スーパーGT、インディ式スタートの導入は見送り。一方でFCYは導入決定
スーパーGTに導入が検討されてきたインディ式のスタートは、採用が見送られることになったようだ。一方でFCYは導入が決定。富士戦の予選日に最終的なテストを行ない、問題ないことが確認されれば、同レースから使われることになる。
写真:: Masahide Kamio
スーパーGTで導入が検討されてきたいわゆる”インディ式”スタートだが、これはどうやら採用が見送られることになったようだ。
現在のスーパーGTでは、各マシンが自身のグリッド上を通過する形のローリングスタートが採用されている。しかし、迫力満点のスタートシーンを目指すスーパーGTは、車両同士の間隔を縮めるための策として、各車がグリッドとグリッドの間を通過する形のローリングスタート、いわゆる”インディ式”の採用を検討してきた。
これはインディカーのスタート時、そしてDTMのリスタート時に採用されている形で、2019年に行なわれたスーパーGT×DTM特別交流戦でもこの”インディ式”ローリングスタートが用いられた。
ただこの採用には、賛否両論があった。スーパーGT×DTM特別交流戦の際には全車が同じタイヤを装着していたため、タイヤのウォームアップについては車両同士でそれほど大きな差はなかった。しかしスーパーGTのタイヤはマルチメイクであり、その温まり方も異なる……そのためスタート時の車両同士の間隔が狭まれば、接触などが起きる可能性が高まるわけだ。
インディ式スタートは富士スピードウェイで行なわれる第2戦からの採用が検討されてきたものの、このような懸念の声が多く集まったこともあり、結局は採用は見送られ、通常通りのスタートが用いられることになりそうだ。
一方で並行して導入が検討されてきたFCY(フルコースイエロー)については、第2戦富士からの採用が決まったようだ。
スーパーGTでは、セーフティカー(SC)が出動した際にはピットレーンへの進入が禁止されるため、そのタイミングによっては有利不利が生じる場合がこれまでにも多々あった。またコース上でクラッシュが発生し、SCの出動が予測された際やピットレーンの閉鎖が解除された直後には、多くのマシンが同時にピットになだれ込み、混乱が生じる例も多々あった。こういう状況が発生するのを避けるため、FCYの導入も長きにわたって検討されてきたわけだ。
このFCYは、マーシャルポストで振られるフラッグとボードを使う形でFCYの発動が伝達され、この指示を受けた各車のドライバーが定められた速度まで減速する形になる。ただ、無線を介してサーキット上の各車に搭載されたデバイスに情報を伝達し、減速するシステムの使用にも見通しが立った様子で、これも補助的な形で使われることになるという。このシステムについては、第2戦富士の予選日に最終的なテストが行なわれるようだ。
なおこの無線伝達のデバイスを使ったシステムは、富士スピードウェイや鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎではこれまでにもテストが行なわれてきたため、これらのサーキットでの導入に向けたハードルは比較的低いと言える。その一方で岡山やSUGO、そしてオートポリスではまだテストされておらず、いきなりの実戦導入は難しいという見方もあった。しかし今季のSUGOとオートポリスのレースでも、予選日のテストでしっかりと機能することが確認されれば、富士スピードウェイで使うのと同じシステムを採用する方向であるという。
このゴールデンウィークに行なわれる”富士GT500kmレース”で、スーパーGTは新たな幕を開けることになりそうだ。
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