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F1分析|角田裕毅、最終スティントで履いたソフトタイヤのデグラデーションに苦しむ。ミディアムを1セットしか残さない判断が痛手に?:F1アブダビGP決勝

F1アブダビGPの決勝レースで、アルファタウリの角田裕毅は入賞まであと一歩と迫る11位。最後にソフトタイヤを履かなければならなかった戦略が、様々な面で痛手だった。

Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT03

写真:: AlphaTauri

 アルファタウリの角田裕毅は、2022年のF1最終戦アブダビGPを入賞まであと一歩と迫る11位でフィニッシュ。これで角田は、今季の獲得ポイント12、ランキング17位でシーズンを終えたことになる。

 アブダビでは非常に力強い戦いを見せた角田。予選ではチームメイトのピエール・ガスリーがQ1敗退を喫する中、角田はQ3進出まであと一歩と迫る12番手。決勝でも、終始入賞圏内を争った。

 角田はミディアムタイヤを履いた第1スティントでも、ハードタイヤを履いた第2スティントでも、入賞したダニエル・リカルド(マクラーレン)やセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とほとんど同じペースで走っていた。しかし角田とアルファタウリは、異なる戦略に打って出たのだった。

 リカルドとベッテルは、1ストップで走り切ったのに対し、角田は2ストップを選択。つまり角田は、ピットストップ1回分のロスタイムを、コース上で走って稼がなければならなかったわけだが、それは叶わなかった。その原因は、ソフトタイヤのパフォーマンスと、アルファタウリの週末全体の戦略にあった。

2022年F1第22戦アブダビGP決勝レースペース分析:10位前後

2022年F1第22戦アブダビGP決勝レースペース分析:10位前後

Photo by: Motorsport.com / Japan

 上のグラフは、F1アブダビGP決勝でのアルファタウリの2台、アストンマーチンの2台、そしてリカルドのレースペースを折れ線グラフで示したものだ。これを見ると、角田(グレーの実線)のペースは、終始ベッテルやリカルドと同等だったことが分かる。

 しかし角田は、第3スティントでは、ステイアウトするリカルドやベッテルを尻目に一気にペースを上げた。この時角田が履いたのはソフトタイヤ。ソフトタイヤは、全車が予選で使った最もパフォーマンスの高いタイヤである。そのためペースが上がるのは当然で、ベッテルやリカルドとの差を一気に縮めていった。

 しかしソフトタイヤはパフォーマンスが高い反面、タイヤのデグラデーション……つまり性能劣化も激しい。角田のレース終盤のペース推移を見ると、50周目頃から一気にペースが下がり、1ストップのリカルドやベッテルよりも遅くなってしまっている。これでは当然追いつくはずもなく、最後は2台に引き離され、11位でのフィニッシュとなった。

 2ストップ作戦を選択するならば、本来ならば最終スティントにミディアムタイヤを履きたかったはずだ。緑の点線で示されたランス・ストロール(アストンマーチン)は、ミディアム→ハード→ミディアムという戦略を採ったわけで、これと同じことをしたかったはずだ。

 しかしこの日のアルファタウリには、それができなかった。実はアルファタウリの2台は、3回行なわれたフリー走行で、2台揃ってミディアム2セットとハード1セットを使ってしまっていた。つまり決勝レースを迎えた段階では、角田の手元にはハード1セットとミディアム1セットしか残っておらず、他に使えるのはソフトタイヤのみだった。

 しかも今回の決勝レースでソフトタイヤを使ったのは、角田とガスリー以外ではアルファロメオの周冠宇のみ。つまり、多くのマシンが敬遠したタイヤを、2ストップにしたことで使わざるを得なかったわけだ。

 さらにレースペースの推移を見ると、ソフトタイヤのパフォーマンスがそれほど優れていたわけではないということも分かる。

 8位になったストロールは、前述の通り2ストップ。そして最後のスティントではミディアムタイヤを履いた。そしてそのスティントの最速タイムは、ソフトを履いた角田とほぼ同様。つまり、ソフトタイヤはミディアムタイヤに比べて特に速かったわけではない。にもかかわらず、デグラデーションだけは大きかったわけだ。そういう意味では、ミディアムと2セット残しておかなかったのが痛かったと言えよう。

 今季は厳しい戦いを強いられたアルファタウリ。来季は角田のチームメイトがニック・デ・フリーズに変わるなど、変革の年を迎える。あとはマシンの出来がどうなるか?

 
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