MotoGP撤退のスズキ、ファンに最後のプレゼント。200ページ超えの大ボリュームデジタルブックを公開

2022年限りでMotoGPを撤退したスズキ。彼らはレース情報を扱う公式サイトで、最後のデジタルブックを公開している。

Sahara Shinichi Team Suzuki ECSTAR

 MotoGPを2022年シーズンを最後に撤退したスズキ。レース情報を扱うグローバル版Webサイトでは、彼らの活動をまとめた“最後”のデジタルブックが公開された。

 2022年5月に突如明らかとなったスズキのMotoGP撤退のニュース。彼らは撤退を検討していることを事実だと認め、その後運営のドルナ・スポーツとの協議を経て夏には正式に2022年限りでMotoGPから撤退することが決まった。

 そんなスズキだが、彼らはレース情報全般を取り扱っているwww.suzuki-racing.comなどのWebページ、各種SNSなどを2022年12月末をもって閉鎖することを明らかにしている。

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 多くのコンテンツをもつページの閉鎖はファンにとっては悲しいことだが、12月24日クリスマスイブにはスズキから最後のプレゼントがあった。

 そのプレゼントは、MotoGP活動を締めくくる最後のデジタルブックだ。suzuki-racing.com(外部リンク)でこれまでも度々配信されてきたデジタルブックだが、今回は最後ということもあり超ボリュームとなっている。

 今回配信されたデジタルブックは2015年のMotoGP復帰から始まり、2022年シーズンの全レースを多数の写真で振り返る形式をとっている。ライダーだけではなく、これまでチームを支えてきたスタッフ達の写真も合わせて掲載されており、チーム・スズキ・エクスターという存在をより濃く感じることができるはずだ。

 なおデジタルブック冒頭には、2022年にチームマネージャーとして加入したリヴィオ・スッポがコメントを寄せている。彼はこの1年間を振り返って、次のように語った。

「親愛なる友人たちへ」

「チーム・スズキ・エクスターで働くことは、私にとって素晴らしい経験だった。残念ながら私はそう長くはない期間だったが、多くの思い出を作り、様々な感情を経験することができた。この2022年シーズンを忘れることはないだろう」

「カタールに着いてまず驚かされたのは、チームの歓迎ぶりだった」

「すぐにチームのことをホームだと感じさせてくれたんだ。これは、スズキのユニークかつ特別な特徴で、“家族”のような感覚だった」

「そして次に気がついたのは、スズキチーム全体がいかに献身的で、よく組織されているかということだった。ロジスティクスからPRにいたるまで、全てがそうで、正確かつ上手く運営されていた」

「チームで働くエンジニアは全員高いスキルを持っており、これはGSX-RRがほとんどすべてのサーキットで非常に高い競争力を持っていることで証明されてきた」

「もちろん、アレックス・リンスとジョアン・ミルという我々のライダーもそうだ。ふたりとも非常に才能に溢れた若者であり、常にチームに尽くしてくれた。彼らのプロ精神を誇りに思っている」

「素晴らしいシーズンのスタートだったものの、撤退発表後は我々の望んでいたようには進まなかった。チームメンバーは非常に高いレベルの労働意欲を備えているということは言えるが、あの“悪い知らせ”が我々のパフォーマンスにどれだけ影響を与えたかを語るのは難しい。ただ、我々としても、アレックスとジョアンがともに怪我で数レースを欠場しなくてはならなかったのは、かなりの不運だった」

「アレックス、ジョアン、チームメンバー全員、そしてシルヴァン・ギュントーリ、津田拓也、皆の働きに心からの感謝を送りたい。短い間ながらも喜んで迎え入れることのできた渡辺一樹とダニーロ・ペトルッチにも、感謝を伝えたい」

「来年、スズキはMotoGPへは参戦しない。しかし私自身、そして多くの人達にかけがえのない経験を残してくれた。その情熱とサポートで最後のフラッグを受けるまで後押ししてくれた、世界中のアメイジングなファンやパートナーは、このチームのことをずっと覚えていてくれると思う。だからこそ、我々は今終わりを迎えているこの素晴らしいプロジェクトを覚えていてもらう素晴らしい方法として、そして彼らへの最後のプレゼントとして、この本を送りたいと思ったんだ」

 前述のとおり、suzuki-racing.comは12月末をもって閉鎖される。残り期間も少なくなってきているため、スズキファンのみならずMotoGPファンはデジタルブックを閲覧できる最後の機会を逃さないようにするといいだろう。

 
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