TCRが世界のツーリングカーレース用プラットフォームとして受け入れられた理由
TCR規格のレーシングカーは、FIA世界ツーリングカー選手権で使われ、eツーリングカー・ワールドカップでも使われた。この規格は2015年に導入され、世界中のツーリングカーレースに新時代の訪れを告げた。
写真:: Nelson Silva
TCR規格のレース用ツーリングカーは、世界中のレースで使われるようになっている。FIA世界ツーリングカー選手権(WTCR)をはじめ、日本のスーパー耐久やTCRジャパン・シリーズでも、その姿を見ることができる。そして世界どこに行っても同じ規則であるため、同じクルマを使って世界各国のレースに参加できるというわけだ。
TCR規格の要は、手が届きやすいというところにある。パフォーマンスのバランスを取ることによってコストを低く抑え、従来のレーシングカーと比較してかなり安い価格でマシンを手にすることができる。そして、激しい競争がしやすいようなレギュレーションになっている。
これによって、大きな予算が組まれる自動車メーカー主導のプログラムとは一線を画し、世界中のカスタマーレーシングに支持され、成功に繋がった。
カスタマーたちは、ファクトリーで開発されたマシンを購入し、国際的にも最高峰のレベルのTCRレギュレーションに従って行なわれているレースに、参加することが可能となっている。
そして昨年からは、電動ツーリングカーのレース”Pure ETCR”がスタート。つまり従来のマシンに、電動パワートレインを搭載したマシンでのレースも戦えるようになったわけだ。
クプラeレーサーは、このPure ETCRの1年目をリードする存在となったと言える。昨年Pure ETCRのイベントは5ラウンド行なわれ、そのうち3ラウンドで勝利。マティアス・エクストロームのチャンピオン獲得に貢献した。なおPure ETCRは、2022年からFIAワールドカップの格式を与えられることになっている。
ETCRのマシンは、後輪で500kW(670bhp)のパワーを発生。電気モーターのトルクにより、ギヤボックスを必要とせず、3.2秒で停止状態から100km/hまで加速することができる。最高速度は270km/hである。
Cupra won the inaugural Pure ETCR title in 2021
Photo by: Martin Trenkler
従来のガソリンエンジン車のTCRでも、クプラのマシンを使うチームは多くの成功を収めている。2020年にデビューした6速のレオン・コンペティションTCRは、340bhpを発生。最新の空力パッケージを搭載し、セットアップ調整を最適化できるように設計されたサスペンションを備えている。
ミケル・アスコナとロブ・ハフは昨年、クプラのマシンを使うゼンゴ・モータースポーツからWTCRに参戦して、いずれも勝利を収めた。またアスコナは、TCRヨーロッパでタイトルを獲得している。
ロバート・ダールグレンは、TCRスカンジナビアのチャンピオンを獲得。ドイツ、スペイン、デンマークの国内戦でも勝利を収めた。また元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンも3位に入っている。
このような広範囲の成功により、レオン・コンペティションは、TCRの創設者であるWSCが選ぶ2021年のモデル・オブ・ザ・イヤーで3位になっている。
世界中で、レオン・コンペティションが参戦するレースが増え続けており、2022年は2017年のクプラTCRの成功に並ぶことを目指している。今年はTCR UKにも、レオン・コンペティションが出走する予定である。
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