脊髄損傷と戦う人々を支えるために。「フランク・ウイリアムズ・アカデミー」が設立……教育やケア、研究を支援
脊髄損傷と共に生きる人々を支援するために、「フランク・ウイリアムズ・アカデミー(FWA)」が設立された。
写真:: Glenn Dunbar / Motorsport Images
名門ウイリアムズF1チームの創設者であるフランク・ウイリアムズのように、脊髄損傷と共に生きる人々を支援するための組織「フランク・ウイリアムズ・アカデミー(FWA)」が設立され、その資金援助活動が開始された。
フランク・ウイリアムズの実娘で元副チーム代表のクレア・ウイリアムズによって設立されたこのFWAは、人生が一変してしまう脊髄損傷を負った人々の生活を豊かにすることを目的とし、最初の3年間の活動資金として150万ポンド(約2億5,000万円)を集めることを目標としている。
また、FWAはイギリスの脊髄損傷協会(SIA)と共同で設立されている。
SIAはフランク・ウイリアムズが脊髄損傷による四肢麻痺を負った1986年の交通事故後に支援を行なっていた背景があり、2020年にウイリアムズ家がアメリカの投資企業ドリルトン・キャピタルにF1チームを売却した後も、チームの公式チャリティとなっている。
クレア・ウイリアムズは2016年からSIAの副会長を務めており、父親との思い出や脊髄損傷と共に生きる中でフランク・ウイリアムズが得た教訓を基にFWAを設立。フランク・ウイリアムズは、四肢麻痺による車椅子生活ながらも、16つのコンストラクターズタイトルの内12タイトルを事故の後に獲得している。
FWAはロンドンのホア記念館で開催されたイベントにて正式発足。クレア・ウイリアムズやSIAの講演者である英国王女、ウイリアムズの現チーム代表であるジェームズ・ボウルズ、役員のマシュー・サベージとジェームズ・マシューズが出席した。
Launch of the Frank Williams Academy with Claire Williams
Photo by: Williams
FWAのロゴは、4月末にアゼルバイジャン・バクーで開催されるF1第4戦アゼルバイジャンGPにて、アレクサンダー・アルボンとローガン・サージェントがドライブする『FW45』のマシンサイドに掲載される予定だ。
クレア・ウイリアムズは、FWA発足に際して次のように語った。
「父はF1史上最も成功を収めたチーム代表のひとりとして、またその大部分を四肢麻痺のため車椅子で過ごすなど、並外れた人生を送りました」
「逆境に立ち向かう父の粘り強さは、生前、多くの人にインスピレーションを与えていたひとつでしょう」
「父の死後、私はそのレガシーを残すために何かしたいと思いましたが、フランク・ウイリアムズ・アカデミーはこれ以上ないほどに相応しいトリビュートだと思います」
「SIAが父にしてくれたように、アカデミーが行なう活動では、脊髄損傷の方へ人生を変えるかもしれないケアを提供する予定です」
「こうしたサポートがあれば、可能性は無限大に広がります」
Launch of the Frank Williams Academy with Claire Williams
Photo by: Williams
また、サベージは次のように語っている。
「フランク・ウイリアムズ・アカデミーの設立を支援できることを嬉しく思う」
「脊髄損傷に苦しむ人々の人生を変えるため、基本的な教育やケア、サポートを提供することで、フランク卿の人生を称えることは本当に特別なことだ」
「ウイリアムズ・レーシングのスタッフはみんな、このアカデミーの発展を支援することを楽しみにしている」
FWAは4つの指針を持ち、脊髄損傷者と医療の専門家に教育とトレーニングを提供すること、新しくより良いケア手段を推進するために新しい研究に資金を提供すること、脊髄損傷と共に生きる人々を支援すること、そして国家レベルでのケア水準を高めることを目的としている。
FWAへの寄付を希望する方はこちらから。
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