ベルガー「フェラーリには体制強化が必要」と助言。スピード不足にはPU不正の関連を疑う
元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、フェラーリはマネジメント体制を考え直し、チーム代表であるマッティア・ビノットの負担を軽減する必要があると語った。
Mattia Binotto, Team Principal Ferrari in the press conference
FIA Pool
新型コロナウイルスの影響により、大幅にスケジュールが変更されたF1だが、オーストリアGPでついに開幕を迎えた。これにより、プレシーズンテストから予想されていたフェラーリのパフォーマンス不足が現実のものとなった。
元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、フェラーリの現チーム代表であるマッティア・ビノットがチームをリードする上で適切な資質を持っていることを疑ってはいないが、ビノットが何もかも背負い込んで潰れてしまわないように、彼のサポートを強化する必要があると示唆している。
「私はマッティア・ビノットが好きだ。彼は私のクルマを担当するエンジニアだったんだ。ナイスガイだし、クレバーで良い男なんだ」
ベルガーは『F1 Nation』のポッドキャストでそう語った。
「フェラーリは技術面や政治面、レース戦略面などでも、ビノットひとりがリーダーをしている。他のチームと比べると、レッドブルには競争心の強いクリスチャン・ホーナー(チーム代表)がいて、エイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)がいる。彼はその領域における天才だ。あらゆるモータースポーツに関する経験を持つ”サメ”、ヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)もいるんだ」
「メルセデスに関しても同じだ。アンディ・コーウェル(元パワーユニット開発責任者)やニキ・ラウダ(非常勤会長)、トト・ウルフ(チーム代表)。彼らが全員で同時にチームを改善してきた。政治的、技術的、あらゆる面でね」
「だから私は、フェラーリの体制が十分に強力なのか疑問に思っている」
「ジャン・トッドがフェラーリを率いていた時も、そうだった。彼は政治的にとてもクレバーだった。彼はいつも最高の状態をキープして、色々なことをしていた。当時はブリヂストンタイヤを使っていて、タイヤの仕事は日本人がやっていた。ロス・ブラウンもチームにいたんだ」
「そしてF1で最高のエンジニアのひとりであるロリー・バーンがいて、ミハエル・シューマッハーもいた。つまり、チャンピオンシップを争うようなチームになるために必要なのは、そういうグループなんだ」
フェラーリのパフォーマンスで最も興味深いのは、昨年の武器だったストレートスピードが低下したこと。レッドブルリンクでのラップタイムは昨年のオーストリアGPよりも1年近く遅くなっているのだ。また、フェラーリのパワーユニット(PU)を使用するハースやアルファロメオも下位に沈んでいる。
そのためフェラーリPUは、今季からFIAが燃料流量のチェックをより厳密に行なっている影響を大きく受けているのではないかと見られている。
ベルガーは、昨年FIAがフェラーリPUを調査し、最終的に内容非公開の和解が行なわれた件がこれに関係していると信じているようだ。
「昨年、FIAがフェラーリと秘密の取り決めを行なっているため、何かがあったことは誰もが知っている。だが彼らが何を見つけたのか正確には分からない」
「しかし、合法な領域にないものが見つかったのは明らかだ。私はそれがオーストリアGPの結果につながっていると思う」
「フェラーリは昨年よりも1秒近く遅い。フェラーリPUを搭載している他のチームも、昨年より遅くなっている。それ以外のチームは、昨年と同じかより速くなっているのにね」
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments