「モチベーションを見つけられなかった」MotoGP引退のロレンソ、度重なる怪我が影響
3度のMotoGPチャンピオンであるホルヘ・ロレンソは2019年シーズン限りでの現役引退を発表。度重なる怪我により、モチベーションを保てなくなったことが一因だと話した。
写真:: motosport.com
今季からレプソル・ホンダへ加入したホルヘ・ロレンソは、MotoGP最終戦バレンシアGPで会見を開き、2019年シーズン限りでMotoGPから引退することを明らかにした。
ロレンソはホンダ移籍後、度重なる怪我とRC213Vへの適応に苦しみ、これまでの18戦でトップ10フィニッシュも記録できない苦境のふちをさまよっていた。
「ホンダと契約した時、全てのライダーの夢……“HRCのライダーになる”ことを叶えたことで、また別のモチベーションを得ることができた」と、ロレンソは引退を表明した会見で語った。
「だけど残念なことに、(移籍して)直ぐに負傷してしまって、それが僕のリザルトやパフォーマンスに大きな影響を及ぼした。フィジカル面で正常な状態になることができず、速さや競争力を発揮することができなかった」
「そしてそれに加えて、バイクを自然に感じることができなくて、それも僕が望むような競争において、大きな問題となっていた」
「でもとにかく、僕は忍耐を失うことはなかった。チームと共に取り組み続けて、全てが適切な場所に収まるのは時間の問題だと感じていたんだ。そしてトンネルの先に光が見えた時、知っての通りモントメロ(カタルニア)のテストでの厄介なクラッシュが起きた。そしてその後アッセンで再びクラッシュした。その結果は皆知っているだろう」
そう語ったロレンソ。オランダGPでのクラッシュで負った胸椎骨折から復帰した後、彼はレースで最後尾周辺を走るという、前半戦よりもさらに苦戦する状態に陥った。そして、ロレンソもそうした状況にモチベーションを失っていったようだ。
「苦しみ続けること、僕はそれで終わった。これ以上レースをしたくなかったんだ。でも家に帰ると、また(レースに)トライする決定を下した。性急な決定はしたくなかったから、進み続けた」
「でも本当のところは、僕にとって非常に高くなった山を登るモチベーションを、見つけることができなかった」
「僕はバイクに乗ることが好きで、競争も大好きだ。このスポーツが大好きだし、何よりも勝つことが好きだ」
「でもある時点で、ホンダと過ごした短い期間で、これが不可能だと分かった。僕のキャリアのこの段階で、モチベーションを保つのが不可能だったんだ」
またロレンソは、MotoGPを戦えたのは周囲の人々の手助けがあってこそだったと話し、感謝の想いを述べて締めくくった。
「僕は自分がこのスポーツで受けた全ての助けに感謝するためにここにいる。特にカルメロ(エスペレータ/ドルナCEO)とドルナに感謝している。彼らは常に僕に良い処遇を与えてくれ、そしてこのスポーツを素晴らしいモノにしているんだ。そして、僕を信じてくれたファクトリーの全員にもだ。僕のキャリアを通じて契約した、デルビ、アプリリア、ヤマハ、ドゥカティ、ホンダ……中でも特にジャンピエロ・サッチ、ジジ・ダッリーニャ、リン・ジャービス、そしてアルベルト・プーチに感謝したい」
「それから当然だけど、僕をこの世界に連れてきてくれた母、そしてバイクへの愛を僕に教えてくれ、多くを犠牲にしてきた父にもだ。そしてファン・リャンサ(メカニック)。常に誠実で、僕のキャリアと共にいてくれた。それから僕のファンや、MotoGPのファンの皆……全ての助けに感謝している」
「MotoGPの皆と共に仕事ができて誇らしく思う。皆の幸運を祈っている。ありがとう」
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