マカオでの躍進はSFのおかげ? ヴィップス「不思議と難しく感じなかった」
2019年のマカオF3で総合2位に入ったユーリ・ヴィップスは、スーパーフォーミュラ最終戦でのスポット参戦という経験が大きく役に立ったと語った。
写真:: Masahide Kamio
2019年シーズンはFIA F3で活躍し、11月に開催されたマカオGP FIA F3ワールドカップでは驚異の速さを見せたユーリ・ヴィップス。その裏には“ある経験”が役に立っていたことを明かした。
レッドブルジュニアチームの一員で2019年はハイテックからFIA F3にフル参戦したヴィップスは、シーズン3勝を挙げランキング4位を獲得した。本来ならFIA F3最終戦からマカオGPに向けて準備をする予定だったが、TEAM MUGENからスーパーフォーミュラに参戦していたパトリシオ・オワードがレッドブルジュニアチームを離脱することになり、その後任としてヴィップスが鈴鹿で行なわれた最終戦に急遽スポット参戦することになった。
出走が決まったのはレース開催の1週間前で、何から何までぶっつけ本番というレースだったが、その中でもヴィップスは適応力の高いパフォーマンスをみせ、関係者の間でも高評価を得た。
そして、この経験がヴィップスに予想外の効果を生み出すこととなった。
「スーパーフォーミュラ(最終戦鈴鹿)に出走してからマカオのレースに臨むことになったけど、少し面白いことが起きた」
そうヴィップスは語った。
「今まで僕にとってはマカオGPが自分にとっては最大のチャレンジになるだろうと思って身構えていたんだけど、スーパーフォーミュラの週末の方がもっと大変だった。その後にマカオに行ったら、不思議と『難しいな』と感じることはほとんどなかった。逆にリラックスしてレースできたことが良かった」
マカオGPの予選でヴィップスは、前年の記録を5秒も更新する2分04秒997でポールポジションを獲得。決勝でも優位にレースを進めていたが、リチャード・フェルシュフォーの逆転を許し総合2位に終わった。それでもF1への登竜門のひとつと言われているマカオGPで存在感あふれる走りを披露した。
FIA F3の車両と比べるとコーナリングスピードが格段に速いスーパーフォーミュラのマシン。それ以外にも限られた練習時間の中でマシンとコース、タイヤを使いこなしていかなければならないという緊張感などを経験できたことが大きかったようだ。
その後、ヴィップスは12月上旬に行なわれたルーキーテストにTEAM MUGENから参加。そのまま2020シーズンのスーパーフォーミュラにフル参戦するのではないかと見られているが、自身の参戦レースがどれになるかの決定権はレッドブルジュニアチームのボスであるヘルムート・マルコが握っているという。
「来年の僕の行き先は僕が決められることではないので、正直なんとも言えない。我々のボスのヘルムートが決める。おそらく大きなオプションとしてはFIA F2かスーパーフォーミュラのどちらかに参戦することだろうけど、(どのレースに参戦するかは)それ次第だ」
そうコメントした上でヴィップスは、もしスーパーフォーミュラ参戦が叶えば、チャンピオン獲得というよりも目先の仕事を完璧にこなしていくことに集中したいと語った。
「もし来年スーパーフォーミュラに乗れることになれば、今回のテストで得られたことは間違いなく活かすことができると思う。だけど、今の時点では『チャンピオンを獲ろう』とは強く思っていない。とにかく与えられた目の前の仕事に対して全力で取り組んでベストな結果を出していく。ベストなものを出していければ、自ずと結果は出てくると思っている」
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