”替え玉不正”でアウディ更迭のアプト、事件を説明「ただ面白いことをしたかった」
ダニエル・アプトは、フォーミュラEの公式バーチャルレースで”替え玉”を起用した理由について説明。ただ「面白いこと」をしたかっただけだと主張した。
5月23日に行われたフォーミュラEの公式バーチャルレース『フォーミュラE・レース・アット・ホーム・チャレンジ(FORMULA-E RACE AT HOME CHALLENGE)」の第5戦で、アウディのダニエル・アプトが、プロのeスポーツレーサーであるロレンズ・ホージングを替え玉として起用していたことが発覚。レース失格となっただけでなく、1万ユーロ(約117万円)を慈善団体に寄付することが命じられた。さらにその後、所属チームのアウディも、アプトを実際のフォーミュラEのレースにも出場停止にすることを発表。アプトにとっては、痛すぎる処分を受けることになった。
アプトは今回の”替え玉事件”を起こした理由について、自身のYouTubeチャンネルで声明を発表。ホージングがドライブしていたことを、公にすることを計画していたと語った。
「このレース・アット・ホーム・チャレンジに向けて練習していた時、Twitchで会話し、アイデアが浮かんだ。シムレーサーが僕の代わりにドライブしたら、それは面白いことになるだろう。リアルレーサーたちはそれに対してどんなことができるのか、そして彼らを駆り立てるチャンスを利用したいと思った」
「僕らはそれを文書化して、ファンのために面白いストーリーを作りたかったんだ」
この声明の中でホージングの名前は語られていないものの、アプト曰く、今回のことがこれほど物議を醸すことになるとは予想していなかったと明かす。
「良い結果を残すためだけに、他のドライバーに運転してもらい、そして良い結果を出して、そのまま静かにしておくつもりはなかった。そう言うことも、僕にとっては重要なことだ」
そうアプトは語った。
「土曜日にこのレースが行なわれた時、他のドライバーはもちろんそれに反応して、何か奇妙なことがあるのに気付いていた。僕はそれを知っていた」
「これを秘密にし続けておこうと考えていたわけじゃない。WhatsAppグループでテキストメッセージを送ったり、ヒントを与えたりしていたんだ」
アプト曰く、命じられた1万ユーロの寄付を、すでに障害者の社会動員を担う慈善団体に対して行なったと語った。
「レースが終わった直後、それはそこで終わったわけでなく、突然思ってもみなかった方向に進んでしまったことに気付いた」
「僕らはやりすぎてしまった……そのことは理解できる。僕らはそこで、大きな間違いを犯してしまったんだ」
「この過ちを全面的に認める。批判を受け入れ、僕がしたことの全ての結果の責任を取る」
「このバーチャルでの不正行為は、僕に大きな結果をもたらした。今日、アウディとの会話の中で、僕らがそれぞれ別の道を歩むことになると言われたからだ」
「フォーミュラEで共にレースをすることはなくなった。協力関係は終了したんだ。これは、僕の人生でこれまでに経験したことのない痛みだ」
「最後に、ひとつだけ言いたいことがある。人生においては、間違いを犯すことがある。これ以上落ちることはできないような気がする。今僕は、どん底にいる。でも、再び這い上がってみせたいと思う」
アプトは自身の家族、アウディ、フォーミュラE、そしてユニセフに対して謝罪の言葉を述べ、ビデオメッセージを締め括った。
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