2021年に議論呼んだF1の裁定や判断、レッドブルはルールの再考要求「”レースをする”前提で一貫性を!」
レッドブルのヘルムート・マルコは、F1アブダビGPで発生したセーフティカー処理とリスタートを巡る論争を受け、F1はよりシンプルなルールを必要としており、進め方に関して再考する必要があると述べた。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
2021年述べたF1最終戦アブダビGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが初のドライバーズタイトルを獲得。レッドブルにとってはこれ以上ない結果とはなったが、彼らは2021年を通じてのF1側の裁定に不安を示しており、今後の課題だと主張している。
アブダビGPで問題となったのは、終盤に発生したセーフティカー時の周回遅れのマシン処理だ。当初、レースディレクターのマイケル・マシはトップを走るルイス・ハミルトン(メルセデス)と2番手のフェルスタッペンの間に挟まれていた5台の周回遅れに対し、SCの追い抜きを許可しなかった。
しかしその判断はすぐに変更され、5台に追い抜きが許可された。そして、最終ラップにレースが再開された。これが大きくレース展開に影響し、フェルスタッペンの戴冠へ繋がった。
メルセデスはこのレース再開手順に関して、即刻抗議。しかしスチュワードはこれを棄却したため、現在メルセデスはさらなる上訴を行なうことを検討している。
こうした論争がフェルスタッペンのチャンピオン獲得にも影を落とす中、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、2021年シーズンに発生した全ての出来事に対して、スポーツとして行動を起こすべきだと主張した。
「システム全体の見直しが必要だ」と、マルコは言う。
「一貫性が必要なんだ。決定事項というのは、そのたびに別々に解釈されるべきではない。ルールは単純化されなければ。その前提として、”レースをしよう!”ということが必要だ」
マルコは次期FIA会長の選挙でジャン・トッドの後任が選ばれることで、F1の将来をより良いものとするために、行動するチャンスが訪れると期待も述べている。
”人事異動”が必要かと問われたマルコは「それは私達の仕事ではない」と応えた上で、こう続けた。
「しかし多くのミスや疑問符のつく決定が発生しているため、何らかの行動を起こす必要があるのは間違いない」
「新会長が着任することになるが、彼もそこから手を付けたいと考えるだろう。スチュワードも間違いなく話を訊かれるはずだ」
一方で、チーム代表のクリスチャン・ホーナーはアブダビGPで起きた出来事は、マシが今シーズンを通じて示してきた一連の”際どい決断”の最新例だと考えている。
「チームとして、そして人生全般において、常に学びが存在すると思う」
FIAがこの出来事から学ぶことができると感じるかと訊かれたホーナー代表は、そう答えた。
「私達はレース序盤の決定(フェルスタッペンがハミルトンを追い抜こうとした際のコース外走行のアドバンテージ)はこちらに不利なものだと感じた。そしてレース終盤の決定は、間違いなく正しいものだった。シーズンとしても、そういうものだった」
「(今シーズンは)そうした際どい判断が見られてきた。いくつかは我々にメリットをもたらしたが、大部分は我々にとって損失を被るものだった」
なおマルコはアブダビGPにおけるFIAの行動を全面的に受け入れているわけではないが、メルセデスが抗議を選んだことにも憤りを示している。
「スチュワードのヒアリングによって決定が遅れるのは、チャンピオンシップの最後にふさわしくない」
「しかし、そうした抗議などを行なうこと自体が、”価値の無い敗者”としての姿になっていると思う」
メルセデスは上訴の意向も示しており、今後は16日(木)が正式に上訴を申し立てるかどうかの期限となる。メルセデスの訴えが受け入れられれば、アブダビGPの結果、ひいてはチャンピオンシップの結果が変更される可能性も考えられる。
しかしマルコは「我々には関係ない。何れにせよ我々こそが本当のチャンピオンなのだから」と一蹴しつつ、次のように警告した。
「だがそれが、将来のチャンピオンシップに相応の結果をもたらさないようであれば、我々はF1への関与を再考するだろう」
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