【スーパーフォーミュラ】野尻智紀、最終戦待たずしてタイトルを決められるか? ライバル達に残された“厳しすぎる”逆転条件

2021年のスーパーフォーミュラで選手権争いを大きくリードしている野尻智紀。彼は第6戦もてぎで、最終戦鈴鹿を待たずしてタイトルを確定させる可能性がある。

【スーパーフォーミュラ】野尻智紀、最終戦待たずしてタイトルを決められるか? ライバル達に残された“厳しすぎる”逆転条件

 2021年のスーパーフォーミュラは残すところあと2戦となったが、ここまではTEAM MUGENの野尻智紀が圧倒的な強さを見せており、ポイントランキングでも2番手の大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)に35点もの差をつけて首位に君臨している。10月17日に行なわれる第6戦もてぎの結果次第では、第7戦(最終戦)鈴鹿を待たずして野尻のタイトルが確定するという状況だ。

 野尻が最終ラウンドを前にタイトルを確定させれば、国内トップフォーミュラでは2009年のロイック・デュバル以来となる。そこで今回は、野尻が第6戦もてぎでタイトルを決めるための条件や、他のタイトルコンテンダー達に残された逆転の可能性について整理していく。

 まずスーパーフォーミュラにおける現行のポイントシステムについて簡単におさらいしておこう。現在のスーパーフォーミュラでは1位〜10位までにポイントが与えられるようになっており、その配点は1位から順に20、15、11、8、6、5、4、3、2、1となっている。また予選順位に応じてもポイントが与えられ、予選トップタイムに3点、同2番手に2点、同3番手に1点が加算される。また、今季は有効ポイント制が採用されており、全7大会中上位5大会分のポイントが有効得点として認められる。

野尻を追いかける4人のライバル……しかし逆転条件は極めてシビア

 選手権リーダーの野尻智紀は、ここまでの5戦でポールトゥウィン2回を含む3勝を挙げており、76点を獲得している。そんな野尻を残り2戦で逆転する可能性が残されているのは、ランキング2番手の大湯(41点)、同3番手の関口雄飛(carenex TEAM IMPUL/39.5点)、同4番手の福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/34点)、同5番手の平川亮(carenex TEAM IMPUL/31点)。すなわちタイトル争いは現時点で5名のドライバーに絞られている。

 ただ、野尻は既に大湯らに対して35点以上の大差をつけているため、仮に今回ポイントを一切上積みできなかった場合でもタイトルが決まる可能性が高い。ではまず、第6戦もてぎ終了時点で野尻の有効ポイントが76点のままとなった場合の条件を確認していく。

 なお野尻はここまでの5戦でそれぞれ23点、22点、3点、5点、23点を記録しているが、上記の有効ポイント制により得点の少ない大会のポイントが切り捨てられていくため、今回の野尻の獲得ポイントが3点以下であれば有効ポイントは76のままとなる。

 この場合、大湯はもてぎで有効ポイントを56点以上、関口は54.5点以上、福住、平川は54点以上に乗せることができれば、最終戦までタイトル獲得の望みをつなぐことができる。このように各々必要な得点が違っているのは、実に複雑な有効ポイント制の妙。福住と平川は既に2戦で無得点に終わっているため、今後有効ポイント制の悪影響を受けることはないが、大湯と関口に関しては残り2戦で大量得点をマークすれば、いくつかのポイントが無効となってしまう。

 大湯はここまでの5戦で17点、2点、2点、15点、5点とポイントを積み上げてきたため、残る2戦で高得点を記録した場合、第2戦、第3戦での得点(計4点)が無効となる。一方で関口は過去5戦の獲得ポイントが0点、8点、0.5点、14点、17点となっており、今後失効する可能性があるポイントは0.5のみ。つまり、現在の見た目上のポイントランキングでは大湯が関口を1.5ポイントリードしているものの、実質的に逆転タイトルに最も近い位置にいるのは関口なのだ。

 これらを総合すると、大湯が最終戦までタイトルの望みをつなぐための最低条件は優勝(持ち点41+優勝20−無効2=有効59)、もしくは2位+予選2番手以上(持ち点41+2位15+予選2番手2−無効2=有効56)とかなり厳しい条件となる。

 同様に他3人の条件も整理すると、関口は2位(持ち点39.5+2位15=有効54.5)以上が絶対条件。福住は優勝(持ち点34+優勝20=有効54)が必要となる。また平川はポールトゥウィン(持ち点31+優勝20+予選PP3=有効54)が必須のため、予選の結果次第では決勝を待たずしてタイトル戦線から脱落する。

 このように、野尻を追うライバル達はかなり厳しい条件の下で逆転を目指すことになる。しかし、仮に彼らの中で最低条件を満たす者が出たとしても、野尻の結果次第では問答無用でタイトル争いが決着することになる。

 野尻のライバル4名の中で、最終的に最も多くのポイントを獲得できる可能性があるのが、ランキング3番手の関口。彼が2戦連続でポールトゥウィンを記録すれば、有効ポイントは85となる。逆を返せば、野尻はもてぎ戦を終えた時点で有効ポイントを85に乗せれば、ライバルの結果に関係なくチャンピオンが決まる。その条件は2位以上(持ち点76+2位15−無効3=有効88)もしくは3位+予選3番手以上(持ち点76+3位11+予選3番手1−無効3=有効85)と少々厳しいが、これはあくまで関口がポールトゥウィンを達成した場合の仮定であり、野尻が圧倒的優位な状況には変わりがない。

 有効ポイント制や予選順位によるポイントがある関係で非常に複雑なシステムとなっているため、その他詳細な条件は割愛するが、それでも第6戦もてぎに向けて野尻が圧倒的優位な状況にいることはお分かりいただけたはずだ。近年稀に見る“圧勝”を野尻が見せつけるのか、はたまたライバル勢が歴史的な大どんでん返しを見せるのか……今週末のレースに注目だ。

 

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