F1 モナコGP
フェラーリの抗議は棄却……今後、ピットレーン出口の”ホワイトラインカット”にどんな影響が?
フェラーリは、F1モナコGPの決勝でレッドブル勢がピットレーン出口のラインを踏んだのではないかとして抗議したが、FIAはこれを棄却。今後、各車がピットレーン出口のラインを踏む事例が増えることになるかもしれない。

Jonathan Noble
編集: 2022/06/01 14:13
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

FIAは、F1モナコGPの際にフェラーリから提出されたレッドブルに関する抗議について、棄却することを決めた。この判断は、今後のレースに大きな影響を及ぼすことになるかもしれない。
F1モナコGPをフロントロウからスタートしながら、敗北を喫したフェラーリ。しかし彼らはレース後、レッドブルに対する抗議をFIAに提出した。その内容は、レッドブルのふたりが、ピットレーン出口のイエローラインを越えたのではないかというものだった。
しかしFIAはこれを棄却。レッドブルのドライバーはいずれも、FIAの国際モータースポーツ競技規則付則L項の第4章、第5条c)を遵守していたとの判断を下したのだ。
レース中、セルジオ・ペレスに関してはスチュワードよりラインカットを指摘されていたが、マックス・フェルスタッペンに関しては指摘すらなかった。しかしフェルスタッペンのオンボードカメラ映像を見ると、確かに左のフロントタイヤが、イエローラインを踏んでいるように見える。
昨年までは、イエローライン(通常のコースではホワイトラインのことが多い)を踏むと、何らかのペナルティが科されていた。フェラーリが指摘したのもそこで、特にフェルスタッペンにペナルティを出すように求めたのだ。
イベント開催前に公開されたレースディレクターズノートでは、この件について以下のように記されている。
「国際モータースポーツ競技規則の第4章(5条)に従い、ドライバーはピットから出る時、ピット出口のイエローラインの右側を走り、ターン1の先でこのイエローラインが終了するまで、ラインの右側に留まらなくてはいけない」
ただ今回、フェルスタッペンがラインを踏んだにも関わらず、FIAはフェルスタッペンにペナルティを科さなかった。その理由は、国際モータースポーツ競技規則の変更にあった。
昨年まで、国際モータースポーツ競技規則の当該の箇所では、次のように書かれていた。
「ピットから出るクルマをコース上のクルマと分離する目的でピット出口のトラックに書かれた線は、ピットを出るクルマのいずれの部分も越えてはならない」
しかし昨年12月、この文言は次のように変更された。
「ピットレーンを出るクルマのタイヤは、ピットレーンを出るクルマをコース上のクルマを分離する目的でピット出口のトラックに書かれた線を越えてはならない」
つまり以前はマシンのいずれの部分もラインを越えてはならなかったわけだが、今季はそれがタイヤに限定されているわけだ。そしてFIAは、”タイヤがラインを越える”ことに関する定義は、”タイヤ1本が完全にラインの外に出ること”だとしている。
今回フェルスタッペンのタイヤはラインを踏んでいたものの、タイヤが完全にラインの外に出たわけではないとして、FIAはペナルティを科さなかったのだ。
これはレースディレクターズノートの記載とは矛盾するように見えるが、モナコGPのレース後のFIAの判決によれば、常に国際モータースポーツ競技規則の方が優先されると説明された。またレースディレクターズノートの文言は、昨年の書類から”コピー&ペースト”されたものだったということも明かされた。
今回のことは、今後に影響を与える可能性がある。そのうちのひとつは、ドライバーたちがピットレーン出口のラインを”悪用”する可能性があるということだ。
前述の通り、タイヤ全てが越えなければ、ライン上を走ることが可能であるということを意味しているため、コース上を走ってくるドライバーをブロックするために、これまで以上のことができるということになるわけだ。
またレースディレクターズノートに記されていることにも、疑問が投げかけられるということになる。レースディレクターズノートで何らかのアドバイスがなされたとしても、結局は国際モータースポーツ競技規則が優先されるということが、今回明確になったからだ。
またF1のようなチームが常にルールの”限界”を押し広げようとするスポーツでは、抜け穴を悪用することを避けるためにも、ルールの解釈を検証する必要がある。レースディレクターズノートは、その役割の一端を担ってきた。しかし今回の件により、ルール解釈に柔軟性がない可能性があるということも意味するだろう。
Read Also:
- フェラーリの抗議は却下! ペレス&フェルスタッペンは「ピット出口のライン”越えていない”」と判断
- F1分析|フェラーリも認めるモナコGPでの”戦略ミス”。その時一体何が起きていたのか?
- 僕のレースが台無しだ! オコン、ハミルトンとの接触ペナルティを恨む「去年ならレーシングインシデントだってさ」
- フェラーリ代表、モナコでの敗北に”判断ミス”があったと認める「PPスタートなら、最悪でも2位のはず……」
- モナコGPの大クラッシュにドライバー達ショック。まさかのマシン“真っ二つ”に検証の必要性訴える
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 モナコはやっぱり抜けない! メルセデス代表の”希望的観測”「レイアウトの微調整が必要」
次の記事 サインツJr.、ピットアウト直後ラティフィに抑えられ憤慨「最も遅いマシンに詰まって、勝利を失った」
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment

