ドライバーにブレーキダストが直撃? ベッテル、今季マシンの問題点を指摘
FIAは現行F1マシンにおいて、フロントのブレーキから出るダストがドライバーに吹き付けていることから、ブレーキダクトの設計を変更すべきかどうか、チームと話し合う予定だ。
写真:: Giorgio Piola
アストンマーチンのセバスチャン・ベッテルは、F1第11戦オーストリアGPの後、ブレーキから出るダストがコックピットに吹き込んでいることによってドライバーの健康リスクが高まる可能性があるとして、FIAに調査を求める声を挙げている。
ベッテルはオーストリアGPでブレーキディスクから舞い上がったカーボンダストを顔に浴びていたのだ。
今季、F1は技術規則を大きく変更。これによりブレーキダクトも大きく変化している。これまではダクトを通って前方から取り込まれた空気は、ブレーキを冷却した後、ホイールから排出されていた。
しかし技術規則の変更によりホイールカバーが導入されたことで、ブレーキを冷却した気流は後方ダクトから排出される形となっている。
Aston Martin AMR22 brakes
Photo by: Giorgio Piola
ベッテルはこの影響で、より多くのダストがコックピットに向かっていると考えている。
「正直に言うと、これは彼ら(FIA)が取り組むべきことなんだ。なぜなら今年、フロントアクスルのブレーキダクトのデザインは、ブレーキダストを顔に吹き付けていて、それは良くないことだからだ」
「カーボンダストを吸い込むというのは、あまり健康的とは言えない。これは無意味だし、簡単に変えられることだから、FIAがすぐに調べてくれることを願うよ」
FIAはオーストリアGPのレース終了後すぐにベッテルの懸念を把握し、現在この問題を調査することを選択したと理解されている。
ドライバーの健康と安全に関わる問題であるため、FIAはチームメンバーで構成されるスポーツ・アドバイザリー・コミッティの次回会合でこの問題を議題として取り上げ、問題改善のためにどのような行動を取ることができるかを確認することにしている。
ブレーキダストに関する不満が出たのは今回が初めてではなく、2019年にもこの話題が持ち上がったことがある。
その時は、当時メルセデスに所属していたバルテリ・ボッタスが、レースを通じてブレーキダストを吸い込んだ影響で、くしゃみで黒いダストを吐き出していたと明かした。
この問題に対し、何ができるかと問われたボッタスは、次のように答えた。
「確かに自分のブレーキから出るダストはあるが、それはごくわずかだ。前のクルマのせいで、いつもそうなってしまうんだ。レース後、くしゃみをすると真っ黒になる。だから、毎年毎年、体にどんな影響があるのかわからない。見当もつかない」
「誰もそれを調べたことはないのだろう。きれいな空気を吸いたいけど、どうしたら良いか分からない」
元F1ドライバーのミカ・サロがブレーキダストの問題を初めて取り上げたのは約20年前。2002年にF1を引退した後に受けた手術で、肺に高濃度のカーボンダストが検出されたと医師が明かしたことがきっかけだった。
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