危なくないときも多いだろ! ジャック・ミラー、MotoGPの黄旗減速ルールに憤慨
プラマックのジャック・ミラーは、今季厳格化された黄旗ルールとその運用方法は「くだらない」と一刀両断。大きな憤りを示した。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
2020年のMotoGPは7月にシーズン再開を迎えたが第3戦アンダルシアGP以降、イエローフラッグ時の減速ルールが明確化された。
これは第2戦スペインGPのFP3終盤や予選など、アタックラップが行なわれている際、転倒者が出て黄旗が掲示されているタイミングで減速したライダーに文句を言う者や、黄旗にも関わらず最速タイムを更新していくライダーに対する疑問の声などを受け、規則が明確化されたためだ。
以降、FPや予選ではクラッシュなどで黄旗が振られている際には減速が義務とされ、タイム更新をした場合にはそれが抹消されるという運用がなされてきた。
第11戦アラゴンGPのQ2終盤では、この規則によってジャック・ミラー(プラマック)を含む6人がファステストラップを抹消されていた。ただ後にそのタイムは認められることになった。
これはマーシャルとレースディレクションのコミュニケーションミスに起因するものだった。レースディレクションのシステムはターン16でのヨハン・ザルコ(アビンティア)のクラッシュによって黄旗を示していたが、その時間が実際のものより長くなっていたのだ。
ミラーはこうしたレースディレクションのシステムを“欠陥”とまで呼び、セッション中の黄旗によるラップタイム抹消に時間がかかることを批判している。
「これはシステムに欠陥があることを示している。レースディレクションにも言ったよ」
ミラーは黄旗ルールについてそう語る。
「彼らのシステムは明らかに機能していない。僕は導入されたときからくだらないルールだと思っていたし、今でもそう思っている」
「結局のところ、僕らはモーターサイクルレースをしていて、これは危険なスポーツなんだ。確かに黄旗を見たとき、プッシュするのを止めようとするのはいい。だけど例えばFP3の様なセッションで、あまり危険がないようなら、プッシュさせて欲しい」
「2013年のシルバーストンでのマルク(マルケス)のように、誰かと同じコーナーでクラッシュしてバイクが飛んでくるようなら、ペナルティを科すというルールがあるべきだとは思う。明らかにプッシュしすぎだからだ」
「だけど多くの場合、クラッシュが本当に危険な状況にはなっていなくても、他のコーナーと同じように最大限のリスクを冒してはいなくとも、速くなれば(タイムが)キャンセルされてしまう。これは本当にくだらないと思う」
またLCRホンダのカル・クラッチローはこうしたミラーの考えを支持。MotoGPがFP3を予選Q1とQ2の出走を決めるプレ予選のようにしたいと考えていることと矛盾していると主張した。
「このルールは馬鹿げている。他の誰が何と言おうともだ」と、クラッチロー。
「僕らはバイクでレースをしているんだから、クラッシュは起こるものだ。このルールにはある程度賛成している。だけどその一方で、メディアやTVで観戦している人たちは、“ショー”を望んでいるんだ」
「彼らはFP3を予選セッションにしたいと思っているんだ。でも毎周予選でクラッシュがあれば彼らは何も見られない。黄旗が出ているからだ」
「毎週末、ライダーはこのことについて不満を抱いている。バルセロナでのレミー(ガードナー/Moto2)なんかは、アクセルを閉めたせいでクラッシュしてポジションを失ってしまった」
「彼らにとっても、僕らにとってもこれは簡単じゃない。もちろん最終コーナーに来たとき、全員がアクセルを閉めるわけじゃない。僕らは自分たちの最速ラップを走っているんだ」
「でも残念だけど、これが現状だ。今はみんな、転倒してもおかしくないと認識しているんだ」
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