レッドブル、ペレスの”ロングスティント”はハミルトン妨害ではなく「ファステストラップが狙いだった」
レッドブルは、F1第3戦ポルトガルGPでセルジオ・ペレスの第1スティントを延長したのは、ルイス・ハミルトンの邪魔をするためではないと主張している。
写真:: Steven Tee / Motorsport Images
レッドブルはF1第3戦ポルトガルGPの決勝レースで、4番手を走っていたセルジオ・ペレスのピットインを遅らせたが、これは首位を走っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)を邪魔するための戦略ではないと主張している。
レース序盤、マクラーレンのランド・ノリスに先行を許してしまったペレス。4番手に戻る頃には、トップ3から離されてしまっていた。チームメイトのマックス・フェルスタッペンが前を走るメルセデス勢を逆転しようと、35周を終えたところでピットイン。ミディアムタイヤからハードタイヤに履き替えた。
メルセデス勢もこれに反応し、36周を終えたところでバルテリ・ボッタス、37周終わりでハミルトンをピットに入れた。しかしペレスはステイアウトし、ピットインを遅らせた。新品タイヤを履くマシンよりもタイムが遅いにも関わらず、ピットに入らず走行を続けたペレスは、ハミルトンに抜かれた直後の52周目にピットインし、ソフトタイヤに履き替えた。
レッドブルがペレスをステイアウトさせた主な理由のひとつが、ボッタスを交わして2番手に浮上していたフェルスタッペンをサポートすべく、首位のハミルトンを邪魔するためだったのではないかと思われた。しかしレッドブルは、ソフトタイヤでフィニッシュまで走れる周回数までペレスのピットインを遅らせ、ファステストラップの獲得を狙っていたと説明した。
「ファステストラップのボーナスポイントを狙って、ソフトタイヤに履き替えられるところまでたどり着きたいという気持ちの方が強かった」
そうレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は説明した。
「だからあんなに長く走ったんだ。ソフトタイヤはレンジが狭く、タイムを出そうと酷使すれば、すぐに限界に近づいてしまう」
「セルジオは4番手に甘んじていたが、前のクルマに追いつくことも、後ろのクルマを振り切ることも出来なかった。だから我々は『よし、完走できるところまで行って、燃料を減らしてからファステストラップを狙おう』と考えたんだ」
ソフトタイヤを履いたペレスは暫定的にファステストラップを記録したものの、その後ペースが下がったことでボッタスとの差が広がってしまい、ボッタスは終盤にポジションを落とすことなくピットストップすることが可能に。そこでボッタスもソフトタイヤに履き替え、ファステストラップを狙いに行った。
ハミルトンに追いつけずにいたフェルスタッペンも、後ろのボッタスとのギャップが広がったことでピットインし、同じくファステストラップのボーナスポイント獲得を目指してアタックを敢行した。
フェルスタッペンはファイナルラップでボッタスをわずかに上回るタイムを叩き出したが、トラックリミット違反があり、ボーナスポイントは最終的にボッタスが手にした。
ホーナーは「セルジオがまずそれ(ボーナスポイント)の権利を主張したが、バルテリはピットウインドウをこじ開けて、それに挑戦することができた」と付け加えた。
「そこで我々は、マックスもそれに対応し、ボーナスポイント獲得に挑戦しようと考え、1.9秒のストップでマックスをコースに送り出した」
「マックス以外にペナルティをもらっていなかった場所のトラックリミット違反がなければ、彼はそれを成し遂げていただろう」
ペレスにとって、4位フィニッシュはレッドブル加入後の最高リザルトだ。2台でメルセデス勢に襲いかかり、フェルスタッペンのレースを助けることはできなかったが、ホーナーはペレスが進歩を続けていることに勇気づけられたと語り、すぐにより良い結果を残せると確信しているという。
「彼は(レッドブルのマシンを)モノにしつつあると思う」
「ここは風などの影響で非常に難しいコンディションだったが、前が開けている時、レースでは上手くいっているのが分かる」
「忘れてはならないのは、彼がノリスを抜いたことだ。ノリスは完全にコース外から彼を抜いたんだけどね。またしてもトラックリミットで矛盾が生じてしまった」
「レースのある時点では、彼はリーダーたちと同じようなラップタイムで走り、ファステストも記録した。だから彼としてもまとまってきていると思う。彼の進歩には満足している。さらに時間が経ち、経験を積めば、もっと良くなってくると思う」
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