ボッタスから勝利を奪った”巨大な”デブリ。メルセデス「見えていたら外せたのに……」
メルセデスF1チームは、バルテリ・ボッタスがセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のマシンから脱落したフロントウイング翼端板にぶつかったあと、大きな影響があるというセンサーの表示を信じていなかったと明かした。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
メルセデスのバルテリ・ボッタスは、F1エミリア・ロマーニャGPで無難なスタートを決め、1周目を首位で終えた。しかし2周目のトサ・コーナーで、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のマシンから脱落してコース上に落ちていたフロントウイング翼端板を踏んでしまった。
ベッテルは1周目にハースのケビン・マグヌッセンと接触。その際にフロントウイングの翼端板にダメージを負い、その約半分がコース上に落ちていたのだ。
ボッタスはこの翼端板を視認したものの、避けることは難しく、跨ぐようにして駆け抜けようとした。タイヤで直接デブリを踏むことはなく、パンクすることは避けられたが、そのデブリはボッタスのマシンのフロアにひっかかり、そのパフォーマンスに大きな影響を与えることになった。
メルセデスのテレメトリーシステムは、ボッタスがパフォーマンスの低下に苦しんでいることを即座にピットウォールに知らせた。しかしボッタスはレースをリードし続けていたため、問題の影響がどれほど大きいのか、チームは信じることができなかったという。
メルセデスのトラックエンジニア・ディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、次のように語った。
「パフォーマンスの大幅な低下が見られたが、問題はラップタイムがどのくらい落ちるかということだった。ラップタイムに換算すれば、その影響は0.7〜0.8秒程度だった」
「当時我々は、そのセンサーの情報を本当には信じていなかった。なぜならバルテリは、特にプッシュして走ることはなく、必要な時に必要なラップタイムを出すことができていたからだ。我々は、少し差を広げることもできた」
「そのダメージが、ラップタイムに絶対的な影響を与えるということも解りづらい。それはサーキット1周でずっと同じような影響を与えるわけではないからだ。そして、コーナによっても、マシンが向いている方向によっても、その影響は異なる。しかしレース序盤には、その影響がどれほど大きいかを信じることができなかった」
メルセデスは、ボッタスがトサ・コーナーでデブリを拾ったことを理解していたという。しかしベッテルの翼端板は、その黒い方だけが見える状態で引っかかっていたため、引っかかった場所を含め、問題の原因を正確には理解できなかったという。
「それが何なのかが分からなかった。でもその大きさと、赤いパーツだったという事実を見ると、カメラでそれを見ることができなかったことは信じられない」
「でもそのパーツはフロアに引っかかっていて、見えていたのは黒い部分だけだった。マシンは全体的に黒いから、外からは見えなかったんだ。どこに引っかかっているのかが分かったなら、最初のピットストップの際に、それを取り除くというような効果的な仕事ができたかもしれない」
「彼にとっては運が悪かったし、もしタイヤで踏んでいたら、パンクしていた可能性が高かった。その上を跨ぐように直進したというのは、明らかに正しい判断だった。良い決断だった。ただそれは、彼のレースに影響を及ぼし続けたんだ」
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