「グレイトな結果を争えるペースは無い」クアルタラロ、テルエルGP決勝は苦戦覚悟

　MotoGP2020年シーズンのタイトル争いの主役のひとりである、ペトロナス・ヤマハSRTのファビオ・クアルタラロ。彼は第11戦アラゴンGPをノーポイントで終えたことでライバルの先行を許し、第12戦テルエルGPにはランク2番手で臨んでいる。

　ランク首位のジョアン・ミル（スズキ）とは現時点で6ポイント差。テルエルGPでは好結果を持ち帰ってギャップを縮めたいクアルタラロだが、彼曰くレースペース面で劣っているところがあるため、決勝は心配しているという。

「僕のペースは先週よりも良くなっている。先週は15周したタイヤで1分49秒台後半だったけど、今週は16周しても1分49秒1で走れたからだ」

　クアルタラロは今週末の週末よりも改善しているものの、ライバルの改善度合いの方が大きいと考えているようだ。しかも予選では6番手と、スティリアGP以来初めてフロントロウから脱落してしまった。

「だけど、他の誰もが改善してきていて、ペースが良くなっている。それで僕としては、明日“素晴らしいポジション”を争うには、ペース面で0.2〜3秒を失っていると思っている」

「上手く行っているように見えるけど、いくつかのコーナーで本当に良くない状況なんだ。だから“何か”を見つけ出す必要がある。この1週間、僕らはそれを改善しようとしてきている。大きくは改善できていないけど、それだって簡単なことじゃない」

「（アラゴン決勝で見舞われた）フロントタイヤの内圧の問題だけど、これについては解決されたように見える。だからそこについてはとても満足している」

「すごい結果を争えるようなペースは実際にはないから、明日についてはちょっと心配だ。だから改善していきたい」

「チームは良くしていってくれるだろうし、僕は明日朝のウォームアップでは、ポジションではなくてフィーリングという観点で良いモノにしていくことが重要だと思う」

　クアルタラロは一部のコーナーで苦戦していると語っていたが、それについて訊くと、彼はより詳しく説明してくれた。曰く長い右コーナーのターン10、そして通常ならヤマハYZR-M1が優れているはずのタイプであるターン16／17において苦戦しており、そこでコンマ数秒を失っていると感じていると語った。

　一方、ランク首位のミルは予選を12番手と後方で終了。これはラストアタックに向かっている最中、ヨハン・ザルコ（アビンティア）の転倒によって掲示された黄旗を視認したことで、減速したためだった。

　彼の説明によれば、最後にもう1回アタックする時間が残されていると考えていたが、既に時間が残されていなかったため、1分47秒642というタイムで予選を終えることになったのだという。

「最終セクターで黄旗を見た。それで少しタイヤを労ろうと思って流したんだ。もう1周行けると思っていたからだよ。でも、チェッカーフラッグが出ていた」と、ミル。

「とにかく、1分47秒6というのは最終コーナーで流していた中では、そんなに悪いものじゃない。予想していたポジションではなかったけどね」

「今日の戦略は完璧なものではなかった。だけどそれはそれだ。僕らはミスをしたけど、重要なのは明日だ。気温が今日と同じようなら、フロントにミディアムを使う素晴らしいチャンスになるだろう」

「ソフトだと、前回のレースで起こったような（摩耗の）問題を繰り返してしまう可能性があるからね」