スプリントは50%長くないと機能しない? 今後の開催に向けF1ドライバーがコメント
今シーズン初のスプリントが第4戦エミリア・ロマーニャGPで実施された。ジョージ・ラッセル(メルセデス)はスプリントのレース距離を50%長くし、タイヤデグラデーションを考慮しないと機能しないと考えている。
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
2021年に初導入されたF1のスプリントレースは2022年に向けて修正を受け、今年はイモラ・サーキットでの第4戦エミリア・ロマーニャGPでシーズン初実施。イモラでのスプリントを終え、F1ドライバーたちがコメントを残した。
今シーズンはイモラを含め3戦でスプリントが実施される。金曜日のノックアウト方式による予選順位に従ってグリッドを組むスプリントは決勝レースの3分の1、つまり100kmのレース距離で行なわれる。スプリントでは、決勝レースのグリッドを決定する他、トップ8までにポイントが与えられる。
導入当初から、スプリントはファンやドライバーの間で意見が分かれている。金曜日に予選、土曜日にスプリント、日曜日に決勝レースと3日間ともコンペティションが行なわれることでメリットを感じる人も多い一方で、このフォーマットには修正が必要だと感じる人も少なくない。
スプリントで11番手とスタート位置から順位を上げることが叶わなかったジョージ・ラッセル(メルセデス)は、現行フォーマットの「大ファンではない」として、レース距離を50%長くする必要があると考えている。
「正直なところ、僕はその大ファンとは言えない」とラッセルは言う。
「多分50%くらい長くする必要がある。それが少しだけ長くして、タイヤデグラデーション(性能劣化)が見えるようにすべきだ」
「ドライバーはもう少しタイヤを管理するようにすべきなのかもしれない。そうすれば、マシンごとの違いも見えてくる」
「現時点では、みんな全速力で走っている。(イモラで)何台かいたと思うけど、予選で(予想外に)順位を落としていない限り、オーバーテイクできるほど大きなラップタイム差は生まれない」
Charles Leclerc, Ferrari F1-75, Lando Norris, McLaren MCL36, Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, Sergio Perez, Red Bull Racing RB18, the rest of the field at the start
Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images
スプリントでも自由にスタートタイヤを選ぶことができる。イモラでは、ほとんどのドライバーが最も柔らかいソフトタイヤを選択。レース終盤ではソフトタイヤ勢がデグラデーションで苦しむと踏んで、3台がミディアムタイヤを選択したが、実際はそうならなかった。
ミディアムタイヤを履いたドライバーのひとり、ケビン・マグヌッセン(ハース)はスプリントを4番手からスタートしたものの、8番手に後退してしまった。ただマグヌッセンの疑問は、レース距離よりも金曜日のフリー走行1回のみでパルクフェルメルールが適用されてしまうことにあるという。
「微調整可能なことだけど、FP1と予選の間のパルクフェルメルールには賛成できかねない」とマグヌッセンは言う。
「それ以上マシンに手を加えられなくなるし、小規模チームとしてはちょっと厳しいね」
またマグヌッセンは、スプリントを決勝レースのグリッドに影響しない独立したレースにすることで、ドライバーが「もう少しハードに、よりリスクを負って戦うことができる」と考えている。
将来的なフォーマット変更として、スプリントを独立したイベントに切り離すことが検討されている他、2023年以降のスプリント実施数を6戦に増加することも検討されている。
4月26日(火)のF1委員会では、来シーズン6戦でスプリントを開催する計画にF1チームが支持を示したものの、FIA側がこの計画に待ったをかけた。その理由は、財政的な貢献があった場合にのみ計画を実施するとして、この案がチーム運営と人材に与える影響を評価するためだという。
ランド・ノリス(マクラーレン)は、スプリント実施のレース週末では3日間ともにコンペティションがあることを楽しんでいるとしながらも、フォーマットの拡張には慎重であるべきだと考えている。
「僕は気に入っているよ。FIA F3やF2で慣れていることだしね。ドライバーにとっては、より大きなチャレンジになると思う。2回のレーススタートということになるけど、スプリントよりも決勝レースを目指してはいる。僕らはリスクを冒して挑戦しなきゃいけないけど、その感覚は良いよ」
「気に入ってはいるけど、4回以上に増えるのは……そうなったら僕は好きって言えないだろうね」
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