F1スペインGPは、ゼロサイドポッド”審判の日”? メルセデス、コンセプト変更の可能性否定せず
今季序盤から苦戦しているメルセデスはF1スペインGPの後、”ゼロサイドポッド”コンセプトを放棄する可能性を否定していない。
写真:: Carl Bingham / Motorsport Images
メルセデスは今季のマシン『W13』のポーパシング問題を解決するのに苦労しており、フェラーリやレッドブルに対抗することができないでいる。
チームはその解決策を追い求め続けているが、バルセロナで開催される次戦のスペインGPは”次のステップ”を決定する重要な瞬間になると見られている。
メルセデスはバルセロナで開催されたプレシーズンテストの際、新車ローンチ仕様の標準的なサイドポッド(下写真)を搭載して走行していた。つまりスペインGPは、それぞれのコンセプトの挙動とポテンシャルを比較する絶好の機会となるのだ。
George Russell, Mercedes W13
Photo by: Giacomo Rauli
マイアミGPにアップデートを持ち込んだものの、あまり進歩が見られなかったメルセデスは、ゼロサイドポッドを継続するのか、それとも何か違うことをするべきなのかについて、すぐに決断を下す必要があると考えている。
バルセロナで評価をした結果、ローンチ仕様のコンセプトに戻す可能性はあるのかと聞くと、トト・ウルフ代表はmotorsport.comに次のように答えた。
「私は、あらゆることを考慮するだろう。我々はすべての仲間に、疑念を持つ恩恵を与える必要がある」
「彼らは過去に素晴らしいレーシングカーを製造してきたし、我々はこれ(ゼロサイドポッド)が進むべき道であると信じている。バルセロナは間違いなく、より多くのデータを集めて、2月(のテスト)との相関関係を見ることができるポイントになるだろう」
「データを集めて実験をする、と同じことを繰り返すのも腹立たしいが、これは物理であって神秘学ではないので、データで解き明かす必要がある」
メルセデスがスペインGPで確かめなければならないのは、”ゼロサイドポッド”の理論上のメリットが、実際のレースパフォーマンスで実現できるのかということだろう。
実走行データをテストの時と比較することで、理論上は発生するダウンフォース量が少ないとされる従来のコンセプトとの違いを、より良く理解するチャンスになるのだ。
メルセデスのゼロサイドポッド・コンセプトは、フロアがどのマシンよりも多く露出しており、これが意図せずポーパシングに敏感な特性に繋がっている可能性がある。
「グリッドを歩くと、我々のフロアエッジが他のどのマシンよりも大きく張り出しているのが分かるだろう」
そうウルフは語った。
「そのため、不安定になる可能性がある範囲が違うんだ」
「そこが我々のコンセプトの違いだと思う。バルセロナでのローンチカーが理論上ではずっと遅いのは明らかだが、どうすれば今のマシンがドライバーにとって予測通りに機能するかを見つける必要があるんだ」
まだその答えは見つかっていないが、ウルフはスペインGP後にチームが将来的に追求する方向性を決める必要があると明言している。
「我々はまだ今のコンセプトにコミットしているし、そうでなければならない」
「しかしそれを信じておらず、もう片方に50%のチャンスを与えるのなら、今すぐにスイッチしなければならない」
「我々は今のコンセプトを信頼している。”隣の女性”の方が好きかどうか、見ているわけではないんだ」
「実のところ、他のコンセプトに切り替える決断をする前に、どこが悪かったのかを理解する必要があるのだ。そしてそのコンセプトの良さとは何か、悪さとは何か……それは、我々自身にしか答えられない質問なんだ」
「バルセロナの後に自問自答することになるだろう。なぜなら、リアルな相関性が分かるからだ。そしてその時までに鏡の中の自分たちを見て、間違っていたのか、間違っていなかったのか、判断することになるだろう」
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