F1 日本GP
角田裕毅の”忘却力”。悪い記憶も「美味しいご飯を食べれば忘れられる」失敗から前を向く術を語る
F1日本GPを前に、アルファタウリの角田裕毅が失敗から前を向く術、そしてF1という荒波を生き抜くマインドセットについて語った。
滑川 寛 戎井健一郎
公開日時: 2022/10/08 5:38
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3年ぶりに開催される2022年の日本GPで迎えた初の母国GP。チケットは完売となり、日本中から大きな期待が角田にかけられている。
ただ前戦シンガポールGPでは、ポイント獲得圏内の10番手から決勝スタートしながらも、レース中盤にブレーキングミスを犯し、ウォールに突き刺さる形でレースを終えていた。
最悪の結果に終わったシンガポールGP。しかし日本GPに向けて1週間と猶予があまりない中でも、角田は前を向く術を心得ている。そこには、昨年までホンダF1のマネージングディレクターを務めた山本雅史の金言があったようだ。
「僕は結構引きずるタイプなんですけど、レースウィークの前には必ずポジティブに考えるようにしています」
そう角田は語る。
「山本雅史さんから教えていただいたんですけど、タイガー・ウッズは毎ラウンド新しく始まるラウンドとしてリセットして、毎回良い結果を出していたと。ゴルフってマインドゲームじゃないですか。山本さんがそれを教えてくれました。それで僕も新しいレースウィークとして臨めるようになりました」
「でも基本的に僕はポジティブですし、美味しいご飯が食べられれば忘れられる。ある意味それは強みだと思います」
「そしてヘルメットを被ることでも、そういうことを忘れることができます。あと普段は何も考えてないというのもありますけどね(笑)」
角田は2023年もアルファタウリからのF1参戦継続が決定している。来季のシートが一先ず確保できたことで「心配事がひとつ減った」と語っていた角田だったが、これまで共にチームで走ってきたピエール・ガスリーがアルピーヌへ移籍し、イタリアGPで代役参戦ながらも入賞してみせたニック・デ・フリーズをチームメイトに迎えることとなった。
2019年のFIA F2王者にして2020-2021年のフォーミュラEの世界王者と経験豊富なデ・フリーズではあるが、F1での経験値では角田が上……チームをまとめる力が試されることとなる。
過去のトロロッソ/アルファタウリドライバーを振り返ると、多くが3シーズン限りで”クビ”が告げられてきたという歴史があるだけに、2023年に3年目を迎える角田としても、来シーズンはまさに”勝負の年”となる。
しかし、その視点はF1参戦3年目ではなく目の前のF1日本GPに向いており、結果が求められる恐怖に駆られることはないと言う。
「(恐怖は)特にないです。結果を出さなきゃいけないのは、F1の1年目、デビュー戦から同じです」
「上手くいかなかったらどうしようとかは、そもそも考えないですね。僕には上手くいく自信があるので。全てをまとめ上げて、いいリズムを掴めれば、結果は出るというのは分かっています」
「日本GPに向けても、プレッシャーを感じるというよりもワクワクの方が大きいですね。みなさんの前でいい走りをしたい、感謝の走りをしたいというのはあるんですけど、正直自分のためだと思って走っています」
「自分が楽しむために走っているというのがあります。だからチームスポーツをやっていないんだと思いますね。サッカーとかできないですね。好きなんですけど、個人技で行くような感じです」
「みんなの前でいいパフォーマンスをしたいというようなエンターテイメント的な部分はあると思います。自分ファーストとは違いますけど、自分も楽しまなきゃ面白さも伝わらないと思うんです」
Yuki Tsunoda, AlphaTauri, Helmut Marko, Consultant, Red Bull Racing
Photo by: Red Bull Content Pool
レッドブルのドライバープログラムを一手に率いるレッドブルのモータースポーツ・アドバイザー、ヘルムート・マルコの歯に衣を着せない批判により、心に傷を負うドライバーも過去にはいた。
しかしその点、角田は図太いメンタルを持ち合わせている。
「基本的に、僕は結構反論したがるタイプなんです」
そう角田は語る。
「マルコさんは昔に比べてだいぶ丸くなったという感じがします。もちろん今でも厳しいですが、それも関係しているかもしれないです」
「僕は違うと思ったらそうじゃないと言うので、話が長引いても、僕が思っていることを伝えられるならそれでいいと思っています」
「それは向こうも理解してくれています」
「100%僕のせいの時は受け入れます。それは自分でも分かっていることですし、結局、次のレースで結果を出せば、向こうは喜んでくれます」
「自信もリンクしていると思いますし、結局ヘルメットかぶってしまえばそこまで変わりません。あとは負けず嫌いだというのもあります。一方的に責められたり、言葉で負けたりするのも嫌なので!」
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