More from
Jonathan Noble

大きく前進を果たせなければ、F1タイトル5連覇は目指せない……フェルスタッペン、レッドブルに警鐘鳴らす
F1
F1
2024/12/29
大きく前進を果たせなければ、F1タイトル5連覇は目指せない……フェルスタッペン、レッドブルに警鐘鳴らす

ハミルトンのメルセデスF1最終年度での苦戦、その原因は? エンジニアリング統括が明かす
F1
F1
2024/12/27
ハミルトンのメルセデスF1最終年度での苦戦、その原因は? エンジニアリング統括が明かす

僕にできることはある……ボッタス、“最悪のシナリオ”でF1シート喪失も闘志は消えず。酒の勢いで始めたおバカ挑戦で再認識
F1
F1
2024/12/25
僕にできることはある……ボッタス、“最悪のシナリオ”でF1シート喪失も闘志は消えず。酒の勢いで始めたおバカ挑戦で再認識

More from
フェラーリ

クラッシュを頻発させたレッドブルのマカレナウイング。FIAは介入せず……しかしチームは独自に改良「自分たちのマシンを壊したい人は誰もいない」
F1
F1
オランダGP
5 時間前
クラッシュを頻発させたレッドブルのマカレナウイング。FIAは介入せず……しかしチームは独自に改良「自分たちのマシンを壊したい人は誰もいない」

なんでそんなに新パーツを作れるのか……フェラーリの積極アップデートにマクラーレン感銘「それを実現できた理由を、理解しなければいけないな」
F1
F1
オランダGP
7 日前
なんでそんなに新パーツを作れるのか……フェラーリの積極アップデートにマクラーレン感銘「それを実現できた理由を、理解しなければいけないな」

ハミルトンにはシューマッハーと共通する能力がある? フェラーリ内部で話題に……元エンジニア証言「ルイスには感謝したいね」
F1
F1
9 日前
ハミルトンにはシューマッハーと共通する能力がある? フェラーリ内部で話題に……元エンジニア証言「ルイスには感謝したいね」
最新ニュース

角田裕毅にF1復帰のチャンス到来か? ハジャーが手首の負傷でF1オランダGP欠場の可能性が浮上
機能
F1
ライブテキスト
評価
機能
F1 1 時間前
オランダGP
角田裕毅にF1復帰のチャンス到来か? ハジャーが手首の負傷でF1オランダGP欠場の可能性が浮上

クラッシュを頻発させたレッドブルのマカレナウイング。FIAは介入せず……しかしチームは独自に改良「自分たちのマシンを壊したい人は誰もいない」
機能
F1
ライブテキスト
評価
機能
F1 5 時間前
オランダGP
クラッシュを頻発させたレッドブルのマカレナウイング。FIAは介入せず……しかしチームは独自に改良「自分たちのマシンを壊したい人は誰もいない」

バイク版ワイルド・スピード誕生? Netflix、MotoGPをフィーチャーした映画制作を進行中か
機能
MotoGP
ライブテキスト
評価
機能
MotoGP 5 時間前
バイク版ワイルド・スピード誕生? Netflix、MotoGPをフィーチャーした映画制作を進行中か

ハミルトンが不気味な存在だが……メルセデス、タイトル争いで“アントネッリを勝たせる”体制にはせず「まずはチームが最優先」
機能
F1
ライブテキスト
評価
機能
F1 5 時間前
ハミルトンが不気味な存在だが……メルセデス、タイトル争いで“アントネッリを勝たせる”体制にはせず「まずはチームが最優先」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録