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特別参戦のNASCARに、新カテゴリーLMGT3……グッドイヤーの次世代に向けた取り組み

2024年から、WECに導入されるLMGT3クラスのタイヤサプライヤーを務めるグッドイヤーは、次世代に向けて様々な取り組みを開始している。

#24 Hendrick Motorsports Chevrolet Camaro ZL1 of Jimmie Johnson, Mike Rockenfeller, Jenson Button

写真:: JEP / Motorsport Images

 100周年の記念大会を迎えている2023年の世界耐久選手権(WEC)ル・マン24時間レース。例年以上の盛り上がりを見せる中、大きな注目を集めている取り組みのひとつが、ガレージ56枠での参戦となっているNASCARマシン『シボレー・カマロ ZL1』だろう。

 ガレージ56枠は、ル・マン24時間を主催するACOが”未来の技術”を持つ革新的マシンのために設けた特別参戦枠。今年はヘンドリック・モータースポーツが、NASCARとシボレー、IMSA、グッドイヤーと共同で現行NASCARカップカー”Next Gen”シボレー『カマロZL1』改良版を投入している。

 通常のNASCARカップカーと比べて大幅に軽量化されており、空力パーツもル・マンに向けてアップデート。予選では3分47秒976をマークし、LM-GTE AmクラスのGTE車両(最速タイムは3分51秒台)を上回る速さを見せた。

 タイヤを供給するのは、NASCARやWECのLMP2クラスでもお馴染みのグッドイヤーだ。

 このガレージ56のカマロが履くタイヤは、NASCARで普段使われているモノとは全く異なるタイヤとなっており、タイヤの内側には製造工程で電池不要のパッシブセンサーが埋め込まれている。

 グッドイヤーのインテリジェントテクノロジーである 「Goodyear Sightline」 を搭載し、レース展開に合わせてリアルタイムのタイヤデータをチームに提供することが可能となっている。

 また、タイヤ自体もこの特別なチャレンジに合わせてオーダーメイドされているという。

「通常のNASCARカップカー用タイヤとは全く別物だ」

 グッドイヤーの耐久プログラム・マネージャーであるマイク・マクレガーはそうmotorsport.comに語った。

「NASCARのロードコースでのスピードやコーナリングフォースは、ここ(WEC)でやっていることに比べればはるかに小さいんだ」

「そのため、オーダーメイドの開発プログラムを行なわなければならない。重量や馬力も考慮しなければならない。車重は約1300kg、馬力は551kW(750PS)だから、LMP2よりもタイヤに対してかなり攻撃的になる。どちらかというとGTタイプのオプションとして見ている」

 次世代という意味では、WECでは来シーズンからGTE車両を使うLM-GTEクラスに代わり、GT3車両を使ったLMGT3クラスがスタートする。

 このLMGT3クラスの単独タイヤサプライヤーに決まっているのが、グッドイヤーだ。

 WECにおいて、グッドイヤーは2019年からLMP2クラスにタイヤ供給を開始。2021年からは単独サプライヤーとして優れたタイヤを供給してきた。そのLMP2クラスは現在、自然淘汰的にオレカ製のマシンを使うチームの実質ワンメイク状態となっている。

 その分、各チームがセットアップを工夫するため、グッドイヤーにとってはいろいろなセットアップやドライビングスタイルに対応しなければならない難しさがあった。

 しかしLMGT3クラスには様々なメーカーのGT3マシンが投入されることになる。マシンによって重量配分なども異なるため、グッドイヤーにとってはこれまでとは全く違うチャレンジになるだろう。

 そのため、LMGT3のタイヤはグッドイヤーがニュルブルクリンク24時間レースで供給したモノをベースにするのではなく、ELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)でGTE車両が使っていたタイヤがベースになっていると、マクレガーは語った。

「ニュルブルクリンクのタイヤをスタート地点にするのではなく、ELMSのGTEタイヤを(ベースに)使うことになる。ニュルブルクリンクは非常に特殊なレースだ。WECが求めているような安定したパフォーマンスの維持とは異なる、非常に特殊な要件があるんだ」

 グッドイヤーがLMP2クラスに供給しているタイヤのように幅広く機能し、高い一貫性を持ったタイヤが、LMGT3でも求められてくるわけだ。

「同時に我々はGT3プロジェクトを白紙に戻して考えている。ル・マンで(GT3)は新しいカテゴリーだ。新しい設計や構造を用意し、金型も新しくし、新しいコンパウンドを用意している」

「入札の結果は4月に発表されたが、我々はすでに3月からテストを開始しており、様々なシャシーと重量配分で継続的にテストプログラムを実施している。フロントエンジン、ミッドエンジン、リヤエンジン、そしてそれぞれのバリエーションがある。そのすべてのクルマに対応できるタイヤパッケージが重要なのだ」

 また、グッドイヤーはレースタイヤのサステナビリティに関する取り組みも加速させている。現代において、サステナビリティの追求は各企業の課題となっているが、グッドイヤーはレース用タイヤの70%をサステナブルな素材を使用したモノにするという目標を掲げている。

「我々が取り組んでいる全てのプログラムにおいて、(サステナビリティに関する)一定の目標を掲げている。コンシューマー用製品だけでなく、レース用製品も含めて、達成したい目標があるのだ」

「ル・マンでは、90%サステナブルなタイヤを展示しているが、これを達成したのはメーカーとして我々が初めてだ」

「2026年には、レース用タイヤの70%以上がサステナブルな素材になるよう、我々は目標へ推進している。現在のタイヤはすでに20~30%だが、次世代マシンではさらに積極的な目標を掲げていきたいと考えている」

 様々な形で、次世代への取り組みを始めているグッドイヤー。2024年からのLMGT3クラスのバトルが今から楽しみだ。

 
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