方で、ノリスはエミリア・ロマーニャGPでの3位表彰台もあり39ポイントを手にしている。 

 ブラウンは、リカルドがマクラーレンのマシンに順応できていないことを背景に、チームからの期待に応えられていないとSky Sportsに語り、波紋を起こした。 

「我々としては当然、ダニエルがランドにもっと近づいてほしいし、チーム内での良いバトルが見たいと思っている」とブラウンは言う。 

「ダニエルはまだマシンに慣れていない。我々は全力を尽くしているが、(スペインGPは)またしても期待外れな週末になってしまった」 

「(リカルドが勝利を飾った)モンツァといくつかのレースを除けば、全体的に言って、彼や我々が期待していたレベルのモノではなかった」 

 このブラウンの発言は、リカルドがすぐにでも結果を出し始めなければ、彼のチームでの将来は怪しくなる可能性があると解釈することもできる。 

 しかし、リカルドはパフォーマンス不足に不満を募らせるブラウンの批判を受け入れ、チームと共に状況を好転させることに集中していると語った。 

「嘘じゃないし、本当のことだ」 

 モナコGPでブラウンのコメントについて尋ねられたリカルドはそう答えた。 

「まず、それらのコメントは個人的なモノとして受け取っていない。僕は良い状態にあるし、打たれ強い。自分以上に厳しい人はいない」 

「10番手や12番手を争うのはもうごめんだ。このマシンで自分自身を最大化するという意味では、確実にちょっとした試練になっている。でも僕らは一生懸命取り組んでいる。チームはそれを望んでいるし、僕も望んでいる。僕らは今乗り越えている段階なんだ」 

Daniel Ricciardo, McLaren MCL36

Daniel Ricciardo, McLaren MCL36

Photo by: Glenn Dunbar / Motorsport Images

 リカルドはマクラーレン加入の際に、チームと2023年末までの3年契約を結んでいる。しかし今年のスペインGP後に、自身の将来について夏頃に話し合いを始めると示唆し、話題を呼んだ。ただこれに関しては、ちょっとした混乱があったようだ。

 契約満了までチームに残留するのかどうかと尋ねられたリカルドは、次のように答えた。

「そう、それ(残留)は明らかだ」と彼は言う。

「僕は2023年末まで契約を結んでいる。新型コロナウイルスの関係で混乱していたよ。年がごっちゃになっていただけなんだ」 

 スペインGPでは予選9番手を獲得したものの、決勝レースでは入賞圏外まで転落したリカルドは、苦戦の原因としてマシン側にいくつかの問題があったという。 

 チームはその問題について詳細は明かしていないものの、モナコGPに向けて修正を施したため、再発の懸念はないという。 

「基本的に、僕らのマシンには問題があったんだ」とリカルドは言う。 

「それは修正されたし、今回に向けて全て調整されている。再出発のようなモノだね」 

 マクラーレンは開幕戦こそ苦戦したものの、その後パフォーマンスで改善を見せている。ただリカルドとしては、よりよいパフォーマンスを引き出すためには自分自身がまだマシンに慣れる必要があると語っている。 

「まだ、もっと引き出せるモノが残っているんだ。それが見えている時もあれば、あまりクリアじゃないこともある」 

「いくつかのことが上手く行かずに、セッションが思い通りにいかないこともあった」 

「小さいことの組み合わせなんだ。でも、それを差し引いても、常に100%の状態でマシンを操り、すごいラップを刻むのは、ちょっと難しいことなんだ」 

「上手く行ったレースも何度かあったけど、正直なところ、僕はまだ取り組んでいる最中なんだ。これから先、僕は0.5秒は速く、素晴らしい走りができるようになりたいし、そのために努力を重ねている。まだ積み重ねの段階なんだ」 

 モナコGPを転機にしたいリカルドだったが、フリー走行2回目序盤で激しいクラッシュを喫し、ほとんど走れないままセッションを終えている。 

 
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