小林可夢偉、レースの原体験はアメリカだった? NASCARスポット参戦決定に「僕の夢がようやく叶った」
8月にアメリカのNASCARカップシリーズに参戦することとなった小林可夢偉。彼はNASCARでレースをするのは子供の頃からの夢だったと語った。
写真:: JEP / Motorsport Images
ル・マン24時間レースの覇者で元F1ドライバーの小林可夢偉が、23XI Racingから8月のNASCARカップシリーズ第24戦に参戦することが発表された。彼はNASCARでのドライブがかねてからの夢だったと語った。
NASCARでは最近、国際的なスタードライバーを呼び込むような動きが活発化している。F1ワールドチャンピオンであるキミ・ライコネンやジェンソン・バトンもその好例だ。そして今回、小林の参戦が決まった訳だが、彼はストックカーレースに出場する機会を長年うかがっていたという。
「僕の記憶では、最初にTVで見たレースはNASCARでした」と小林は語る。
「4歳か5歳くらいの時ですね。『かっこいい!』と思いました。初めてゴーカートで走った時、正直F1のことは知りませんでした」
「幼い時に見たのはNASCARのレースでした。そしていつかNASCARでレースをするのが自分の夢だったと覚えています」
レーシングドライバーとしてキャリアを積み重ね、F1まで登りつめてからも、心の奥底にはNASCARの夢があったと小林は語る。
「F1を降りてからも、NASCARで走ることはまだ自分の夢でした。だからデビッド(ウィルソン/TRD-USA社長)にはお願いをしていたんです。TRD-USAでシミュレータに乗ったこともあります。その時はブリストルという特殊なサーキットで、小さくチャレンジングでした。でもとても楽しかったです。ずっとやりたいと言い続けてきて、ようやくそれが叶ったんです」
小林がNASCARで走るのは、インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコース。今季のカップ戦では6つのロードコースイベントがあるが、その中でインディアナポリスを選択したのはスケジュールの要素が大きいという。
「まだWECのレースは続きますし、日本ではスーパーフォーミュラにも出ているので、日程が被らないようにするのはかなり難しいです」
「シミュレータセッション、シート合わせ、テスト走行など、準備期間も必要です。他のトラックのレースでは間に合わないと思います。そして唯一行けると思ったのがこのコースでした」
「チャンスがあればもっと走りたいのですが、残念ながら今年のスケジュール的にこれしか出られません」
日本人ドライバーがトップレベルのNASCARレースに参戦するのは、2003年のソノマ戦に福山英朗が参戦して以来20年ぶり。トヨタのマシンでの参戦に限れば、小林が初めてとなる。
なお、NASCARは1990年代に鈴鹿で2回、もてぎのオーバルで1回、エキシビションレースを開催している。
小林は今回自らがNASCARカップに参戦することで、NASCARに目を向ける日本人ドライバーが増えるのではないかと考えている。
「最後にNASCARカップに日本人ドライバーが参戦したのは、20年前でしょうか? かなり時間が経っています」
「NASCARと日本のレースの文化は違いますが、日本人がアメリカでモータースポーツやその他スポーツに参加することは大きな夢です。野球の大谷翔平選手は日本でとても有名ですが、アメリカでも有名になっています。アメリカンドリームと呼ばれますが、これ(今回のNASCAR参戦)は門戸を開く上で必要なことだと思います」
「NASCARはアメリカ最大のスポーツのひとつです。だからこそ、機会があれば挑戦したいと常に思っています。フル参戦ではなく1レース限りですが、このチャンスは自分にとっても重要だと思うので、こうやって発表できることを誇りに思います」
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