F1 オランダGP
【独占取材】F1オランダGP、「フェイク・グラベルトラップ」を試験導入。赤旗中断のリスク軽減目指す
F1オランダGP開催を控えたザントフールトは、レースでの赤旗中断のリスクを軽減すべく、”偽の”グラベルトラップを試験導入した。

Jonathan Noble
編集: 2022/09/01 16:16
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

F1第15戦オランダGPの開催に向け、舞台となるザントフールトは「フェイク・グラベルトラップ」案を試験的に採用した。
motorsport.com独自の写真にもある通り、このフェイク・グラベルトラップはターン12(ハンス・エルンスト・シケインふたつ目)に導入されている。
昨年のグランプリでは、縁石を乗り越えたマシンがコース上に砂利を撒き散らすという問題が発生。実際にサポートイベントでは赤旗が提示されたため、今季の開催に向けて主催側はユニークな案を試みたのだ。
アスファルトのランオフエリアへ変更することは避けたい主催者側は、ターン12の縁石の後ろに幅1メートルの「フェイク・グラベルトラップ」エリアを設け、グラベルを樹脂のようなもので包んだ。そのため見た目はウエットコンディションのグラベルのようだが、実際は完全に固められている。
Zandvoort gravel trap
Photo by: Jon Noble
そのため、マシンがこのターン12で行き場を失い縁石を若干乗り越えても、砂利をコース内に撒き散らすことは少なくなり、レーシングライン上に砂利が散乱し赤旗原因となることも激減するはずだ。
またこの固められたグラベルエリアは、滑らかながらもデコボコしており、グリップは少ない。そのためドライバーは、このエリアを”悪用”してタイムを稼ぐといった手法は採れないだろう。
このフェイク・グラベルトラップのさらに奥側には、本物のグラベルトラップが設置されており、ランオフエリアに大きく飛び出したマシンを減速させることは可能だ。
オランダGPのスポーティングディレクターを務めるヤン・ラマースは、ザントフールトでこのフェイク・グラベルトラップ案が成功すれば、他のサーキットでも採用される可能性があるとの考えを示した。
「コース内に砂利が入ることを避けるべく、最初の1メートルは『グラベルに見えるが、実際はターマックに近い』ように設計された」
ラマースは、8月31日(水)に行なわれたタイトルスポンサーのハイネケンとのプレビューイベントでそう語った。
「マシンにとってはとても滑りやすく、デコボコしているため、実際に活用することはできない。でも少なくとも、コース内に色々なデブリが出ることは避けられるため、他のサーキットにとっても良い開発だ」
Zandvoort gravel trap
Photo by: Jon Noble
オランダGPの大会責任者は当初より、アスファルトのランオフエリアに変更することは望んでおらず、グラベルトラップを残しておくことを熱望していた。
マクラーレンのランド・ノリスも水曜日に、ザントフールトはドライバーのミスが許されないと分かっているからこそチャレンジングなのだと語っている。
「ここで良いことがひとつ。多くのドライバーも好きだと思うんだけど、ここはグラベルとバリアだけ……ランオフエリアがないんだ」
そうノリスは言う。
「同時に僕らは嫌でもある。グラベルに入りたくはないし、バリアに激突することも避けたいけど、リスクを冒すかどうかはドライバー次第でもあるからね。より多くのリスクを背負えば速く走れるし、タイムを稼ぐことができるんだ」
「この要素がサーキットを楽しくしてくれるし、ドライバーの度胸を試すサーキットにしているんだ」
またF1のステファノ・ドメニカリCEOは、グラベルトラップの存在はトラックリミットをより明確にする上で必要なモノであり、スポーツとして残していくべきモノだと考えている。
「ランドが言ったことには同意する」
そうドメニカリは言う。
「スパ(フランコルシャン/ベルギーGP )のターン1で起きたことを思い出してほしい。以前は全面がアスファルトで、最初のコーナーで誰もがアウト側に(幅寄せしに)行っていた。個人的には、あれはあまり好きではない」
「バリアがあるコースでは明確トラックリミットがあり、さもなくばクラッシュしてしまう。グラベルもトラックリミットで、アリかナシかを判断するために議論する必要はない」
Read Also:
- ザントフールトの18度バンクで、DRSを使っても問題ない? オランダGPのFP1で試験的に使用解禁へ
- フェルスタッペン、F1日本GPでのタイトル獲得が濃厚? チャンピオン決定のタイミングを考察
- ハミルトン、アロンソとの接触でエンジン破損? 次戦以降ペナルティの可能性が浮上
- フェイクでも構わない? ”ニセ”マリーナのミームでマイアミGPが最後に笑うその理由とは
- 【動画】角田裕毅とマックス・フェルスタッペンが「バック走レース」に挑戦! 角田は”後ろから正面衝突”?
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 フェラーリ、レッドブルの最高速は懸念材料にあらず? ”聖地”モンツァでは「セットアップを変える」
次の記事 メルセデス、F1ベルギーGPで”宙を舞った”ハミルトンのマシンは「着地で45Gの衝撃を受けた」
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment

More from
Jonathan Noble

大きく前進を果たせなければ、F1タイトル5連覇は目指せない……フェルスタッペン、レッドブルに警鐘鳴らす
F1
F1
2024/12/29
大きく前進を果たせなければ、F1タイトル5連覇は目指せない……フェルスタッペン、レッドブルに警鐘鳴らす

ハミルトンのメルセデスF1最終年度での苦戦、その原因は? エンジニアリング統括が明かす
F1
F1
2024/12/27
ハミルトンのメルセデスF1最終年度での苦戦、その原因は? エンジニアリング統括が明かす

僕にできることはある……ボッタス、“最悪のシナリオ”でF1シート喪失も闘志は消えず。酒の勢いで始めたおバカ挑戦で再認識
F1
F1
2024/12/25
僕にできることはある……ボッタス、“最悪のシナリオ”でF1シート喪失も闘志は消えず。酒の勢いで始めたおバカ挑戦で再認識
最新ニュース

成功に近道なし。苦労人マクニッシュがセナとアウディ重鎮から得た学び……F1レーシングディレクターの職務に活きる
機能
F1
ライブテキスト
評価
機能
F1 5 時間前
成功に近道なし。苦労人マクニッシュがセナとアウディ重鎮から得た学び……F1レーシングディレクターの職務に活きる

アストンマーティン・ホンダAMR26は失敗作なのか? ニューウェイ作の”お蔵入り”マシン、マクラーレンMP4-18との共通点
機能
F1
ライブテキスト
評価
機能
F1 7 時間前
オランダGP
アストンマーティン・ホンダAMR26は失敗作なのか? ニューウェイ作の”お蔵入り”マシン、マクラーレンMP4-18との共通点

ウェーレインは「本当に汚い動き」でフォーミュラE王者になった! タイトル争うライバルに故意に追突したとダ・コスタが批判
機能
フォーミュラE
ライブテキスト
評価
機能
フォーミュラE 8 時間前
ロンドンE-Prix レース2
ウェーレインは「本当に汚い動き」でフォーミュラE王者になった! タイトル争うライバルに故意に追突したとダ・コスタが批判

「少し泣いてしまった」グロージャン、残り5周で首位陥落しインディカー初優勝ならず。レースでの勝利から15年遠ざかる
機能
IndyCar
ライブテキスト
評価
機能
IndyCar 13 時間前
Markham
「少し泣いてしまった」グロージャン、残り5周で首位陥落しインディカー初優勝ならず。レースでの勝利から15年遠ざかる
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録