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SFチャンプ野尻智紀が次に見据えるモノ。3度の王者、山本尚貴に「一歩でも近付きたい」

2021年にスーパーフォーミュラで悲願の初タイトルを獲得した野尻智紀。そんな彼に次なる目標や、将来の展望について聞いた。

Tomoki Nojiri

写真:: Motorsport.com / Japan

 2021年のスーパーフォーミュラで、見事チャンピオンに輝いた野尻智紀。国内最高峰カテゴリーに登り詰めながら、なかなかタイトルに手が届かなかった野尻だが、32歳にしてついに初めての栄冠を手にした。

 そんな彼が次に目指すのは、もちろん連覇。国内トップフォーミュラでの連覇となれば、スーパーフォーミュラの前身、フォーミュラ・ニッポン時代の松田次生(2007年、2008年)以来となる。

「スーパーフォーミュラに関しては、連覇を目指したいです」と野尻は言う。

「僕も32歳になりましたが、僕らの世代がまだ伸びることを示していかないと、これからの選手のキャリアも短くなっちゃうかもしれません。選手である以上、憧れられる存在でいないといけないと思いますが、それが30歳そこそこでキャリアが終わるとなると……30歳って、一般的にはこれからという年齢じゃないですか」

「彼ら(若手ドライバー)も上手だし、そこにいて当然の選手ではあります。ただ、僕にしか見せられないものもあると思います」

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Photo by: Masahide Kamio

 スーパーフォーミュラでの連覇を目指す野尻にとって、今後の大きな目標となるのはやはり、現役最多3度の王座獲得を誇る山本尚貴だろう。1989年生まれの野尻に対し、山本は1988年生まれと、年齢はたったのひとつ違い。ふたり共カート時代からARTAやトニーカートの支援を受け、SRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ)でスカラシップを獲得し、ホンダの育成ドライバーとしてFCJ(フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン)、全日本F3、フォーミュラ・ニッポン(スーパーフォーミュラ)とステップアップ……共通点は非常に多いが、山本は常に野尻の一歩先を歩んできた。

「彼(山本)もARTAでサポートを受けていましたし、カート時代からよくしてもらっていました。年は1個しか変わりませんが、僕にとっては目標の選手でした」

 そう野尻は語る。

「同じカートレースに出たことは1回しかありません。(2004年に)鈴鹿サーキットで行なわれたアジアパシフィック選手権です。山本選手はその年、トニーカートのサポートでヨーロッパに挑戦していたので、向こうのチームからの参戦でした。トニーのワークスなんて手の届かないところだと思っていたので『すごい人なんだろうな』と思っていて、一緒に走れるのが嬉しかったのを覚えています。当時から憧れのような存在でしたし、だからこそ勝ちたいという思いがありましたね」

 その後、野尻もトニーカートのサポートで渡欧するが、その頃山本はSFS-Fを経てFCJで4輪デビューを果たしていた。野尻が2009年にFCJへの参戦をスタートさせた年、山本は全日本F3のNクラス王者となってフォーミュラ・ニッポンへの切符をゲット。野尻が2014年にスーパーフォーミュラにたどり着いた時には、山本は既に“全日本王者”となっていた。

 そういった背景もあり、その後の野尻は山本と同じ最高峰カテゴリー(スーパーフォーミュラ、スーパーGT)に参戦しながらも、山本と本当の意味で“同じ土俵”で戦いたいという思いを持っていた。そして野尻はやがてタイトルコンテンダーへと成長し、ついに2021年、“全日本王者”という肩書きを手にすることができた。

「(山本の記録を)抜く、と言うのも今の段階では失礼かなと思います」と恐縮する野尻。山本に少しでも近付くことが当面の目標だと語った。

Naoki Yamamoto, TCS NAKAJIMA RACING

Naoki Yamamoto, TCS NAKAJIMA RACING

Photo by: Masahide Kamio

「山本選手は間違いなく、10年後、20年後、30年後、名前が残る選手だと思います。だから、そこまで近付きたいんですよね」

「5歳からレースを始めて、時間をかけてきたので、トップと言われる選手に一歩でも近付きたいという思いです」

 一方の山本も、野尻の活躍が発奮材料になっているようだ。彼は苦戦しランキング13位に終わった2021年シーズンの最終戦で、野尻について次のように語っていた。

「僕が評価するまでもないくらい、彼の強さと速さが際立った1年だったと思います。急に強くなった訳ではなく、これまで悔しい思いをしてきた中で、腐らずにめげずにやってきたからこそ、その積み重ねが今シーズンに実ったのだと思います」

「彼も僕のことをやっつけたいと思ってずっとやってきたと思います。でも今年、それが逆転しました。彼の喜んでいる姿を見ると、正直悔しさでいっぱいでした。でも、それがモチベーションにならないのであれば、そこが辞め時だと思いますし、このまま終わりたくないです」

 全日本の頂へとたどり着き、つかの間のシーズンオフを迎えた野尻。次なる目標に向けて羽を休める時期でもあるが、野尻は昨年末にインタビューを実施した際、「年内はゆっくりしたい」としながらも、レース以外のことを考えると逆に落ち着かず、「ソワソワする」と話していた。

「レースをしている時の方がよっぽどリラックスできていると思います。これといった趣味もないですし、もしかしたらレースのことを考えるのが趣味なのかもしれません」

 そう言って笑顔を見せる野尻。年が明け、前年と同じ体制で2022年シーズンを戦うことも発表された。また“誰よりもレースと向き合う日々”が始まっていく。

 
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