空力ハンデは「緩やかな修正」? 接戦のF1実現に向け、ロス・ブラウン自信
F1のモータースポーツ面のマネージングディレクターであるロス・ブラウンは、2021年から導入が予定されている選手権順位による”空力ハンデ”は、F1の”緩やかな修正”の第一歩だと語る。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
2021年以降のF1には、各チームに許される風洞およびCFD(計算流体力学)の使用時間が、前年のコンストラクターズランキングによって制限されるようになる予定だ。つまり、ランキング上位のチームは使用時間が少なく、ランキング下位のチームは使用時間が多くできるようになり、これによってチーム間のパフォーマンス差を縮めようとしている。
具体的に言えば、ランキング5位のチームを100%とした場合、チャンピオンチームは90%の時間しか風洞およびCFDを使えないのに対し、10位のチームは112.5%稼働させることができるようになる。
なお2022年にはその差はさらに拡大し、チャンピオンは70%、10位は115%となる。
F1のモータースポーツ面のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、このシステムはウエイトハンデやリバースグリッドのように、レース結果に直接的に作用するモノではないものの、軽度のハンデキャップとして機能することになるはずだと考えている。
「穏やかな修正になると思うので、私はこれに満足している」
ブラウンはそうmotorsport.comに対して語った。
「しかし、それはまだ実力主義を維持しているため、コースに出て、そしてレースに勝たなければいけないのだ」
「ドライバーに対するハンデキャップは、何も課していない。今回の開発ハンデは、サクセスウエイトのようなモノではないんだ。それはNFLのドラフト会議に似ている。前年の勝率が最も低いチームが、最初に最大の機会を得られる(つまり、前年の成績が低いチームから、新獲得選手を選択できる方式/ウェイバー方式とも呼ばれる)が、それでも実力を発揮しなければいけない。そこにポイントが与えられているわけではないのだ」
「これは、小規模なチームにとっては良いチャンスであり、励みになると思う。ウイリアムズに投資している人々の状況を考えてみると、ウイリアムズはグリッドの後方から抜け出すチャンスを、将来的に持っているとかなり正当に言うことができる」
「それは素晴らしい刺激になると思う。そしてこれまでの形を歪めることなく、フィールドの勢力図に修正を加える上で、緩やかな効果があると思う」
ブラウン曰く、当初はこの案に対して、反対意見も出ていたことを認める。
「メルセデスの中のひとりが、この案に不平を言っていた。それは興味深いことだった。そして私は言ったのだ。『あなたがいつも勝つと仮定する。そして、2番目や3番目になった時のことをちょっと考えてみてほしい。少し手伝ってくれないか?』とね」
「そして、もし突然勝てなくなったことを気付いた場合には、これは非常に有益な策だったということになる」
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