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フェラーリの抗議は棄却……今後、ピットレーン出口の”ホワイトラインカット”にどんな影響が?

フェラーリは、F1モナコGPの決勝でレッドブル勢がピットレーン出口のラインを踏んだのではないかとして抗議したが、FIAはこれを棄却。今後、各車がピットレーン出口のラインを踏む事例が増えることになるかもしれない。

Sergio Perez, Red Bull Racing RB18, Max Verstappen, Red Bull Racing RB18

写真:: Zak Mauger / Motorsport Images

 FIAは、F1モナコGPの際にフェラーリから提出されたレッドブルに関する抗議について、棄却することを決めた。この判断は、今後のレースに大きな影響を及ぼすことになるかもしれない。

 F1モナコGPをフロントロウからスタートしながら、敗北を喫したフェラーリ。しかし彼らはレース後、レッドブルに対する抗議をFIAに提出した。その内容は、レッドブルのふたりが、ピットレーン出口のイエローラインを越えたのではないかというものだった。

 しかしFIAはこれを棄却。レッドブルのドライバーはいずれも、FIAの国際モータースポーツ競技規則付則L項の第4章、第5条c)を遵守していたとの判断を下したのだ。

 レース中、セルジオ・ペレスに関してはスチュワードよりラインカットを指摘されていたが、マックス・フェルスタッペンに関しては指摘すらなかった。しかしフェルスタッペンのオンボードカメラ映像を見ると、確かに左のフロントタイヤが、イエローラインを踏んでいるように見える。

 昨年までは、イエローライン(通常のコースではホワイトラインのことが多い)を踏むと、何らかのペナルティが科されていた。フェラーリが指摘したのもそこで、特にフェルスタッペンにペナルティを出すように求めたのだ。

 イベント開催前に公開されたレースディレクターズノートでは、この件について以下のように記されている。

「国際モータースポーツ競技規則の第4章(5条)に従い、ドライバーはピットから出る時、ピット出口のイエローラインの右側を走り、ターン1の先でこのイエローラインが終了するまで、ラインの右側に留まらなくてはいけない」

 ただ今回、フェルスタッペンがラインを踏んだにも関わらず、FIAはフェルスタッペンにペナルティを科さなかった。その理由は、国際モータースポーツ競技規則の変更にあった。

 昨年まで、国際モータースポーツ競技規則の当該の箇所では、次のように書かれていた。

「ピットから出るクルマをコース上のクルマと分離する目的でピット出口のトラックに書かれた線は、ピットを出るクルマのいずれの部分も越えてはならない」

 しかし昨年12月、この文言は次のように変更された。

「ピットレーンを出るクルマのタイヤは、ピットレーンを出るクルマをコース上のクルマを分離する目的でピット出口のトラックに書かれた線を越えてはならない」

 つまり以前はマシンのいずれの部分もラインを越えてはならなかったわけだが、今季はそれがタイヤに限定されているわけだ。そしてFIAは、”タイヤがラインを越える”ことに関する定義は、”タイヤ1本が完全にラインの外に出ること”だとしている。

 今回フェルスタッペンのタイヤはラインを踏んでいたものの、タイヤが完全にラインの外に出たわけではないとして、FIAはペナルティを科さなかったのだ。

 これはレースディレクターズノートの記載とは矛盾するように見えるが、モナコGPのレース後のFIAの判決によれば、常に国際モータースポーツ競技規則の方が優先されると説明された。またレースディレクターズノートの文言は、昨年の書類から”コピー&ペースト”されたものだったということも明かされた。

 今回のことは、今後に影響を与える可能性がある。そのうちのひとつは、ドライバーたちがピットレーン出口のラインを”悪用”する可能性があるということだ。

 前述の通り、タイヤ全てが越えなければ、ライン上を走ることが可能であるということを意味しているため、コース上を走ってくるドライバーをブロックするために、これまで以上のことができるということになるわけだ。

 またレースディレクターズノートに記されていることにも、疑問が投げかけられるということになる。レースディレクターズノートで何らかのアドバイスがなされたとしても、結局は国際モータースポーツ競技規則が優先されるということが、今回明確になったからだ。

 またF1のようなチームが常にルールの”限界”を押し広げようとするスポーツでは、抜け穴を悪用することを避けるためにも、ルールの解釈を検証する必要がある。レースディレクターズノートは、その役割の一端を担ってきた。しかし今回の件により、ルール解釈に柔軟性がない可能性があるということも意味するだろう。

 
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