予算上限、ちゃんと取り締まりできるの? FIA監視体制にフェラーリ代表疑問
フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、F1が近年導入した予算上限について、FIAがどうやって取り締まることができるのかという点で依然として疑問を持っているという。
写真:: Ferrari
F1は2021年から年間の予算上限を新たにレギュレーションで規定してきた。しかしフェラーリのマッティア・ビノット代表は、FIAの予算上限の取り締まり能力に関して懐疑的な視線を向けている。
2021年から始まった予算上限は、当然2022年も継続され、その額は1億4120万ドル(約192億円)とされた。ただ今年の世界的なインフレなどの情勢を鑑みた調整が行なわれ、最終的な上限額は1億4550万ドル(約198億円)ということになった。
この予算上限という仕組みに関しては、トップチームが次々と大規模アップデートを導入することを確実に妨げ、各チーム間のパフォーマンスのギャップが縮小している要因のひとつになっていると歓迎されている。
しかし統括団体であるFIAによる取り締まりに関しては、未知の状況にあるとフェラーリF1のマッティア・ビノット代表は指摘している。
「取り締まりと、そして監視が必要とされている」
ビノット代表はmotorsport.comに対しそう語った。
「私はFIAを完全に信頼しているが、財務規則というのは、完璧に新しいレギュレーションなんだ」
「テクニカルレギュレーションやスポーティングレギュレーションならば、何年も実施されてきたモノだし、微調整なども行なわれてきた。しかし予算上限というのは、FIAにとってもチームにとっても、未知の領域なんだ」
「我々は(テクニカル&スポーティングレギュレーションでは)どこで何ができるか、そしてどこを取り締まる必要があるのかを知っている。だからこそ、FIAとチーム両者にとって”全く新しい”レギュレーションである財務規則について話しているんだ」
「FIAやチームが(財務規則を)知り、解釈し明確化し、取り締まりやモニタリングを行なうには時間がかかるだろう」
Charles Leclerc, Ferrari F1-75
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
そういった背景から、ビノット代表はFIAが予算上限の監視に専念する小規模なタスクフォースを拡大し、技術部門と同等のレベルに引き上げることが鍵になると考えている。
そして、それまでは予算上限がどれほど守られるかについて疑問が残ると語った。
「FIAの予算監視チームが3、4、5人といった規模であることを考えると……彼らの数十人いる技術部門と比較しても、おそらく数年後には数十人が予算のモニタリングを行なうことになるだろう」
「つまり、時間の問題だ。しかしその間については大きな疑問も残る。我々がそれを乗り越える必要があることは明らかだ」
「正しいモニタリングのために、できるだけスピードアップを試みるのはFIAの仕事と、チームの義務に含まれると思う。しかし今はどうなのか? そうなると大きな疑問符が残るね」
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