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中野信治、角田裕毅F1デビューイヤーの評価は”80点”「彼が面白いのは”ふてぶてしさ”」

元F1ドライバーの中野信治が、デビュー1年目を戦い終えた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)を評価。最終戦4位という結果は、非常に重要なモノだったと語った。

Charles Leclerc, Ferrari SF21, Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT02

写真:: Simon Galloway / Motorsport Images

 F1デビュー1年目のシーズンを終えた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)について、元F1ドライバーであり、現在はSRS(鈴鹿サーキット・レーシングスクール)のヴァイス・プリンシパル(副校長)やDAZNのF1中継で解説を務める中野信治に訊いた。

 角田はデビュー戦バーレーンGPで、チャンピオン経験者らと好バトルを繰り広げた末に入賞。非常に高い評価を集めた。しかしその後は浮き沈みのある日々が続き、後半戦は予選では速さを見せるものの、入賞できないレースも多かった。

 ただ最終戦アブダビGPでは、予選でチームメイトであるピエール・ガスリーに初めて先行し、決勝でも先着。しかも表彰台まであと一歩という4位でシーズンを締めくくった。

 中野はDAZNで配信中の角田裕毅の特別プログラム『THE BIRTH OF AN F1 DRIVER』にも出演しているが、その収録現場で角田の今季に”点数”をつけてもらうと、「80点」だと答えた。

「色々な見方があるとは思うんですが、80点くらいなのではないでしょうか?」

 角田の1年目のシーズンについて、中野はそう評価した。

「最終戦の4位が効きましたね。前半だけを考えると、厳しい点数になってしまうかもしれません。でも最終戦の走りは、ほとんどを帳消しにできるくらいのものだったと思います」

「この世界では、やっぱり結果を出すことが重要なんです。それを最終戦で見せることができたのは、彼の能力以外の何者でもないですからね。やるべき時にしっかりやれるかどうかというのは、ドライバーが上のステップに上がれるかどうかを分けます。そういう意味でも、あそこでアレができたのは、大きいです」

 来季はマシンのレギュレーションが大きく変わるため、その出来次第だとしながらも、対チームメイトという観点では、しっかりとした走りができるはずだと中野は語る。

「今年よりははるかに上手くやってくれると思います」

「問題はクルマですよね。自分に合ったクルマができるのか、それともガスリー向きのクルマに仕上がるのか……それが重要です。でも後半戦に関してはガスリーに合わせた走りをしている部分も少し見えたので、そこは彼の成長だと思います。僕は心配していませんし、このままの流れで行けるかもしれないなと思います。チーム力次第ではありますが、少なくともチームメイトとの争いに関しては、良いところにいけると思います」

 角田のシーズン中の無線交信は注目を集めた。時には過激な言い回しとなり大きな反響となったが、それを含めた”ふてぶてしさ”が、角田の良さだと中野は言う。

「彼が面白いのは、”ふてぶてしい”というところですよね。日本人ってどうしても、優しかったり良い人すぎる人が多いので、そういう風にはなかなかなれないんです。狙ってそれをしようとすると、ちょっと違う形になってしまう。でも彼は本当にふてぶてしい……そこが強みだと思います」

 そう中野は言う。

「彼のああいう態度は、自然なんですよ。言動も行動も。分からないことは分からないと質問できるタイプですし、そういうところに変な遠慮がないんです。でもこれは、海外では当たり前のこと。それを海外の人と同じ感覚でできるだけで、良い立場に居られるんだと思います」

「人間って、根本の部分ではなかなか変えられないんですよ。それが自然にできているのが、何よりも一番良いなと私は思っています。若さとか、英語が完璧じゃないので、それが無線でああいう感じで出てしまう。そんなことは時間が経てば良くなっていくので、その間に良い意味でのふてぶてしさを失ってほしくないと思います。でもそれを失わないためには、結果を残さなきゃいけない……その両方を手に入れるためにも、最終戦の走りがうまく良いきっかけになってくれればいいと思います」

 角田はシーズンが進むにつれ、予選ではトップ10の常連になりはじめた。特に第16戦トルコGP以降を見れば、ブラジルGP以外は全て予選トップ10。しかし入賞はアメリカGPと最終戦アブダビの2戦のみだった。これはまだ、角田には足りない部分があったと、中野は語る。

「アレは足りないところもあったのだと思いますが、それは経験だと思います。戦い方としても、Q3に行くことを目標にしているような感じもありました。もっとミディアムタイヤでQ3に進出できていれば、戦略的に優位に立てたかもしれません。そしてチームはガスリーを優先しますから、思うようなレースをさせてもらえなかった部分もあるとは思います」

「でもその流れを作れなかったのは角田自身だし、その中でももう少しうまくやれるはずができなかったのも角田自身です。たとえばスタートをうまくできなかったりとか……F1に上がると、アグレッシブに行ったつもりでもアベレージ以下になってしまうこともある。F1の1周目、2周目のアグレッシブさは、ものすごいモノがあります。そういう部分に順応できていないなと思った部分もありました」

「でも最終戦では結構良いところに来られた。それができたのは、速く走れるという自信があったからだと思います」

 さて、2シーズン目の角田はどんな活躍を見せてくれるのだろうか? 今から実に楽しみである。

 なお角田のデビューシーズンに密着、そして角田裕毅というF1ドライバーの深層に迫った特別プログラム『THE BIRTH OF AN F1 DRIVER』が、スポーツチャンネルDAZNで配信中。この番組では、中野が指摘する角田の”魅力”も、間近で見ことができるだろう。

『THE BIRTH OF AN F1 DRIVER』は、第2エピソードまでが配信中。年明けにかけ、全6エピソードが配信予定になっている。

 
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