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F1日本GP、チェッカーのタイミングにも混乱。2時間ルールと3時間ルールの細かい違いが原因

悪天候に見舞われたF1日本GPは、ポイントシステムだけでなくレース終了のタイミングにも、各チームが頭を悩ませることになった。

Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, 1st position, takes the chequered flag for victory

写真:: Zak Mauger / Motorsport Images

 F1日本GPの決勝レースは、悪天候に見舞われ早々に赤旗中断。最大3時間とされている制限時間の残り40分というところでレースが再開されたため、フルディスタンスの53周を走ることはできなかった。

 最終的に予定の52%となる28周を走破したところでレースが終了。ドライバーに与えられるポイントを巡って混乱があったものの、優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2年連続のチャンピオン獲得を決めた。

 ただ、混乱があったのはポイントシステムだけではない。レースのフィニッシュがいつなのかについても、各チーム間で認識に違いがあった。

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 各チームは大まかな残り走行時間は把握していたものの、正確にどの周回でレースが終了するのか通知などはされなかったようだ。

 F1には、レース時間を最大2時間に制限するレギュレーションがある。競技規則5.4に『所定のレース距離が走破される前に2時間が経過してしまう場合は、2時間が経過し終えた周回の次の周回終了時点で先頭車両がコントロールラインを通過した時にセッション終了合図が表示される』と規定されている。

 つまり、2時間プラス1周のような形になるわけだ。一部のチームはこのルールにより、今回の日本GPは29周で終了すると考えていたようだ。

 そのチームのひとつがアルピーヌだ。彼らはフェルナンド・アロンソに残り6周の時点でピットインさせ、2セット目のインターミディエイトタイヤを活かして追い上げようとしていたのだ。

 アロンソはファイナルラップの最終シケインでセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とサイドバイサイドのバトルを演じたが、惜しくも及ばず7位フィニッシュ。アルピーヌが想定していたように、もう1周あればひとつポジションを上げることができたかもしれない。

 

 アルピーヌのスポーティングディレクターであるアラン・パルメインは、レースが予想より1周早く終わったことに驚きを隠せないという。

「レースは1周早く止められたと思うし、チェッカーフラッグも1周早かったと思う」

「マックスがラインを越えたとき、まだ5秒くらいあったはずなのに、次のラップでチェッカーフラッグが振られたんだ。だから、もしレースが思ったような距離で進んでいたら、彼(アロンソ)はセバスチャンを捉えていただろうね」

 アルピーヌだけでなく、レースを制したフェルスタッペンとレッドブルもチェッカーフラッグが出たことに驚いたようだ。

 レースシステムがフェルスタッペンの勝利を示し、チェッカーフラッグが提示されたにもかかわらず、彼とチームはレースが終わったのかどうかわからないまま、プッシュを続けた。

 デグナーまでたどり着いたところで、フェルスタッペンのエンジニア、ジャンピエール・ランビアゼはこう言った。

「OK、マックス、レースが終わったかどうかで混乱があるようだ。我々もそうだと思う。でも、クルマを持って帰ってきてくれ」

 フェラーリのシャルル・ルクレールも無線で『終わったのか?』とチームに聞いており、さらに後方では、マクラーレンがダニエル・リカルドに、何が起こったのかよくわからないため、チェッカー後にスピードを維持するよう求めた。

 マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表は次のように話した。

「チェッカーフラッグは適切なタイミングで出たが、マックス・フェルスタッペンがラインを越えた後も全力で走っているのが見えたから、そこで何が起こったのか正確には分からない」

「(ピットウォールでは)あれがチェッカーフラッグだということで我々全員が合意していた。でも、マックスがまだプッシュしていたから、最初は安全策でプッシュし続けようと言っていたんだ」

 ではなぜ、一部チームの予想よりも早くチェッカーが出たのか。それはレギュレーションの文言の微妙な違いによるものだ。

 2時間ルールによってレースが終了となった場合は”プラス1周”が行なわれるものの、レース中断を含む”3時間ルール”によってレースが終了された場合は、残り時間がゼロとなった周がファイナルラップとなる。

 競技規則5.4bには、レース中断があった場合について『最大総レース時間を3時間』とすると記載されているのだ。つまり、当然レース時間に含まれるはずの”プラス1周”は3時間ルールでは追加されず、3時間が経過した時点でレースが終了されるのはルール通りということになる。

 ただもし仮に、レース中断がちょうど1時間前後となった場合、レース終了のタイミングが2時間ルールによって決まるのか、3時間ルールによって決まるのかハッキリせず、今後問題になるケースが出てくる可能性もあるだろう。

 ポイントシステムと同じように、日本GPでこの冬に調整が必要なルールが浮き彫りになったと言えるのかもしれない。また、ライバルたちを出し抜くために規則の穴をつこうと努力しているF1チームにとっても、レギュレーションを完璧に把握することがいかに困難か、示す事例となったのではないだろうか。

 
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