FIA、F1のPU不正取り締まり強化。オイル燃焼とエネルギー回生の監視を厳格化
F1チームがシーズン再開に準備を進める中、F1はエンジンに関する不正についてさらに厳しく取り締まることを決めた。
写真:: Joe Portlock / Motorsport Images
昨シーズンのF1では、フェラーリのパワーユニット不正使用疑惑が大きなスキャンダルとなった。最終的にはフェラーリとFIAが“和解”をすることで事態は収束となったが、FIAはチームが悪用する可能性のあるルールのグレーゾーンを封じるために動き始めた。
FIAの最新の説明によると、彼らは特に注視する点として、エンジンオイルの燃焼とERS(エネルギー回生システム)のパワーセンサーというふたつの領域を挙げていることが分かった。
エンジンオイルを燃料として使用することに関しては、FIAが2020年から各チームに厳しい規制を課すことになっており、今季は走行距離100kmあたりのオイル消費量が0.3リットルまでに制限される。
各チームはその制限をかいくぐる方法を見つけていないとみられているが、FIAは走行前にオイルをどのように測定し、どうやって不正に使わせないようにするかについて、厳格にコントロールするという。
エネルギー回生の観点で言えば、FIAはERSによって回収されたエネルギーの配電をセンサーによって監視する取り組みを強化している。近年では、いくつかのチームが電力量の制限を巧みに回避する方法を見つけ、パフォーマンスを向上させているのではないか、という疑惑があった。
前述のFIAとの和解以来、PUの不正使用において最も注目されたのはフェラーリだったが、今回の一連の取り組みはフェラーリを意識して導入されたものではないようだ。
FIAとフェラーリは昨年の一件以降、エンジンに関してより正しく監視をするための新しいレベルの協力関係を結んでいる。FIAとフェラーリが和解に達した時の声明には、次のように記されている。
「FIAとスクーデリア・フェラーリは、多くの技術的な取り組みについて合意した。これにより今後のシーズンでは、パワーユニットの監視が全てにおいて改善されるだろう」
FIAはまた、全てのチームが燃料流量制限に完全に準拠するために、今シーズンから燃料流量センサーの数をふたつに増やすことを義務付ける技術指令を通達している。さらにピットストップ用装備の承認に関しても、技術指令を出している。
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