F1

鈴鹿で増えたレッドブルRB20の吸気口。内部はどうなっている? 冷却に加え、内部気流のコントロールに活用か

レッドブルRB20は、今季のF1マシンの中で最も冷却面で攻めたマシンだと言える。F1日本GPでは新たな吸気口が出現。できることの限界に挑戦している。

Matt Somerfield Giorgio Piola

公開日時: 2024/04/11 3:18

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Red Bull Raciing RB20 side open (New inlets, inset)

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

Analysis provided by Giorgio Piola

 レッドブルはF1日本GPで今季マシンRB20をアップデート。これにより新たな吸気口が出現した。

 RB20の超小型サイドポンツーンインレットと目を見張るようなアンダーカットは視覚的に最も目を引く要素だが、要求される冷却性能と空力的なニーズを両立すべく、パッケージ全体に渡って多くの細かい作業が行なわれている。

 今回のアップデートは、シーズン序盤を通してRB20の効率を最適化するために多くの作業が行なわれたことを意味しており、見た目以上に興味深いアップデートだと言える。

 まず注目されるのは、前述したようにヘイローの付け根付近に新たな吸気口が設置されたこと(メイン画像円内の青矢印)だ。1988年と1989年前半のベネトンB188を彷彿とさせる(RB20はそれよりはるかに小さいが)吸気口が増設されているのだ。

Johnny Herbert, Benetton B188

Johnny Herbert, Benetton B188

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 RB20の吸気口は、我々が見慣れている場所とは少し異なる位置に設けられている。レッドブルが2024年に採用した全体的な冷却スキームは、グリッドの他のどのマシンとも大きく異なっているのだ。

 ジョルジョ・ピオラの描いた図面が示すように、この部分の吸気口はパワーユニットの横に取り付けられた小型のクーラーに冷気を送っているようだ。

 そしてここから取り入れられた空気は、エンジンカバーとサイドポンツーンのボディワーク内部を通る気流の最適化を手助けする役割を持っているようだ。どちらかといえば、この役割のほうが重要なのではないだろうか。

 アップデートに合わせ、サイドポンツーン上部の水平吸気口と前方のボディワークが再構成されている。サイドポンツーンの吸気口はシーズン序盤3レースで使用されたモノよりもわずかに小さくなっており(メイン画像右上の挿入図)、最適化が進んでいることが分かる。

 一方、ミラーステーの中間部分には垂直フローダイバーターが追加され(メイン画像黒矢印)、新たな吸気口があるサイドポンツーン上面の気流を管理するのに役立っているはずだ。

 また、サウジアラビアGPと同じようにエンジンカバーの膨らみの側面にある排気口が開けられている。サイドポンツーンとエンジンカバーのネルが分割されているため、モジュール化が可能であり、その結果チームはレースごとに仕様を選択し、冷却性能と空力性能のバランスをとることが可能なのだ。

 つまり今後も、冷却と空力効率の要求に応じて、再構成される可能性があるということだ。

Red Bull RB20 edge wing

Red Bull RB20 edge wing

Photo by: Giorgio Piola

 レッドブルはまた、日本GPでRB20のフロアとエッジウイングにも変更を加えている。

 この変更により、フロアで発生する局所的な荷重が増えるという。それを促進するためにエッジウイングにはよりアグレッシブなキャンバーが適用されている。

 一方、フロアのリヤセクションはテーパー状になっている部分に、斧の頭のような形状の羽(赤矢印)が突き出している。これも、フロア上面を通る気流のコントロールに役立てられているはずだ。

 

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