ダウンフォース量増大を防ぐため、フロアのレギュレーションが変更へ
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、現行マシンは2021年まで使われることになる。同じ規格のマシンを長年使うと、熟成が進みダウンフォース量が増してしまうのが常だが、フロアに規定を設けることで、ダウンフォースを削減することを目指すようだ。
写真:: Motorsport.com
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕が延期されている2020年のF1。レースが無いことにより、各チームが財政面で大ダメージを受けており、直近の数年でできるだけ出費を抑えるべく、本来ならば2021年から導入される予定だった新しいテクニカルレギュレーションの導入が1年延期。2020年のマシンを、ほぼそのまま2021年シーズンも使うことになった。
とはいえ、開発がまったくできないわけでなはく、許された範囲内でアップデートを施すことができる。その結果、頭痛の種が生まれる可能性が指摘されていた。
その主な懸念は、ダウンフォースの増加に伴い、タイヤにかかる負荷が、当初予定されていた限界を超える可能性があるのではないかということだった。
今シーズンは昨シーズンと同じタイヤを使うことになっており、来年で3シーズン目のタイヤということになる。一方で、同じレギュレーション下でマシンの開発が進めば、ダウンフォースが増していくのは必然であり、そうなれば前述のとおりタイヤが耐えられなくなってしまう可能性がある。これを避けるためには、ダウンフォースの発生量を引き下げねばならない。
改定されたF1テクニカルレギュレーションの3.7.2条によれば、フロアの端は、マシンの中心線と均等な距離を保たないこととなり、後方に向かうに連れ、幅が狭くなりそうだ。また3.7.10条によれば、リヤタイヤの前方に、周囲を完全に囲まれたスリットを設ける自由もなくなるようだ。
フロアの端にスリットを設けることにより、フロントタイヤで乱された気流が、フロア下を通る気流に影響を及ぼすことを避け、ディフューザーでしっかりとダウンフォースを発生することができた。またリヤタイヤの直前に開けられたスリットは、リヤタイヤが変形することで周囲の気流が乱れ、ディフューザーの空気流に影響を及ぼすのを避ける効果もあった。
この解決策として、レギュレーションで許される小型のスリットを設ける方法が採られる可能性もあるが、現状採用されているモノと比較すると、効率は低い。
またフロアの剛性も高められることになった。第3.9.2条では、許される垂直方向のたわみが2mm少なくなり、測定地点もマシンの中心線から50mmずれることになった。
2020年シーズンは、基本的には2019年シーズンと同じレギュレーション。そのため、すでに行なわれた開発により、パフォーマンス面ですでに前進を果たした可能性が高い。そのため今回の変更が、マシンのパフォーマンスに大きな変更を及ぼす可能性は少ないだろう。
しかしながらその一方で、より開発範囲が絞られたことにより、短期的にパフォーマンスを向上させる可能性も低そうだ。
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