珍しく感情をあらわにしたハミルトン。チェッカー目前、彼の脳裏によぎったもの

F1トルコGPで優勝し2020年のタイトルを確定させたルイス・ハミルトンは、最終ラップに過去のありとあらゆる感情が脳裏を駆け巡ってきたと語った。

珍しく感情をあらわにしたハミルトン。チェッカー目前、彼の脳裏によぎったもの

 F1トルコGPは雨で混沌とした展開となったが、結果的にルイス・ハミルトン(メルセデス)が独走でトップチェッカー。自身7度目となるドライバーズタイトルを確定させた。

 メルセデス勢は週末を通してイスタンブール・パーク・サーキットの滑りやすい路面に苦戦しており、雨の中行なわれた予選でもレーシングポイント勢やレッドブル勢の後塵を拝し、ハミルトンは6番グリッドからのスタートとなっていた。そしてレース序盤は、快調に飛ばすトップのランス・ストロール(レーシングポイント)に対して一時は24秒もの差をつけられるなど、ハミルトンの勝利は厳しいかと思われた。

 しかし最終的には、インターミディエイトタイヤで最後まで安定したペースを記録したハミルトンが他車を圧倒。2位のセルジオ・ペレス(レーシングポイント)に31.633秒の差をつける圧勝劇だった。これでミハエル・シューマッハーの歴代最多記録に並ぶ7度目のドライバーズタイトルを決めたハミルトンだが、フィニッシュラインを越えた彼は感極まっていた。

Read Also:

 そのことについてレース後の記者会見で尋ねられたハミルトンは、次のように答えた。

「自分の感情をコントロールできなくなることは滅多にない。最後の数周、僕たちはピットに入るかどうか議論をしていたけど、その時も『頑張れ、ルイス。君は(タイトルを)手にするんだ』と自分に言い聞かせていたんだ」

「その瞬間が近付いてきているのを感じていたし、今の順位でフィニッシュすれば、チャンピオンになれることも分かっていた」

「だから色んな感情が駆け巡っていて、僕はそれを止めようとしていた。5歳からカートに乗っていて、イギリス選手権で初めて優勝した時、父と帰りの車中で“We Are The Champions”を歌いながら、ここに来る事を夢見た……そんな僕のこれまでのキャリアが思い出されていたんだ」

「そしてここに辿り着いて、(記録が)目の前にある。簡単に受け入れられるものじゃなかったよ。ラインを越えた時、色んなものが押し寄せてきて涙が溢れ出てきた。インラップの間ずっとだ」

「本当に信じられなくて、しばらくクルマから出ることができなかったんだ」

「僕はこれまで強さを見せられたと思うけど、これは僕を支えてくれた偉大な男、父がいなければできなかったことだ。力が足りないと思った日も、うまくいかないと思った日も、彼が側にいて励ましてくれた」

「僕は彼のことを考えていた。そして母のことも、義理の母のリンダのことも、そして兄弟のことも……皆僕の側にいてくれた人たちだ」

 チェッカーを受け、パルクフェルメへと到着したハミルトンは、しばらくコックピットに留まり、ヘルメット越しに手で顔を抑えた。その後、過去何度もタイトルを争ったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、そしてペレスの祝福を受けるとようやく立ち上がり、ヘルメットを脱いだ。

 このシーンについてハミルトンは、「バイザーを上げて泣いているところを見られたくなかった」と説明。「僕はいつも絶対に涙を見せないと言っているからね!」とジョークを飛ばし、さらにこう続けた。

「これまで色んなドライバーが泣いているのを見てきているから『僕はあんな風にはならない!』と思っていたけど、ちょっと酷かったね」

 最後に、インターミディエイトに交換した後どのようにして他車とのタイムを縮めていったのかと聞かれたハミルトンはこう答えた。

「今日の鍵になったのは、僕の持っている知恵を出し切ったことだ」

「そしてとにかく走り続けて、どんどん速くなっていき、それで自信もどんどんついてきたんだ」

 

Read Also:

シェア
コメント
ハミルトンはスポーツ史の偉人たちに肩を並べた……メルセデス代表、偉業に誇り

前の記事

ハミルトンはスポーツ史の偉人たちに肩を並べた……メルセデス代表、偉業に誇り

次の記事

タイトル決定阻止はおろか、自身最悪の結果に。ボッタスのトルコGPは”散々”

タイトル決定阻止はおろか、自身最悪の結果に。ボッタスのトルコGPは”散々”
コメントを読み込む