松下信治、激動の2020年を3位表彰台で締めくくる「夢は“砕けた”が面白い1年だった」
スーパーフォーミュラ第7戦で3位表彰台を獲得した松下信治は、激動の1年となった2020年を“面白いシーズン”と表現した。

2020年はBuzz Racing with B-Maxのドライバーとして、スーパーフォーミュラに第4戦から参戦している松下信治。彼は富士スピードウェイで行なわれた第7戦(最終戦)を3位でフィニッシュ。同カテゴリーでは初めての表彰台を獲得した。
決勝日の午前に行なわれた予選で4番グリッドを確保した松下は、オープニングラップでふたつ順位を上げて2番手に浮上すると、その後もトップを走る坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)に肉薄し続けた。レース終盤にはハイペースで追い上げてきた大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)にオーバーテイクを許すも、3位でチェッカーを受けた。2018年にもスーパーフォーミュラにフル参戦していた松下だが、これが初表彰台となった。
「今日のレースについては僕のペースがよくて、坪井選手の後ろにずっとついていました。彼がワンミスを犯せば抜けると思っていましたが、彼も素晴らしい走りをしました」
記者会見の場でレースを振り返り、松下はそう語った。
「そんなバトルをしている間に大湯くんがきて、タイミングで抜かれてしまって、そこは僕のミスでした。惜しいレースだったなと思います」
松下の2020年シーズンは、まさに“激動”の1年だった。彼は国内トップカテゴリーへのフル参戦オファーを断り、自身の最大の夢であるF1昇格へのラストチャンスと銘打ってFIA F2に参戦した。しかしシーズン途中でシートを失い、帰国することとなってしまった。
ただ松下はその後、負傷した高木真一の代役としてスーパーGT参戦を果たしただけでなく、1戦限りの出走で再来日が叶わなくなったセルジオ・セッテ・カマラに代わってスーパーフォーミュラに復帰することも決まった。フォーミュラレースでの経験豊富な松下は予選を中心にその速さを遺憾なく発揮し、最終戦では表彰台を獲得することでそれを形にすることができた。
2020年シーズンを振り返った松下は、自身の夢が“砕けて”しまった1年ではあったものの、様々なカテゴリーでレースができたことで面白いシーズンになったと総括した。
「今年はF2をやっていましたが残念ながら途中でシートを失って、何もない状態で帰国しました。そんな中でBuzzさんとB-Maxさんに拾っていただいてこういうチャンスをいただけたので、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います」
「SFに関しては数年ぶりに乗れたんですけど、ダウンフォースがすごくありました。そういうマシンに乗るというのはすごく楽しかったですし、それはいい経験になったなと思います」
「最後のチャンス、夢に向かって自分でF2をもう一回やりましたが、言い方は悪いですけど……砕けたというか、やり切って日本に帰ってきて、そんな中でチャンスをまたいただけたので。いろんなクルマに乗れて、GTも乗れたし、面白いシーズンでした」
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